2015年5月15日金曜日

松阪肉の朝日屋が東京に進出へ

 5月15日付けの中部経済新聞によると、津市に本社がある松阪肉専門店 朝日屋が、東京都港区白金台に新店舗を出店させるそうです。
 本店所在地以外に出店するのは、昭和33年の創業以来初めてのことであり、松阪肉専門店としてのブランドが浸透している東京で、松阪肉をはじめ黒毛和牛などの高品質な食肉を販売し、富裕層の需要を取り込む考えだと報じられています。


 津市にはもともと、企業城下町を形成するような大企業が少なく、強力な地場産業も有名な観光地もありません。県庁所在地としての「支店経済」に支えられている面があり、都市構造も郊外化、多極化が進んでいます。


 このブログでも何度か書いているように、他の道府県の県庁所在地のようにデパートや商店街が集積して常に人でにぎわっている、俗にいう「繁華街」が存在しない珍しい都市であり、初めて津を訪れるとあまりに市街地が閑散としているので、驚く人が少なからずいるほどです。
 その中で、間違いなく、1平方メートル当たりの集客が津市内で最も多いのは、ここ朝日屋ではないかとわしは思います。

 この店は、とにかく流行っています。
 お店は津市の中心街にあって、幹線道路の国道23号に面していますが、この付近は雑居ビルなどが多い非商店街区域で、人が集まりやすい地域ではありません。
 しかし、松阪牛の「一頭買い(仕入れ)」とか、個人客への宅配サービスなどのユニークな商法と、何より高品質の松阪肉が他の専門店よりも安価である(らしい)ため、多くの買い物客が押し寄せるのです。
 津市では年の暮れやお正月に「すき焼き」を食べる風習があるのですが、年末年始とかお盆の時期などには店頭に100人以上もの行列ができることもしばしばで、朝日屋の行列は津の季節の風物詩となっています。
 津市のみやげものと言うと、平治煎餅くらいしかないのですが ~それとても全国ではまったく知られていない~、ある人によると「津市のお土産で喜ばれるのは、東洋軒のブラックカレーか、朝日屋の松阪肉のどっちかしかないやろなあ・・・」ということだそうです。

 このように完全地域密着型で、しかも他の松阪肉のお店では多い、すき焼き店やステーキレストランを併設したり、加工品や総菜を製造・販売したり、という経営の多角化にも無縁だった朝日屋が、今になって一転、大きく戦略をあらためたのはなぜでしょうか?

 一つには、アベノミクス効果により、良い悪いは別として、東京などでは高額消費が伸びているという経済情勢の変化があるでしょう。
 もう一つは、巷間言われている(はんわし注:わしは未確認)ように、朝日屋は数年前から大手食肉加工メーカーの傘下に入ったことが挙げられるかもしれません。
 津プロパー企業としてこじんまり堅実なビジネスに徹していたものが、松阪肉の市場価値や老舗としてののれんに価値を見出す外部の投資家からは、まだまだ高いポテンシャルを生かし切れていないと判断されたのでしょう。

 実際に、中部経済新聞の記事によると、今回の東京進出に加えて、松阪肉の欧米への輸出も検討し、業容の拡大を計画しているとのことです。

 三重県では業務の多角化によって急成長した松阪肉店の代表例に、桑名市の(株)柿安本店があります。朝日屋がここまでの規模拡大を志向しているとも思えませんが、何にしろ、自店の持つ価値を多くの消費者に評価してもらえるのは良いことではないかと思います。

■名産松阪肉 朝日屋ホームページ   http://www.asahiya.net/index.html

2 件のコメント:

県民 さんのコメント...

12/3/13夕刊三重 朝日屋柏木社長引退
 2月25日付で柏木社長引退して非常勤顧問
 牛肉商但馬屋(姫路市)から社長と副社長
 オーナーは但馬屋とは別の東証一部上場企業の社長個人
 オーナーのいとこの但馬屋副社長の香田佳永52が常勤の朝日屋副社長に 社長は但馬屋社長の梅谷光志38で非常勤

(香田佳永副社長は、その後、社長に就任)

半鷲(はんわし) さんのコメント...

県民さま
 詳しい情報をありがとうございました。