2015年7月5日日曜日

熊野・丸山千枚田の虫送り2015

 三重県熊野市紀和町にある、世界遺産 丸山千枚田 でこの時期に行われる「虫送り」行事に行ってきました。
 一生に一度、ぜひとも見ておくべき光景があるとすれば、この丸山千枚田の虫送りは、熊野大花火と並んで、はんわし的には間違いなくランクインします。


 熊野の山また山の中にあって、160mもの標高差がある山肌に1300枚もの田んぼが段々に広がっているさまは、悠久の自然と、営々と続いてきた人間のいとなみが融合した、まさに稀有の絶景ということができます。(グーグルマップはこちら


 虫送り行事とは夏場に発生する害虫を追い払うために、夜間、松明(たいまつ)などを持って田畑を練り歩くもので、熊野に限らず全国で行われていました。
 初めは実際に害虫を駆除する目的だったのでしょうが、次第に夏の夜の子供のお祭り的な性格となって、それも農薬が普及した戦後にはほとんどが途絶してしまいました。
 ここ、丸山千枚田でも昭和28年を最後に行われなくなりましたが、平成16年に千枚田が世界遺産登録されたことを期に、地元有志の皆さんの熱意で復活したものだそうです。

 7月4日(土)午後7時。わしが着いた時には、雨は小降りになっていましたが、千枚田一帯には雲が低く垂れこめていました。


 写真では見にくいですが、中央部右にオレンジ色の小さな点々が見えるのが、田に置かれたキャンドルです。

 ちょうど、虫送り行列がスタートしました。先頭はたいまつを掲げ、参加者は「虫送り殿のお通りだい」と声をあげ、鐘を叩きながら練り歩きます。


 急にあたりが暗くなってきました。
 無数のキャンドルが揺らめき、幻想的な光景となります。



 30分ほどで漆黒の闇に包まれました。カエルの鳴き声がけたたましく賑やかになってきました。
  

 写真では伝わりませんが、棚田一帯にはおそらく1000人以上の見物客が押し寄せており、飲み物やおつまみを販売している出店も出ています。
 見通しのいい場所にはカメラマンが数十人、いやもっとたくさんが、ずらりと三脚の列を作っており、かなり騒々しい状態ではあります。

 午後8時前に、宝塚歌劇団の星組元トップスターで、熊野市観光大使も務める 夢輝のあ さんがステージ上で「ふるさと」を歌い、いよいよエンディングに近づいてきたようです。


 エンディングは「北山砲」という、なんだかよくわからないけど大砲状の筒2門から花火の発射、続いて、打ち上げ花火大会となります。



 大輪の花が夜空に咲くと、そのたびに周囲の山々が闇から浮かび上がります。花火大会は普通、河川敷とか海岸とか見通しのいい場所で見ることが多いので、山に囲まれた谷間に打ち上げられる花火を見るのは珍しい体験でした。

 この虫送り行事、行列に加わる子どもたちはもちろんのこと、1000個以上のキャンドルの設置、着火、回収や、会場整理、交通整理、さらに事前の草刈り作業など、多くの地元住民やボランティアの尽力があってのことと思います。幻想的な光景を楽しめたのは、この皆さんのおかげだと感謝いたします。


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