2015年8月10日月曜日

魅力ある国道42号のあり方とは

 国土交通省紀勢国道事務所が、「魅力ある国道42号のあり方検討」を行う業務委託の企画提案を公募しています。
 紀勢国道事務所によると、東紀州地域(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)は、高速道路(紀勢自動車道)と、これに繋がる自動車専用道路(熊野尾鷲道路)の開通によって、地域を通過するクルマが大幅に紀勢自動車道+熊野尾鷲道路に転換しています。そして、地域間の移動時間も大幅に短縮され、観光客の増加や地域医療の拡大など、多方面においてその効果が発揮されつつあります。
 また、東紀州地域は急峻な地形のため、従来からの幹線道路である国道42号を中心としてその沿線に地域が発展しており、この国道42号は高速道路開通後も地域の重要な生活道路であり、緊急輸送路等の防災上の重要な役割も担っています。
 このような、道路のダブルネットワーク化によって、今後は高速道路利用者が単に東紀州地域を通過するだけでなく、国道42号沿線地域の観光資源や地域の魅力を利活用することや、高速道路から降りて国道42号沿線の魅力に気づくような動機付けや仕組み作りなどの、魅力ある国道42号のあり方について検討する必要性が生まれているとのことです。
 そこで、今後の道路整備にあたって、多方面からの意見を参考にするため、道路清掃や景観保全などのボランティア活動等による繋がりから得られる国道42号沿線の地域特性を考慮した意見集約と、既存道路施設を利用した情報発信などを行うため、今回の業務委託を実施するそうです。



 わしが思うに、これはたいへん時宜を得た企画だと思います。
 紀勢国道事務所は、莫大な建設費をつぎ込んだ紀勢自動車道に関して整備効果をこまめに調査・公表しており、このブログでもたびたび取り上げています。
 今年3月には、所要時間が大幅短縮したことで東紀州のスポーツ交流人口が増加したという調査結果が公表されました。(リンクはこちら
 また、昨年12月には平成26年3月の紀勢自動車道の全通によって、勢和多気JCT~紀勢大内山IC間の交通量が約1~2割増加したとの発表もありました。(リンクはこちら

 しかし、後者についてはわしのブログにも書きましたが、物販関係者の間では、東紀州への地域外からの来客数(総需要)はさほど変わっておらず、今まで国道42号を走っていたクルマが高速道路を通るようになっただけだ、という意見も根強く、実際に12月の紀勢国道事務所の調査結果でもそのことは明確にされていませんでした。

 わしも時々東紀州には行くわけですが、最近は高速道路の通行量が増えており、また、自動速度取締装置がないためにスピード違反の後続車から煽られたり、反対に、高齢ドライバー(?)が異常な低速で走っていてイライラしたりと、必ずしもストレスなく走れるかというとそうでもない気がしています。
 むしろ、すっかり車の量が減って終日ガランとしている国道42号を、景色を見たり、道草を食いながらのんびり走るほうが楽しいと感じることもあります。(東紀州の玄関口である荷坂峠とか、山深い矢ノ川峠などは、国道42号のほうが景色は圧倒的にきれい)

 沿線の観光資源や物販・サービス施設の魅力も含めて、国道42号yの新たな役割と活用方法は見直されるべきであり、考えようによってはドライバー高齢化時代に対応したスロードライブとか、バイクや自転車など二輪利用者の新規誘客など全国に先駆けた道路資源の開拓も可能性があるのではないでしょうか。

 先日、みえ熊野古道商工会(三重県紀北町と御浜町という地理的に飛び地関係にある二つの町を管轄する商工会)の関係者と話をする機会があったのですが、二つの町は合計3つの道の駅を持っており、高速に逃げていくお客をどのように国道の道の駅に降ろしていくかが大きな問題だと言っていました。
 先般オープンした紀勢自動車道の紀北PA 始神(はじかみ)テラス の狙いも大きくはそれで、始神テラスに寄ったことをきっかけに、下道に降りて、紀北町内にも寄って行こうというお客を増やすための仕掛けをいろいろと行っているとのことでした。
 このような戦略が県や東紀州の各市町、そして地域振興に関わっている団体や機関などを持つことが求められます。その取り掛かりの一つとして、「魅力ある国道42号のあり方検討」に期待したいと思います。

(こういった委託事業を受注できる地域シンクタンクが、東紀州の地域内で見つかると良いのですが・・・・・)

■国土交通省紀勢国道事務所  http://www.cbr.mlit.go.jp/kisei/

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