2015年8月6日木曜日

脱税業者は伊勢志摩観光キャンペーンから追放せよ

 朝日新聞が、伊勢市や鳥羽市の飲食店や宿泊施設など32業者が、名古屋国税局から計約2億1千万円の所得隠しを指摘され、重加算税を含め約5千万円が追徴課税された模様であることを報じています。(8月5日付け 遷宮特需あったが…2億円所得隠し 32業者に国税指摘

 伊勢神宮が20年に一度、神殿や鳥居などをすべて新しく作り替える式年遷宮が行われた平成25年、伊勢神宮には統計を取り始めて以来過去最多となる約1400万人の参拝客がありました。この経済効果は3500億円にものぼったとされ、飲食店や宿泊施設は「遷宮特需」とも呼ぶべき空前の活況に沸きました。

 伊勢神宮の存在により全国から参詣者がやって来る伊勢の地で商売ができることを地元の商工業者は常々感謝しています。神様の徳のおかげと言う意味の「おかげさん」精神こそが伊勢や、隣接する鳥羽、志摩のアイデンティティであることも地元住民にとってのコンセンサスと言えるでしょう。わずか32業者とは言え、恥ずべき行為である所得隠し、課税逃れ、ハッキリ言えば脱税を行った業者が現れたことに言いようのないむなしさを覚えます。

 朝日の記事によると主な手口は次のようなものです。

・松阪牛の料理を目玉としていた伊勢神宮・内宮前の飲食店は、売り上げは遷宮前より約5割増えたが、仕入れ先と売り上げの帳簿をごまかし、約1千万円の所得を免れた。

・伊勢神宮・外宮近くにある居酒屋は地元産の魚介類で人気を集め、週末は近くのビジネスホテルに宿泊する団体客で満員状態が続き、売り上げは遷宮前より約3倍に増えたが、売り上げを少なくして約2千万円の所得をごまかした。

・鳥羽市の飲食店はカキや伊勢エビの料理で約9千万円の売り上げがあったが伝票を破棄して適当に申告していた。約6千万円の所得を免れた。

・鳥羽市の民宿では裏帳簿で経理操作をし、約1500万円の所得を圧縮した。

 こうした方法で、32業者は平成25年までの7年間で計約2億1千万円の所得を隠し、計算間違いや記載漏れを含めると、申告漏れは計約2億8千万円に上った模様とのこと。
 隠した所得は、借入金の返済や仕入れ代金、家族名義の預金や生活費などに充てられたとみられるそうです。

 彼らがあまり反省していない様子であるのは、朝日新聞の取材に対して
・赤字でもうからない時もある。隠した所得は将来への備えだった。
・遷宮の時はよく売れたが、税金がたくさん取られ、頭が痛い。
・売り上げの伸びた業者が狙われた。
・取られた税金分を(平成28年の伊勢志摩サミットの特需で)補いたい。
 などとコメントしていることからもうかがえます。

 伊勢・鳥羽・志摩の市役所や観光協会は、どうでもいいような観光キャンペーンやポスターを作るばかりでなく、伊勢税務署と協力して「適正納税の店」を証明するステッカーやポスターを作り、伊勢・鳥羽・志摩地域内の優良な飲食店、土産物店、タクシー業者、ホテル、旅館、民宿に交付してはどうでしょうか。
 少なくとも税金を原資にしている官製の観光キャンペーンや観光ガイドに、脱税した悪質なこの32業者は含めるべきではありません。
 

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