2015年10月16日金曜日

熊野市の入鹿温泉「瀞流荘」が大規模改修へ

 南紀新報などが伝えるところによると、熊野市紀和町にある入鹿(いるか)温泉ホテル瀞流荘(せいりゅうそう)が約5億7千万円をかけて大規模改修工事を行うことになったそうです。(10月15日付け)

 ホテルは鉄筋コンクリート造り二階建てで、平成2年に竣工したもの。現在のプール棟を宴会場とレストラン、厨房に改修するとともに、既設の宴会場・レストラン棟を宿泊棟にして新たに8つの客室を新設。その結果宿泊定員が80人から120人に増加します。

 工事は10月中に着工され、来年(平成28年)の10月末に完成、リニューアルオープンされる見込みとのこと。

 瀞流荘は熊野市の外郭団体である一般財団法人熊野市ふるさと振興公社が管理運営しており、今回の大規模改修工事も熊野市の予算によって行われます。
 瀞流荘のある紀和町は、国道169号のバイパス(いわゆる奥瀞道路)の完成により和歌山県新宮市方面からの交通利便性が飛躍的に向上しています。熊野市は「入鹿温泉は湯ノ口温泉と並んで市の西の玄関口に当たり、奈良、和歌山方面の客を増やしたい」と事業の目的を語っています。


 わしも、東紀州地域(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)の交通事情が、高速道路紀勢自動車道と自動車専用道路「熊野尾鷲道路」(国道42号バイパス)の全通で大変改善されたことは何度もこのブログで取り上げており、実際に自分も利用して、まさに交通革命と呼ぶにふさわしい所要時間の短縮と運転負担の軽減を体感しています。
 しかし、三重県と和歌山、奈良の県境が入り組む北山川沿いの、熊野市紀和町、和歌山県新宮市熊野川町と北山村周辺の道路事情も、奥瀞道路の開通や、国道311号の改良などでかなり良くなっていることをあらためて知りました。
 地図を見ているだけでは実感しにくいのですが、北山村~熊野川町九重間は紀伊半島南部の交通の要衝と言ってよい地域の一つであり、意外に交通量が多いことに驚きます。
 
 その意味では海岸側の紀勢自動車道の開通と同じく、和歌山、奈良方面からの観光集客の大きなチャンスと言えると思います。実際に、湯ノ口温泉湯元山荘は一足早く今年3月にリニューアルオープンし、多くの湯治客、観光客を集めています。瀞流荘も利便性の向上により、さらなる集客と、湯ノ口との相乗効果が見込めることでしょう。

 同時に、熊野市に限らず東紀州地域の問題は、観光客は全体で増加していても日帰り客が多く、地元に多くの経済効果をもたらす宿泊客が伸び悩んでいることです。近年熊野市では里創人 熊野倶楽部のような大型ホテルの進出がありましたが、その一方でかんぽの宿は今年8月で閉館するなど相対的にキャパオーバー状態である事実もあります。
 
  県境にまたがって温泉や神社仏閣、名勝地が点在するこの地域は、うまく連携してネットワークが作れれば集客が見込めますが、地域縦割りの観光プロモーションにこだわっていては統一的な情報発信もできません。この点が難しい地域でもあって、総体としてのプロモーションを誰がどう進めていくのかの戦略がますます重要になっていると言えます。

■入鹿温泉ホテル瀞流荘  http://www.ztv.ne.jp/irukaspa/

■はんわしの「評論家気取り」 熊野の秘湯「湯ノ口温泉」に行ってみた(2015年9月5日)

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