2015年7月30日木曜日

トヨタ財団「国内助成プログラム」

 公益財団法人トヨタ財団が、若い世代とともに「地域に開かれた仕事づくり」に取り組む事業や、そうした仕事の担い手となる人材を育てる事業に対して助成する国内助成プログラムの助成希望者を公募しています。

 ここで言う「地域に開かれた仕事」とは、地域課題の解決につながり、自分も地域も、今も未来も幸せにする仕事を指すそうであり、具体的には、
1)地域内外の多様な人々の参加のしくみや交流機会が組み込まれた仕事
2)地域資源を活用し、新たな事業モデルの実現につながる仕事
3)従来の市場サービスでは提供できない価値を地域に与える仕事
 などを指すとのことです。
 このブログでもたびたび取り上げているコミュニティービジネス、つまり、地域の住民が、地域の資源(人材、自然環境、資金、コミュニティなど)を活用してビジネスの手法で地域課題の解決を図る活動のことと、ほぼ同義だと思います。

 応募できるのは、生活圏である市区町村自治体以下の範囲を主たる活動地として実施される日本国内のプロジェクトとのことですが、単一組織の定常的事業、つまりある団体の本来業務に対して助成するものではなくて、この助成事業に取り組むために組織された、プロジェクトチームによる「プロジェクト形式」の事業でなくてはならず、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの2年間にわたるプロジェクト活動であって、かつ、この2年間の助成期間内にプロジェクト開始当初に設定した目標を達成することが求められれます。

 気になるのは助成金額ですが、応募要項を見ても一申請あたりの上限の記載はありません。総額1億円以内で、実施内容と申請額に基づき選考委員会で決定された金額が助成されるようです。
 ちなみに昨年度(2014年度)の助成額実績は2年間で平均429万円/件。助成実績は、一般枠で20件。過去の助成団体を対象に、持続可能で人びとが幸せを実感できるコミュニティを築くために必要な要素について検証・提言する「検証・提言枠」で6件が採択されています。
 過去の採択事例はホームページでも見ることができます。(リンクはこちら

 わしが思うに、このトヨタ財団のような、民間企業が出損している、いわば企業のCSR活動の一環のような財団法人の助成金は、ある意味で狙い目です。
 類似の、たとえばコミュニティビジネスに対する助成金は行政によるものや、行政がらみの外郭団体によるものなどもありますが、ほとんどは単年度で、実際のコミュニティビジネス的な活動のスピードやスケジュール感に合いません。言うまでもなく複数年の予算が担保されている方が、活動主体にとっては有利です。
 さらに、おそらく行政の補助金のように細かい制約も少ないのではないかと予想されるので、繁雑な事務手続きも多くないのではないかと思います。行政の補助金を使った経験がない団体や企業が、もっとも不満に感じるのは、補助金の事務が非常に繁雑で、ほとんど専任の担当者が必要になったということなので、この点は重要です。

 一方で、首尾よく助成金が採択されたとしても、プロジェクトが円滑に運営されるのか、というマネジメントに対する支援はありません。トヨタ財団もこの点は気にしているようで、募集要項の中にわざわざ「チームビルディング、マネジメント、評価、広報、ファンドレイジングなどの事業運営基盤を整えるために必要な研修や専門家のコンサルテーション費用をプロジェクト予算に計上可能です。」と書いています。
 この、プロジェクトの運営に関する外部からの支援は、必要ないと思ってしまったり、具体的な支援者が見つからなかったりして後回しにありがちなので、あらかじめよく考えておく必要があります。

 東紀州や伊勢志摩でも、少子高齢化対策、獣害対策、外国人との共生、などの視点を踏まえ、NPOや企業、行政などとも連携して地域活性化のプロジェクトを立ち上げたいと考えている方は多いようで、SNSで発信されている方もたくさんいます。そのような方はぜひ活用を検討していただいてはどうでしょうか。
 繰り返しますが、制約の多い行政や外郭団体の補助金・助成金より自由度が高いと思われるので、無駄なストレスとは無縁な可能性が強いのです。

■公益財団法人トヨタ財団 国内助成プログラム       https://www.toyotafound.or.jp/program/community.html

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