2015年4月29日水曜日

変化を感じた鳥羽水族館

 ほぼ半年ぶりに鳥羽水族館に行ってきました。
 わしはゴールデンウイーク期間中、NPO法人 伊勢志摩バリアフリーツアーセンターが主催している地元観光ボランティアガイド「駅ボラ」を近鉄鳥羽駅でやるのが、ここ何年かの習慣になっており、今年も参加する予定です。

 で、その駅ボラをやる人には、まずガイドする人が鳥羽の主要観光地のことを知っておかなくてはいけないということで、自己研修のためにそれらの施設に無料で入場できる「ボランティア・チケット」が支給されます。
 なので、それを使って行ってきたのです。

 鳥羽水族館の入場料は大人ひとり2500円。
 しっかり館内を見て回ると、興味のある人ならたぶん丸一日でも過ごせる広大な施設なので、この料金が一概に高いとか安いとかは言えません。しかしまあ、庶民が始終行きたいときに行ける料金でもありません。
 その意味では大変ありがたい特典で、しっかり研修してきたことをレポートする意味でも、このブログにメモしておきます。

 鳥羽水族館はJR・近鉄鳥羽駅から徒歩で15分ほど。開館して今年で60周年になるとのことで、約1200種類にものぼるという飼育生物の種類は、全国の水族館でトップだということです。
 たしかに、魚、貝、エビ、カニ、クジラ類、海獣、鳥類などなど実にいろいろな生き物がいて、いちいち紹介していてはキリがないくらいです。


 わしは地元鳥羽市で、しかもこの水族館のすぐ近くで育ったので、鳥羽水族館が現在地に移転する前の、近鉄の線路や国道を挟んで反対側(市街地側)の、現在は駐車場になっている場所に建っていた、元の鳥羽水族館の様子もよく覚えています。
 そのころは看板の鳥羽水族館という文字の前に「文部省指定」と書かれていました。鳥羽水族館の創業者である中村幸昭元館長が、水族館としては後発だった鳥羽水族館の差別化のために、修学旅行の児童を呼び込もうというプロモーションを考え、そのために文部省に教育施設としてふさわしい旨のお墨付きをもらったのだと聞いたことがあります。(官僚との折衝は非常に骨の折れる作業だったようです。)

 わしが小学生くらいの時は、たしかにわりと「固い」感じの施設でした。メインはあくまでも、お勉強する場だったのです。もっとも、ゲームコーナとかもあって、わしなんかは友達と魚そっちのけでゲームをやっていましたが・・・


それが大化けしたのは、スナメリ、ジュゴン、ラッコなどという、まだ世にほとんど知られていなかった「珍獣」を次々に仕入れ(?)て飼育を行い、それがことごとく大ヒットしたからです。
 鳥羽水族館は一躍、全国区の観光施設となり、中村館長は時の人となりました。
 平成6年には手狭となった旧館を閉鎖し、現在地に新築・移転しました。大きさは旧館の3倍以上にはなっているでしょう。ちょうど日本がバブル景気の頃で、三重県は「リゾート開発で伊勢志摩を活性化しよう」という産業政策を押し進めており、鳥羽水族館も官民出資の第三セクターとなりました。

 バブルが弾けて、伊勢志摩でも戦国時代村など多くの観光施設が苦境に立ちましたが、鳥羽水族館は一人勝ちの状態が続きました。時期によって多少の変動はありますが、今でも年間90万人前後の入場者数があります。

 しかし、わしは数年前から、鳥羽水族館にもかげりのようなものを感じることがありました。
 野生動物の取引を規制するワシントン条約の発効などによって、ビジネスモデルとして確立していた「日本初の珍獣を誘致し、それでブームを作って集客する」というパターンが難しくなってきたからです。
 実際、社会現象にもなったラッコブームや、ジュゴンブームに続く珍獣は現れていない気がします。その一方で、ライバルの水族館、たとえば二見シーパラダイスや賢島マリンランドといった、鳥羽に比べてはるかに小規模な水族館では、あかんべアザラシなどの曲芸スターが生まれ、ペンギンタッチのような体験型・触れ合い形の集客方法が実りつつありました。停滞する鳥羽に比べ、これら両館の健闘が目立つようになってきたのです。

 そして今。
 鳥羽水族館ではカワウソやカピパラなど水辺に住む動物の飼育も始めました。「へんな生きもの研究所」のようなマニアックな展示も充実させてきました。アシカのショーも、ショーアップされてエンターテインメント性が高くなりました。
 ここ数年で、この方向転換は明確になって来ていたし、その成果も徐々に出てきているように感じます。

 今日は、セイウチショーなるものを見たのですが、屋上のスペースでセイウチ2頭と観客が、同じフラットな場でまじかにショーを見られる趣向です。わしが知らなかっただけかもしれませんが、鳥羽水族館がこのようなスタイルを取り入れたのは割と最近ではないでしょうか。
 スタッフのお兄さん(トレーナー)二人が掛け合い漫才のようにショーを盛り上げていき、時には観客をいじったりしてなかなかおもしろかったし、観客も喜んでいたようです。
 写真を撮るような場面では「みなさん、写真を撮ったらどんどんSNSにアップしてください! 鳥羽水族館ナウ、って書いてくださいね!」と言っています。このようなショーの盛り上げ方は、いかにもSNS時代だと思いました。


 また、動物路線のほうでは、今年3月、新しく「奇跡の森」というゾーンを開設し、魚やカニなどを獲って食べる習性があるというスナドリネコ(漁をするという意味の「­漁(すなど)る」に由来しているそうです)2匹の公開を始めました。
 これは国内の水族館としては日本初の飼育とのことで、研究機関としての水族館が他の水族館から動物をやり取りすることで種類を増やしていく試みのようです。


 スナドリネコは、イヌくらいある大きなネコで、わしが見に行ったときは木の枝の上で「ニャア」と言う感じでベロをぺろぺろしていました。しかし残念なことに、オリではなくガラスで仕切られた水槽のようなスペースにいるため、光が反射してあまり見えない状態でした。(水族館の方、何とかしてください。)
 でもまあ、運がいいと魚を取る瞬間なんかが見られるようです。子供さんを連れている場合は、魚に飽きてもネコさんがいるということで目先が変わるかもしれず、親としては安心かもしれません。

 いずれにしても、鳥羽水族館の変化を感じました。みなさまもゴールデンウイークはぜひ鳥羽観光にお越しください。


■鳥羽水族館ホームページ  http://www.aquarium.co.jp/index.php 

■伊勢志摩バリアフリーツアーセンター  http://www.barifuri.com/index.html


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