2015年4月8日水曜日

お金の地産地消白書が朝日新聞社説に

 本日(4月8日)付け朝日新聞朝刊の社説に、以前からこのブログでも取り上げていた「お金の地産地消白書2014」のことが取り上げられました。

 地域の金融 お金の地産地消めざせ というタイトルのこの社説は、朝日新聞のネット版「朝日新聞DIGITAL」でも読むことができます(リンクはこちら)が、その要旨をまとめると以下のようになります。

 沈滞する地域経済を活性化するためには、政府の支援や保護を求めていても成果などあり得ません。
 現代の日本は成熟社会なのであって、ストックとしての資金や人材は地方にも多く存在しているのですから、どのようにそれに息を吹き込み、血を通わせて、「生きた資金」「生きた人材」へと変えていくことが必要なのです。
 この意味で、お金の地産地消を取り上げた朝日の見識には敬服せざるを得ません。(新聞社としては色々問題もあるようですが・・・)



1)福祉や町づくり、農林水産業振興といった社会的事業は最近増加しているが、設備や運営に必要となるお金の確保に苦労する例は少なくない。
2)日本はこれからますます高齢化が進み、国も自治体も財政難になる中で行政による公共サービスに限界が生じるかもしれない。住民自らが共助の仕組みをつくり、雇用や地域の活性化につなげる「社会的事業」は成長分野であるといえる。
3)その一方で、信用金庫などので貸し先不足が続いている。地域の住民が預けたお金の半分以上は国債の購入などで地域外へ出ていってしまっている。
4)しかし金融機関の多くはNPOや社会的事業に関心はあるものの融資や支援のノウハウがない。地域のお金を地域で回すには両者を橋渡しする存在が欠かせない。
5)この好例が愛知県の「コミュニティ・ユース・バンクmomo」である。無配当で集めた出資金を原資に、社会的事業に低利で小口のお金を貸している。ここ数年、力を入れているのは、地域の金融機関との連携だ。
6)職員に社会的事業の価値をお金に換算する評価方法の研修会を開き、実際にNPOなどの経営に関わることで、経験を積んでもらう。研修を通じて金融機関側の理解も深まり、これまでに自然体験施設や重度心身障害者向けの支援事業など47件に累計1億円以上を貸し付けた。
7)momo代表理事の木村真樹さんは「お金の循環を生むことが地域の創造につながる」とし、昨年末には「お金の地産地消白書2014」を発行し、より多くの金融機関に参加を呼びかける。
8)地域の金融機関の意義は地域を担う事業を育ててこそである。同業者だけでなくNPOとの新たな連携を築いて、地域づくりをより確かなものにしてほしい。

 以上です。
 コミュニティ・ユース・バンクmomoは、一般的に「市民バンク」とか「NPOバンク」と呼ばれる組織(正確に表現すると貸金業者)であり、信用金庫職員に社会的事業の価値を金銭的に換算して評価したり、NPOの経営に関わってもらうことが「プロボノ活動」と呼ばれるものです。

 この方法が、お金の地産地消に唯一無二の方法ではないかもしれませんが、実際にこれによって信用金庫とコミュニティビジネス事業者との連携が進んでいるのですから、大いに参考にすべきものだと思います。

 なお、資金調達の分野で、これとよく似た種類の話に「クラウドファンディング」があります。
 地域ビジネスとか社会貢献活動などの個別具体的なプロジェクトに対し、その趣旨に共感する一般市民が出資したり、商品の購買予約をする形で資金を提供するものです。(ひとくちにクライドファンディングと言っても、法的な構成には様々な種類があることは以前このブログにも書きました。)
 もちろん、クラウドファンディングとは異なって、ここで問題となっているのは「融資」についてです。日常の運転資金や小規模の設備投資には金融機関からの融資のほうがもちろん小回りが利くので、地域の資金を地域で生かす点からは、身近な金融機関の奮起と活躍に期待したいところです。

0 件のコメント: