2015年9月23日水曜日

シルバーウイークの京都でもみくちゃになった(その2)

 伏見稲荷大社を後にしたわしは、この後、下鴨神社、大徳寺、建勲神社、出世稲荷神社跡地、などなどを巡り、午後3時ごろに「京の台所」と誰かが呼んでいる錦市場に行ってみました。

 ウィキペディアによると、錦市場とは
 京都市中京区のほぼ中央に位置する錦小路通のうち、「寺町通 - 高倉通」間に存在する商店街である。魚・京野菜などの生鮮食材や、乾物・漬物・おばんざい(京都言葉で日常の惣菜)などの加工食品を商う老舗・専門店が集まる市場。京都独特の食材は、ほぼここで揃う。
 とのことです。

 以前は(20年くらい前は)、もちろん京都の町の真ん中になるので買い物客はたくさんいましたが、客層の中心は、近所の人(それこそ、生鮮食品や総菜などを買っていく)や、遠方の人(鯖寿司とかハモとかウナギとか、やや高級な食材を求めてやって来る人)、そして料亭関係者、という感じでした。
 観光客もいるにはいましたが、今のように大挙して押しかけてくる感じではなかったのではないかと思います。

 近年、食の安全安心や地産地消などへの関心が高まり、錦市場も京都のご当地産品の集積地として観光客の関心が高まるようになりました。これを受けて、食品小売や食品卸がほとんどだった商店街の中に、京野菜などの地元食材を使った飲食店も出店が進むようになりました。



 このことは、ますます観光客が増加する半面、異業種の出店や観光俗化による「錦らしさ」の喪失も危惧される事態となったそうで、京都錦市場商店街ではブランド保護のため「錦市場」を商標登録したほか、経営理念を共有する出店者を募集するなどのテナントミックスの適正化などに努めてきたそうです。
 これらの取り組みが評価され、錦市場は平成18年に中小企業庁の「がんばる商店街77選」にも選ばれています。

 それはさておき、シルバーウィークの真っただ中、しかも昼下がりとあって、もうこれ以上ないくらいに混雑していました。
 

 錦市場は道幅が4mくらいしかない両脇に、店がびっしりと並んでいます。それぞれに京野菜、京漬物のような珍しい食材や、おいしそうな和菓子などが店頭で妍を競っているので、それを買う人、眺める人、スマホで写真を撮る人などで大混雑しています。

 その理由の一つが、多くのお店が観光客の食べ歩きニーズに応えるべく、値段も手ごろな「串商品」や「少量パック」を売っていることがあげられます。
 これは、ホタテ貝とイカです。ちょっと買って食べてみようかという気になります。他にも、丹波牛(だったか?)の串を焼いてくれる店とか、ハモの天ぷら串とか、出汁巻き卵とか、色々なものを売っています。観光客としては立ち止まらざるを得ません。
  

 ふと見たら、何と三重県は南伊勢町の水産加工メーカー「山藤」(やまとう)の伊勢志摩・串ひものが売られていました!
 こんなところにちゃっかり。


 残念ながら、これは単品販売のみで、食べ歩きはできませんでしたが。
 しかし、三重県の地物とこんな場所で出会えるのはご縁を感じます。

 錦市場を高倉通から向かって、富小路通を過ぎると、いよいよ混在は激しくなり、ほとんど進まなくなりました。漬物屋さんも大繁盛で、レジ待ちの客で店内に入れないほどです。


 これだけで店にとっては相当な機会損失でしょうが、もっとひどいのは、柳馬場通、富小路通、麩屋町通、と東西方向の錦通との南北の交差点がめちゃくちゃな混雑で、車の通行もままならなくなっていることです。
 狭い道路の中央にまで観光客があふれているので、イライラしたクルマやタクシーが猛スピードで横を走り抜けているのを見ると、身の危険すら感じます。おそらく、軽い接触事故は頻発しているものと思います。商店街も、見ぬふりをするのでなくガードマンの配置を検討すべきです。

 スタートから約30分で、終点の錦天満宮前に辿り着きました。
 まあ、売っているものは、漬物にしろ京野菜にしろ、市内の地元スーパー(フレスコとか、平和堂とか)で買えなくはないのですが、やはり錦市場独特の雰囲気があって、何だか素晴らしい掘り出し物のように思えてくるから不思議です。


 錦市場も外国人客は多く、伏見稲荷大社ほどではないにしろ、どうでしょうか、2~3割の買い物客は外国人のように見受けました。
 大阪の黒門市場で見たのと同様、英語や中国語などで商品紹介のポップを作っている店は多いですし、店頭の売り子さんが中国人のお店も見かけました。やはり、ここでもインバウンドの恩恵は大きいようです。

 さて、連休の真ん中、わざわざ人を見に行ったような京都観光でしたが、わしが強く感じたのは、過去最高だという京都市内への観光客は、受け入れサイドとしては限界に近づいているのではないかということです。
 伏見稲荷は人で歩けません。錦市場も混雑で進みません。京阪電車もJRも混雑で遅れ、市バスは大渋滞で運行状況はめちゃめちゃ。タクシーもつかまりません。
 ホテルはまったく予約できず、観光案内所も行列。地下鉄のワンデイパス売り場も、新幹線の切符売り場も行列の尻尾が通路にはみ出している。土産物店のレジも5分待ち。

 京都という狭い都市空間では致し方ないことですが、観光客数がこのまま右肩上がりになると ~京都はホテル建設ラッシュですが、それでも焼け石に水だと言われているようです~ 近い将来、交通はマヒし、市民生活にも影響が出ることでしょう。よほど戦略的に対応しないと、プロモーションだけが先行して、観光の質が低下してしまうのは避けられないのではないでしょうか。

 幸い、平成26年の京都総合観光調査結果では、京都市内の月別観光客数は、最も少ない7月と最も多い3月の差は1・5倍にとどまり、最も差が開いた平成15年の3・6倍に比べて繁忙期と閑散期の差が縮まっているとのことです。
 デービット・アトキンソンさんも言うように、日本の観光業界はゴールデンウイークなどの繁忙期に依存するビジネスモデルなので、これを平準化することは重要な課題です。
 京都のような観光先進地の次なる課題は、上限に達しつつあるキャパシティをいかに平準化し、観光資源を効率的に使うかということでしょうし、これに成功すれば日本の観光業のブレークスルーになることでしょう。

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