2015年4月23日木曜日

ホンダジェットって凄いなと思わざるを得ない件

 ホンダが開発・製造した小型ジェット機「ホンダジェット」が4月23日の午後、羽田空港に初めて飛来しました。
 創業者である本田宗一郎氏は、いまから50年以上も前の昭和37年、社内報で「軽飛行機を開発しようと思っている」と告知していたそうですが、社内で本格的に開発が始まったのは昭和61年のこと。そこから29年かけて、今ようやく量産にまでこぎつけた形です。
 飛行機の開発、設計、製造には何らノウハウがなく、機体やエンジンなどを一から開発したそうで、その技術力の高さには驚嘆せざるを得ません。
 しかし、わしがホンダの凄さを感じるのは、初志貫徹の姿勢というか執念というか、尋常でないほどに「ぶれない」姿勢に対してです。




 ホンダジェットは全長13メートルで、最大7人乗り。
 エンジンが主翼の上に搭載される独特のスタイルで、このクラスのビジネスジェット機としては、広い室内空間と最も速い最高速度(約780km/h)、そして最高レベルの低燃費を実現しています。
 価格は450万ドル(約5億4千万円)もしますが、すでに主に欧米の企業や富裕層から100機以上の受注があるそうで、今後は中国などアジア市場での受注獲得を目指していくそうです。

 いったいホンダジェットの開発にいくら費用がかかったのか、ネットでささっと調べた限りよくわからなかったのですが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)のホームページに、JAXAタウンミーティングの会場との質疑応答の中で、
「ホンダジェットの場合、・・・MRJに比べると、開発費のけたがひとけた半くらい違います。」
と発言している部分がありました。

 巷間言われているMRJの開発費が約2000億円とすると、このJAXAの言によればホンダジェットの開発費は200億円くらいということになるのかもしれません。(しかし、ひとけた半ってのは、いったいいくつなんだ?)

 この金額がホンダにとって ~正確には子会社のホンダエアクラフトカンパニーにとって~ 多いのか少ないのか、評価は分かれるでしょうが、それにしても相当な金額です。ホンダはこれをすべて自社調達しており、巨額の国費が投入され開発が進められているMRJとは好対照をなしています。
 会社のイメージとしても、明治以来の国策企業である三菱と、戦後の日本経済を象徴する自由な社風のホンダとの、スタンスとかフットワークの違いがよく現れているように思います。

 このブログでは以前から、中小企業が商品や技術の開発に「補助金」を使うことのデメリットを書いているところです。
 ヘンに補助金というタダ金を使ってしまったがゆえに、それ以降、自立自尊の精神を失って補助金依存体質となり、次から次へと国や、県や、市町村の補助金を獲得しては売れない新商品を開発し続ける「補助金ハンター」に堕してしまう企業がままあるのです。

 その一方で、やはり2/3にせよ1/2にせよ、厳しい収支状況の中でリスキーな開発費が獲得できたという感謝の声を聞くのは事実です。
 また、自社開発(自主プロジェクト)では、飛び込みの仕事が入って忙しくなると開発がストップしてしまい、いつまでにここまでは成果を出そうというスケジュール管理もできなくなる。しかし、補助金は年度で終期が決まっているので、それまでには絶対に成果を出さないといけないというインセンティブが働き、結果的に開発が促進する、という声も聞きます。これなどはマンパワーも限られている小規模な企業にとっての、補助金のメリットの率直な感想でしょう。

 しかし、大企業の場合は補助金も巨額になるので、良くも悪くも当局としがらみが生まれてしまう可能性は高く、ホンダはそれを嫌って自主開発にこだわったそうです。(エンジンについては航空機大手であるGEと提携しています。)
 この自主独立の気風は、今どきの大企業、特に飛行機のような大規模投資が必要な産業分野の大企業には珍しいように感じます。
 本来は自由であって、そのかわり結果責任も自らで負うのが企業活動であるはずです。何でもかんでも国や自治体が「支援」し、「補助」するのは、今の日本において経済のダイナミズムを失っている原因である面も、関係者は真摯に反省すべきではないでしょうか。

 ホンダジェットに話を戻すと、4月25日には仙台空港、26日には神戸空港、5月2~3日は岡山市の岡南飛行場、4日は成田空港でそれぞれデモ飛行や地上展示を行うそうです。
 なぜわざわざこれらの空港でやるのかな、と不思議だったのですが、これらはビジネスジェットの利用を積極的に誘致している空港だとのことです。

■ HondaJet World Tour in Japan 2015   http://www.honda.co.jp/jet/event2015/

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