2015年5月10日日曜日

離島デビューも悪くない

 先日、伊勢湾最大の離島である答志島(とうしじま)のことを書きました。
 幸いというか、何人かからご感想をいただいたのですが、その時、「自分は長年、三重県に住んでいるけれど(三重県職員として奉職しているけれど)、一度も離島に行ったことがない。どうやって行ったらいいのか?」とか、「行って何をするのか? 時間をつぶせるところはあるのか」という質問を受けました。

 これは当然といえば当然だと思います。離島など、よほど用事がなければそもそも行くことがないし、遊びに行くといってもわざわざ船に乗って行くなど大仰な気がするし、ほかにもっと魅力的で手軽な観光地や行楽スポットはいくらでもあるので、縁がなかった人にはまったくの異世界なのでしょう。
 しかし、その反面、一度「デビュー」さえしてしまえば、ひょっとすると雄大な景色とか、よそからの隔絶感とかは心地よいかもしれません。わしは特別にそれほど思わないけど、離島の住民たちの「素朴さ」とか「人情の温かさ」も人によっては魅力と映るかもしれません。
 そこで、まったく鳥羽市の離島に行ったことがない方を対象に、数時間でデビューできる方法をご紹介してみましょう。

1)鳥羽市の離島の基礎知識
 鳥羽市の伊勢湾口には人が住む離島が4つあります。坂手島(さかてじま、もしくは「さかでじま」と発音。人口約400人)、菅島(すがしま。人口約700人)、答志島(人口約2300人)、神島(かみしま、もしくは「かみじま」。人口約400人)


 このうち、もっとも本土(鳥羽市街地)に近いのは坂手島で、鳥羽市営定期船での所要時間は10分。離島というと島民は全員漁民であるイメージがありますが、坂手島はサラリーマンも多く、本土に近いがゆえに人口流出も激しい(ストロー化)という背反した状況になっています。
 菅島、答志島、神島は漁業が主力産業で、そのほか釣り客や観光客を相手にした民宿やホテルなどもそこそこあります。
 離島とはいえ、船の往来が多い伊勢湾の入口にあるので、絶海の孤島というイメージはまったくなく、本土と比べて著しく生活に不便があるわけではありません。もちろん携帯電話もちゃんと通じます。


2)離島への行き方
 鳥羽市営定期船が一日4本(神島航路)から、十数本(坂手航路)就航しています。航路の起点となるのは、JR・近鉄鳥羽駅から徒歩数分の場所にある佐田浜港(さだはまこう)です。ここには「鳥羽マリンターミナル」という大きな船乗り場があり、市営定期船のほかに鳥羽湾めぐりの観光船も発着しています。(つまり、「佐田浜」と「マリンターミナル」は同義語です。)
 坂手島や、答志島でももっとも鳥羽市街地に近い桃取(ももとり)港へは、佐田浜(鳥羽マリンターミナル)から10分。やや遠い、答志島の和具(わぐ)港や答志港、そして菅島へは十数分から20分。最も遠い神島へは40~50分かかります。
 所要時間に幅があるのは、定期船の種類が高速船か一般船かの違い。そして途中で寄港するかどうかによるものです。

3)定期船への乗り方
 鳥羽マリンターミナルで、自動券売機できっぷを買います。出船時間の数分前にアナウンスがあるので、指定された乗り場に移動し、乗船します。きっぷは目的地に着いてから、桟橋で係員に渡します。これは帰りも同じです。
 「周遊券」というものがあって、発行日から4日間有効で、離島区間は乗り降り自由なのですが、ややこしいことに「内回り券」と「外回り券」があって、それぞれ値段が違い、一方通行でしか利用できないので、わしは実はこれを使ったことはありません。
 あと、自転車なんかも船には載せられるみたいです。(料金は別だと思います。要確認。)

4)島での過ごし方
 基本的にはそれぞれの島に観光パンフレットが作られていて、ネットでも公開されているので、それをご覧ください。
 ただし、島には意外なほど看板とか標識とかがなく、チラシやマップもあったりなかったりで、船着き場の待合室のチラシ立てがカラだったりすることもよくあるので、ある程度事前にチラシやマップは目を通しておくほうがいいでしょう。
 もっとも、島の人は基本的には親切なので、明らかに旅行者然とした人が道を聞いたら、親切に教えてくれます。問題は、島内にそもそも人があまり歩いていないことなのですが、そんな時は走っている車をやや強引に止めて聞いても、怒られることはほとんどありません。
 注意すべきなのは、なんにせよ船の便が限られているので、時間には余裕をもって行動することです。もう一つ、帰りの船着き場は必ず事前に確認しましょう。先ほど、内回り、外回りの航路があると書きましたが、万一間違って乗ってしまうと、佐田浜に帰るつもりが、さらに遠いどこかの島に行ってしまいかねないからです。
 もちろん、これも前述のように宿泊施設はわりとあるので、もし最終便に乗り遅れても泊まることはできますが。

5)滞在時間はどれくらいが適当か
 まったくの初心者の場合、島に着いて、いったん上陸して、そのまま折り返しその船に乗って帰ってくるというのもありかと思います。せっかくなので、自販機でお茶の一つでも買っていくと記念になり、島の経済にも貢献します。
 わしは2~4時間くらいの滞在がほとんどで、朝いちの船で行ってお昼に帰ってくるとか、お昼に行って夕方に帰ってくるというパターンです。コンビニとかはないので、基本的に暇を持て余すとやることがありません。船着き場近くに喫茶店(というかスナック)があったりしますが、地元の人がたむろしてきつい訛りでしゃべっているので、ここに溶け込もうという気には最初はあまりなれません。
 しかし、コミュニケーション力が高い人はこんなところで知り合いを作るのもいいかもしれません。

6)ぼんやりするのもいい
 ただ、離島は本土と違って圧倒的に静かです。クルマがあまり走っていないので、風が木々を揺らす音とか、鳥の声がよく聞こえます。
 天気が良ければ、景色も圧倒的にきれいです。浜辺でぼんやりしていても、漁村特有の狭い路地をうろついていても、それはそれで楽しいものです。(と、わしは思います。)

 というわけで、ご関心がある方は、ぜひ週末、鳥羽の離島へお出かけになってみてはいかがでしょうか?
 ただし、荒天の時は船酔いの可能性があるのと、最悪の場合は欠航となって帰って来れませんので ~実際に、欠航は台風時などにわりと頻繁にある~ 天気予報は十分確認しておきましょう。

●はんわしおすすめ「神島コース」
 佐田浜 7:40発 >>> 神島 8:20着
  神島一周(八代神社、灯台、観的哨跡、カルスト地形など) 所要時間1~2時間
 神島 11:35発 >>> 佐田浜 12:15着

●はんわしおすすめ「答志島コース」
 佐田浜 9:45発 >>> 桃取 9:55着
  答志島スカイラインハイキング、九鬼嘉隆の首塚・胴塚、蟹穴古墳など
  所要時間 3~4時間 ※食事、日帰り温泉入浴などのオプションもあり
 和具 14:28発 >>> 佐田浜 14:50着


■鳥羽市役所 鳥羽市営定期船  https://www.city.toba.mie.jp/teikisen-kanri/unkou.html 

■はんわしの評論家気取り 神島ノート (2011年8月18日)

0 件のコメント: