2015年2月16日月曜日

地域仕掛け人市 in 大阪に行ってみた

   大阪のあべのハルカスで開催された、日本全国!地域仕掛け人市 in 大阪 に行ってきました。
 NPO法人JAE(ジャイー)が事務局となり、全国中小企業団体中央会の「地域中小企業の人材確保・定着支援事業」の委託を受けて実施されたものです。

 いま、都会ではなく、地域(地方、わかりやすく言えば田舎)へ移住したり、地域で働く、もしくは地域で仕事を創るなどといったことに注目が集まっています。
 この「地域仕掛け人市」は、主に西日本各地で、地域おこしや地域活性化などに取り組んでいるNPOや会社、団体などの「地域仕掛け人」たちが一堂に集合。地域への移住とか地域での就労などに関心がある参加者に対して自分達の活動を紹介したり、具体的な仕事やインターンシッププログラムなどを提示して、マッチングを図ろうというイベントです。

 この日は、鹿児島市などで長期実践型インターンシップなどを行っている(株)マチトビラなど14の団体が参加しており、三重県からは尾鷲商工会議所がエントリーしていました。
 出演団体のそれぞれの事業内容や活動状況は、Facebookのページに詳しく紹介されているのでそちらをご覧いただくとして、いくつか思ったことをメモしておきます。


 印象深かったのは、第1部のトークセッションでした。いわゆる地域おこし活動の仕掛け人たち3人によるものでしたが、三人三様のポジションなのが面白く思えたのです。

 (株)地元カンパニーの児玉社長は、もともと長野県上田市出身で、大学、就職を東京でされ、現在は上田の野菜などのプロモーション業務を行っています。ミッションは長野(上田)を元気にすることですが、自分は東京と上田のオフィスを往復する生活をしており、東京で長野出身の人材をリクルートし、上田にUターンして働いてもらうことで、地域の雇用を増やしています。つまり、社長本人がUターンするのでなく、田舎と都会の真ん中にいることをあえて意識しているとのことです。

 (株)しまのみらいの取釜社長は、都会での就職を経て30歳前に出身地である広島県・大崎上島へUターン。島の子供たちがいつかはUターンしてくるためのキャリア教育の実施や、移住者の積極的な受け入れ活動などを行っています。

 伊那佐郵人の松田代表は、同じ奈良県出身ではありますが、子供の養育のため環境が良い田舎暮らしを希望しており、たまたまネットで発見した古民家(旧郵便局舎)がある宇陀市に移住してきた経歴をお持ちです。局舎をリノベーションして地域活動の拠点としており、日替わりシェフレストランや園芸農業(ダリア栽培)、EC支援などを行っています。

 皆さんが結果的にせよ「地域仕掛け人」、つまり地域活動のキーパーソンとなったいきさつのお話しはそれぞれ面白かったのですが、ファシリテーターの船木さんが言っていたように、お三人とも「家庭生活の時間」や「子育て環境」を大事に考えており、都会でサラリーマン生活している限り、理想としている生活スタイルが実現できないことから、それまでの生活を変え、地域に関わるようになった ~Uターンにせよ、Iターンにせよ~ ということのようでした。
 また、船木さんから「地域で働きたいと考えている人は多いと思うが、成功するコツは何か?」という問いに対して、取釜さんの答えが興味深く思われました。
 取釜さんによると、田舎で事業を始めるコツは2つあるそうです。
 1つは、小さく始めること。U・Iターン者の中にはよく、「田舎でカフェを始めたい」といって本当にすぐに開店してしまう人がいますが、このような性急な動きは必ず地元とハレーションを起こすのでよくないそうです。
 まずは観光でその地域を訪れ、顔なじみを作る。次に地元のイベントでカフェを試してみる。そこで評判が良いようなら月1回の定期市などへ出展する。そのようなうちに、本気でカフェをやるならあそこに空き家があるよ、というふうに地元の人がアドバイスをくれるようになる。その時点で開店すれば失敗することは少ないのだそうです。つまり、時間をしっかりかけて、まずは地元に溶け込む努力が必要だとのことです。
 もう1つは、かといって地元の人がくれるアドバイスを何でも鵜呑みにしてはいけないということです。それは、地域の人は地域の魅力や課題がわかっておらず、それゆえに今までのやり方が変えられず地域は疲弊している面があるからです。「ネガティブな意見は無視する」という心構えも大事だとのことです。
 このあたりは、Uターンとはいえ最初は地元で悪戦苦闘した経験から得られた貴重な教訓のように感じました。

 このトークセッションの後は、出展団体が2回に分かれて、それぞれの活動の自己紹介と、今日探している人材についてのプレゼンテーションを行い、参加者が興味のある出展者のブースを訪れて突っ込んで話を聞く、というブース交流会が行われました。(1枚目の写真は交流会の様子です。)

 尾鷲商工会議所のプレゼンテーションでは、同会議所の村田専務が、自らが千葉県から尾鷲へのIターンであることを自己紹介した後、尾鷲市内にあってU・Iターン人材を募集している、尾鷲物産(株)(職種:漁師、水産加工、営業)、(株)主婦の店(職種:地域密着型スーパーの店長、バイヤー)、(有)小川耕太郎∞百合子社(職種:木材を新しい形で売っていく)の3社と、地域おこし協力隊員を募集している尾鷲市役所の紹介を行いました。


 各ブースとも多くの人が押し寄せていましたが、200人以上はいたと思われる参加者の中には、自分が地域で働いたりインターンしたりすることを希望している人以外に、それらを支援する側として参加している人や情報収集目的の人も多く(わしもその一人であるわけですが)、実際にどれくらいマッチングが成就し、本当に尾鷲なり、他の地域に来てくれる人がどれくらいいるものなのか、果たしてどうなのだろうか? とも思いました。
 まあ、この種の活動は息の長い取り組みになるので、あくまで今日はその第一歩ということなのかもしれません。

(なお、地域仕掛け人市は2月21日に東京、22日に名古屋でも開催されるとのことです。)

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