2015年9月7日月曜日

二子玉川・蔦屋家電に行ってみた

 「ニコタマ」こと二子玉川(東京都世田谷区)に今年4月オープンした 蔦屋家電 に行ってきました。TSUTAYAなどを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブが運営しているもので、まったく新しいコンセプトの書店「代官山蔦屋書店」の家電版のお店のようです。
 わしは何年か前に代官山蔦屋書店には行ったのですが、本と雑誌を中心にして、カフェ、雑貨なども交えた生活提案型の書店 ~なので、これはもう本屋としての書店とは別モノ~ に痛く感動しました。
 感動した理由は二つあって、ひとつはそんなふうな知的好奇心を十二分に満たしてくれる素敵なお店であること。もう一つは、これは都会、なかんずく渋谷、代官山でしか成り立たないビジネスモデルだろうということでした。
 この蔦屋家電も、家電という店名から電器屋を連想すると、やはりそれとは全く違った、本をキーワードにした、電化製品、フィットネス機器、文具、ホビー用品、などなどのアイテムが融合している、やはりまったく新しいお店でした。

 そもそも場所ですが、東急電鉄の二子玉川駅(渋谷から10分くらい)下車、徒歩5分ほどのところにある、二子玉川ライズという、マンション、オフィス、ホテル、ショッピングセンターが集まる巨大複合施設の一角です。あまりに広すぎて、ショッピングゾーンだけでもいくつもあるので、わしは駅を降りた途端方向感覚を失い、右往左往していました。蔦屋家電があるのは、「テラスマーケット」という、一番端の方にあるショッピングセンターの1階と2階の部分です。


 入り口はこんな感じ。二子玉川に限りませんが、このような東京の巨大施設の買い物客は、三重県のような地方と違って、学生風の若い人たちや、小さな子供を連れた若いお母さん、または夫婦、の割合が非常に多いと感じます。
 蔦屋家電のホームページによると、ここのコンセプトはアート&テクノロジーだそうです。
 BOOK&Caféの空間で、様々なライフスタイルを提案する。そして、家電だけでなく、日々の生活をもっと刺激的にしてくれるインテリアや本、雑貨などを販売する、アート&テクノロジーに満ちた場所としての、「ライフスタイルを買う家電店」を目指しているとのこと。
 実際に、ここから店内に入ると、代官山蔦屋書店と同様に、床、壁に木をふんだんに使った内装で、照明は薄暗く、本棚、雑誌棚がびっしりと並んでいます。つまり、完全に本屋なのです。

 暗さに目が慣れてきて、よくあたりを見ると、カフェ(スターバックス)とか文具、CD・DVD売り場などもあることに気がつきます。高級カメラのライカを並べた写真・映像コーナーのようなショップもあります。
 店内はまるで図書館のように静かで、カフェは満席。さらに店内にいくつも置かれているチェアやソファには、立ち読み(座り読みか)のお客でやはり満席です。
 
 二階に行くと、やっと家電売り場を発見しました。
 一応、冷蔵庫とか洗濯機なども売ってはいますが、いわゆる家電量販店のように「他店より安い!(調査済!)」とか「現品限り」とか書かれたPOPなどはまったくありません。展示されている台数そのものが数台しかなく、つまりはお客さんに自信を持って進められるハイエンドのみが販売されているようです。
 ほかに、ダイソンのコーナーとかもありました。あと、あまり見たこともない海外メーカーの掃除機とか、冷蔵庫とか。誰が買うんでしょうか??
 
 本当なら店内の写真を撮りまくってアップしたいところですが、通常は店内は撮影禁止ですし、マナー上も許されることではありません。蔦屋家電はオープン時に大変な話題となり、メディアにもさまざま報道されていますので、店内の様子はたとえば NAVERまとめ なんかをご覧ください。

 わしは1時間ぐらいいただけで、千円くらいの雑貨品を記念に買っただけでしたが、それにしても退屈しませんし、あれこれ楽しく迷うことができるお店だと思います。

 特に感じたのは、蔦屋書店や蔦屋家電は「店がお客を選ぶ」店づくりではないかということです。
 そもそもメインターゲットは、値段が安いことを求めているのではなく、デザインや機能などその商品にまつわる背景の「モノガタリ」に価値を見出すお客なのは間違いありません。まず、世間より収入が多い人でしょうし、おそらく学歴も高い人たちです。
 このような層のお客を呼び込むことで、ますます同じ属性のお客が集まってきて、価値観に共感する人々のコミュニティになる。
 この良質なコミュニティは、販売するうえでのいいお客さん(=価値を認めるものは高額でも買ってくれる)ですし、マーケティングの場としても魅力的です。出口と入口の両方を抑えているという感じでしょうか。このような、強いて言うと「知」を中核にしたお店は、やはり東京の、二子玉川のような郊外でしか成り立たないのかもしれません。

 このブログを見ているのは三重県の方が多いと思います。もし機会があれば、蔦屋家電、見ておいて損はないと思います。東京の先進的な小売店のスタイルは、数年後に必ず ~うわべだけにせよ~ 三重のような地方のお店にも波及してきます。それを先取りする意味で、商業者の方は見ておくべきでしょう。

 また、いわゆる地域経済活性化とか、地方の特産品開発に従事している人も見ておくべきだと思います。
 蔦屋家電で地方特産の新米だの漬け物だの干物だの焼酎だのを売っているわけではありません。しかし、地方特産品は客観的に見て完全にコモディティ化しており、誰にどう売っていくかと言う顧客のセグメントがますます重要になります。その時、よその県のアンテナショップとか、特産品の店、地方メニューや食材を提供する飲食店のような、その地域活性化業界にどっぷり浸かっている店をいくらベンチマークしても、新しい気付きなど生まれるはずがありません。
 そうではなく、次の時代の最新の商業、最新の店舗をみてこそ、さまざまなヒントは得られるのです。
 
■蔦屋家電ホームページ   http://real.tsite.jp/futakotamagawa/

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