2015年9月28日月曜日

VW排ガス不正問題の元祖はいすゞのトラック?

 政府からの巨額の罰金とリコール命令、消費者や株主からの賠償請求、などなど、真面目な話、会社の存続が危うい事態となりつつあるフォルクスワーゲンの不正事件。
 GIGAZINEが、この不正が社会問題となるきっかけになった、米・ウェストバージニア大学のグレゴリー・J・トンプソン博士らの研究者チームが、昨年5月に発表した論文の内容を取り上げています。(フォルクスワーゲンに約2兆円の罰金が科される排ガス不正を見つけた研究の内容とは 2015年09月24日 14時30分00秒

 これによると、トンプソン博士らは、NOx吸蔵還元触媒技術(LNT)を用いたFR車(車両A)、尿素SCRシステム搭載FR車(車両B)、尿素SCRシステム搭載4WD車(車両C)の3台(はんわし注 ネット上では、車両AはVW ジェッタ、車両BはVW パサート、車両CはBMW X53だそうです。)を使い、高速道路、ロサンゼルス市街地、アップダウンのある田舎道、サンディエゴ市街地、サンフランシスコ市街地、EPAの基準である「FTP-75」、「US06」及びヨーロッパの燃費測定方法である「新欧州ドライビングサイクル(NEDC)」の7つのルート・方法で、「アイドリング状態(時速2km以下)」、「低速(時速2km~50km)」、「中速(時速50km~90km)」、「高速(時速90kmより速い)」でのそれぞれの排出物の計測を行いました。

GIGAZINE より


 今回のフォルクスワーゲンの不正発覚は、博士らの研究が発表された場にEPAの担当者が来ていたことがきっかけだったそうです。


 くわしくはGIGAZINEをお読みいただくとして、わしが興味深かった(というか、まったく知らなかった)ことは、日本でも平成23年6月に、排出ガス低減性能を無効化する機能を搭載していた、いすゞ自動車のトラックが、適合基準をクリアしつつも実走行時にはNOxを3倍以上排出していたことが明らかとなり、当時の石原慎太郎知事が激怒し、国交大臣と環境大臣に対して、このような規制逃れを法令で禁止することを求める要請書を提出していた、という事実があったことです。

  東京都環境科学研究所の報道提供資料(平成23年6月3日)によると、同研究所では自動車の排出ガス低減性能の実態把握を目的として、市場に出回っている自動車を無作為に抽出して調査する使用過程車調査を実施していたところ、最新排出ガス規制に適合するディーゼルトラック(いすゞ自動車(株) フォワード 積載量4トン)が、排出ガス規制の適合試験では正常だが実走行時等にはNOxを3倍以上排出するという排出ガス低減性能の「無効化機能」を有していることが発見されたとのことです。(リンクはこちら

 石原都知事は、「規制逃れのインチキ、企業の犯罪だ」と怒りをあらわにし、アメリカでは平成10年、燃費向上のために無効化機能を搭載したとしてフォードが大気浄化法違反などで総額780万ドルの賠償金などを支払った事例があるとも紹介し、国交省、環境省への要望書提出のほか、国交省に道路運送車両法違反として通報を行いました。
 これに対して、いすゞ自動車は「排ガス処理装置の保護を目的とした、黒鉛などのPM(粒子状物質)の発生を抑えるためのエンジン制御に不具合があったことが原因で、意図的ではない」とコメントし、当該モデルの出荷を停止したほか、対象の全車両について、改善対策を国交省に届け出ました。
 しかし、この時に都が国に求めた、「無効化機能」の禁止を欧米並みに法令で明文化し、罰則規定を設けることは、その後も検討中の状態が続き、結論は出ていないようです。(日経ビジネスオンライン 時事深層 2011年7月11日より)

 ドイツと日本。
 違うようで、似ていなくもない。
 まさか飛び火しませんよね??
 

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