2015年7月22日水曜日

衝突防止装置付きレガシーに乗ってみた

 わしは実は隠れスバリストであることを告白しておかねばなりません。
 十年以上も前、ちょうどクルマが買い替えの時期を迎えていて、当時発売されたばかりのスバル・インプレッサスポーツワゴンに憧れていて、かなりその気である友人に相談したところ、スバルは四駆に乗ってこそ水平対向エンジンの良さも発揮され、走りのバランスも均衡するのであって、二駆では意味がない、4WD以外のスバルを買うくらいならトヨタでも買っとけ、と言われ、結局、三菱のクルマにした ~これも、たまたまジョン・レノン(プラスティックオノバンド)の曲がコマーシャルに使われていて、しばらくはこれでいいかあ・・・と思ったためにすぎない~ といったことがありました。

 それ以来、スバルは封印していましたが、先週末、某ショッピングセンターの駐車場で、スバルの衝突防止装置「アイサイト」搭載車の試乗会というものが行われており、たまたま暇だったのと、考えてみればわしはこれだけ普及してきている衝突防止装置付きのクルマには実はまだ一度も乗ったことがないこともあって、体験してみることにしました。
 クルマは、SUVのレヴォーグか、ステーションワゴンのレガシーのどちらかを選べるとのことで、とりあえずレガシーを選択。
 簡単なアンケートに答え、お約束どおり住所氏名職業電話番号も書かされて、その丸裸にされたプライバシーと引き換えに、勇躍、レガシーに向かいました。


 しかし、案内されたのはレガシーの助手席。
 えっ、自分で運転できるんじゃないの? と聞くと、若いスバルのあんちゃんが、いやあ、すいません、一般のイベントではお客様に運転してもらうことはできないんですよ。今日は助手席で体験していただきます。とのこと。
 なら早くそう言え。わしはてっきりテレビCMみたいに、自分で運転してびっくりしたかったぞ、と思いましたが、この期に及んで大人げないと考え直し、助手席に乗せてもらいました。

 ご存知の方も多いと思いますが、今市販されている各メーカーの衝突防止装置には、カメラ方式、ミリ波レーダー方式、赤外線方式、の3つがあります。この3つにはそれぞれ一長一短があり、いまだに技術革新が進んでいて優劣はつけられない状態です。
 スバルのアイサイトは、このうち「カメラ方式」と呼ばれるもので、フロントガラスにある「バックミラー」の左右の両端にビデオカメラをつけ、いわばステレオ方式で前方の障害物などを撮影し、障害物の種類や向かっている方向、スピードなどを瞬間的に検知して、駆動部分にフィードバックするという仕掛けです。
 実際にレガシーも、バックミラーの両端に、かなり大きなカメラが付いているのがわかりました。

 アイサイト体験は、前方50mほどに設置された壁面に向かって、時速10~15kmで進み、壁の直前になると警告音が出て、自動的に急ブレーキがかかり、停車するという一連の動作が体験できます。
 運転係の方からは、止まる直前にはけっこう衝撃がかかりますという注意があり、その時もし余裕があれば、私はブレーキペダルを踏んでいませんので、その様子も見てください、という説明も受けます。何だか緊張してきました。

 シートベルトを再確認して、発車。
 時速15kmというと低速に思えますが、実際には自転車で走っているくらいの速度であり、もしこのスピードで衝突したら、車が中破することは間違いないと予感させます。
 ものの3秒ほど走ったところで、ピピーというアラームと同時に急ブレーキがかかります。タイヤがロックされたときのゴゴゴゴッというスリップ音がし、壁面の直前で停車しました。わかっているとはいえ、やはり一瞬はからだがこわばります。

 係の方に聞くと、止まる距離は壁面の50cmくらい手前だそうです。まさにギリギリの距離です。もちろんこれは、スピードや、路面の状態、天候によって大きく異なるので、あくまで理想の条件の下での距離だということで、過信はしないでほしいとのことです。

 ただ、これは便利だと感じるのは確かで、大型ショッピングセンターとかサービスエリアなどで、混雑する駐車場の中を走りながら駐車スペースを探している時など、ほんの一瞬わき見をしている間に前のクルマが停車していて、ドキリとして急ブレーキを踏むような経験が皆さんにもあると思います。そのような時の「保険」にはなると思います。

 もっともこれが完璧な衝突防止装置でないのはもちろんです。実際に、各メーカーとも「衝突防止」とは表現してはおらず、衝突被害軽減とか、運転支援、とかの表現を使っています。
 
 同時に、これからの自動車の開発競争が、このような自動運転システムに移って来ることも間違いありません。クルマは日本のガラパゴス的な競争優位である「燃費」などではなく、自動運転・衝突回避のソフトウエア開発と、これにリンクした道路、信号などのインフラシステムの構築をいかに早く進めるかが重要になってくるのです。
 この意味では、衝突防止ブレーキもメーカーの関心がこの機能のみにとどまっていては、世界の大局を見失うかもしれません。

0 件のコメント: