2015年4月28日火曜日

まず「商品ありき」

 先日、出張の帰り、夕方5時ごろの混雑する東京駅で駅弁でも買おうと構内を物色していたら、全国の有名な駅弁を一堂に集めたという「駅弁屋 祭(まつり)」なるお店を発見しました。

 店内には数十種類以上の駅弁が冷蔵ケースに並べられ販売されており、買い求めるお客さんで超ごったがえしています。

 こういう時にわしは、まあ、身に付いてしまった習慣とでもいうのか、まずは何となく三重県の駅弁を探してみるのですが、店内が混雑していていたせいもあったのでしょうが、まったく見つけることができませんでした。

 たまたまこの日は、肉をメインにした弁当の特売日だったそうで、〇〇牛のすき焼き弁当だの△△牛のステーキ弁当だのが何種類も山積みされていました。しかし残念なことに、松阪牛も伊賀牛もありません。(もっとも仮に松阪牛の弁当を見つけても、きっと高価で買えはしなかったでしょうが。)
 人込みをかき分けて店内をぐるっと一周しましたが、肉関係のほかに、もちろん普通の幕の内、お寿司、釜飯、いくら丼、かに飯、鶏飯などなど実に様々な弁当がたっくさんありましたが、結局三重県の弁当は一つも見つけられませんでした。



 よく「三重県は東京での知名度が低い」などという人がいます。全国の駅弁の中に三重県のものがない、とい事実は、確かにこのことを裏付けているのかもしれませんが、わしはこの2つは別次元の問題だと考えます。。
 知名度を上げるために、行政は税金を使って、三重県をPRすればいいのでしょうか。観光キャンペーンを強化すればいいのでしょうか。「アンテナショップ」にたくさん人を呼べばいいのでしょうか? それによって駅弁は駅弁屋に並び、売れるようになるのでしょうか??

 よく考えればわかるように、そんなことにほとんど意味はありません。消費者とて情報化社会の今を生きています。無知ではありません。
 いくら行政主導の「おらがまち自慢」のキャンペーンをを行っても、その地域の産品やサービス ~特産品であったり、名物であったり、伝統工芸品であったり、観光資源であったり~ が魅力的であって、要するにこれにならお金を払ってもよい、と納得するレベルでなければ具体的な消費行動を起こすはずなどないからです。

 「全国の駅弁が一堂に集まった場」に三重県のものがないのは知名度の問題ではなく、それ以前の「不戦敗」です。つまり、このように全国のライバルが切磋琢磨している場に商品(駅弁)を提供できていないということ、そもそも商品力がないことが最大の問題なのです。

 これは行政による「知名度アップ」の努力でどうなるものではありません。駅弁を作り、流通させるのは民間(企業)の役割だからです。
 この「駅弁屋 祭」のような市場に打って出ようという意欲と、実際にたくさんのライバル駅弁に比べて魅力的な商品を作り上げる能力、そしてそれを流通させる力が三重県の企業にないことが問題なのです。

 まず「商品」ありき、なのです。
 「知名度が低い」という議論をしたがる人は、このことを考えてみるべきです。

 本当に三重県の産品は、他の都道府県に比べて優れているのか。
 優れているのだとすれば、その魅力をわかりやすく消費者に伝えているか。(言うまでもなく、消費者に伝えるのは、ネーミング、パッケージ、価格、流通チャンネルなど総合的に取り組まれていなくてはいけません)

 消費者が三重県の産品を知らないこと、駅弁屋が三重県の弁当を店頭に置かないことは、三重県の知名度が低いからではありません。魅力ある商品がないからです。

2 件のコメント:

たけのこパスタ さんのコメント...

う~ん・・・
三重県は大都会(名古屋・大阪)まですぐに行けてしまう恵まれた地方のため、逆に駅弁屋さんが育たない環境であると思います。

また三重県は本当に食材に恵まれた地方で、牛、ハマグリ、伊勢エビ、あわび、牡蠣などなどありますが、どれもブランド・一級品になりすぎてしまっており、加工品にするには原価がかかりすぎてしまいます。

三重県は大都会への距離が近いことからそれら素晴らしい素材たちは加工されることなく大消費地へ流れているのです。

魅力ある商品(人の手が加わった加工品)がなくとも、それに勝る素材が我が三重県にはあるのです。

そういえば、さんま寿司は美味しいですが、駅弁として売ってないから駅弁フェアには並ばないのでしょうかね?

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 なるほど。駅弁のような(ある意味で価格勝負な)商品よりも、素材として戦ったほうが商機があると。
 ただ、よくわからないのですが、付加価値を比べた場合どうなのでしょうか。
1)高級な素材としての付加価値
2)素材+手間=商品としての付加価値
 多くの場合1<2になるかと思うのですが。
 それから、サンマ寿司ですが、JR紀勢本線尾鷲駅では事前予約制で販売はしています。しかし三重県・東紀州のような地域では鉄道はもはや交通の主役ではないので、高速道路のPA弁当に生産者の関心が向いているのかもしれません。