2015年3月24日火曜日

あの本は、やはり岩手県で売れていた

 昨日の続き。
 東洋経済オンラインの連載記事である「今週のHONZ」に、「地方消滅」は、やはり岩手県で売れていた という大変に興味深い内容が載っていました。(平成27年3月7日付け)
 2010年から2040年までの間に、若年女性の人口が大幅に減少する全国の896自治体を「消滅可能性都市」とし、この中でも2040年時点に総人口が1万人を切ってしまうと予測される523自治体については「消滅可能性が高い」(消滅可能性都市)と大胆に推測した、日本創成会議なる民間団体の「ストップ少子化・地方元気戦略」を骨子とした 地方消滅 増田寛也著(中公新書)について、
 「地方消滅」は地方の人が読んでいるんだろうか?
という素朴な疑問をリサーチした結果です。
 書籍取次大手「日販」のPOSデータ分析システムであるオープンネットワークWINのデータをもとに、書店1店あたりの平均販売冊数を都道府県別に算出してみたところ、次のような分布図になったそうです。


この分布図は東洋経済オンラインから引用しました。最低限度の引用なので詳細をご覧になりたい方はぜひ東洋経済オンラインをお読みください。(リンクはこちらです)

 これによると、東高西低の姿は顕著なようです。著者の増田氏は平成7年から19年までの3期に渡って岩手県知事であったためか、岩手県で圧倒的な売り上げを上げています。

 次いで、山形県、宮城県、秋田県、茨城県などでも多く売れており、HONZの書き手である古幡瑞穂さんも言うように、東日本大震災の被災と相関関係があり、これらの地域の住民は、自分の故郷に対する思いが他地域に比べて強い、とか、地域のあり方について検討が始まっている市町村が多い、などの推測が成り立ちます。
 逆に、売れ行きが低いのは、愛知県、大阪府、兵庫県など。
 なぜか福井県や島根県、徳島県、奈良県なども売れ行きは低くなっています。
 東北に比べ、九州や四国も売れ行きは低く、この問題への関心が低いのか、もしくは本を買ってまで内容を詳しく知りたいという人が少ないのか、そのあたりの地域性をうかがわせます。

 さらに興味深いのは、読者の性別と年齢の統計です。
 読者は圧倒的に男性で83%を占めています。女性はわずか17%です。
 年齢は50代と60代が多く、40代と70代が続きます。10代の購読者はほとんどなく、20代、30代も少ないことから、若者世代の、特に女性は、この問題にほとんど関心がないと言えそうです。

 皮肉なことに、「地方消滅」の趣旨は、出産可能年齢の女性が地方から流出していくことに対して警鐘を鳴らしているものです。しかし、このデータを見る限り、重要な当事者の関心は非常に低いのです。
 まずは、この層にいかに関心を持ってもらうかが重要ではないでしょうか。

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