2015年10月20日火曜日

県職員の月給、ボーナスとも2年連続引き上げへ

 時事通信社が配信している地方公務員向けの情報サイト 官庁速報 によると、三重県人事委員会は平成27年度の三重県職員給与について、月給を1.45%、期末・勤勉手当(ボーナス)を0.1カ月分それぞれ引き上げるよう知事と県議会議長に勧告しました。

 給与の官民格差は、民間企業の39万4047円に対し、三重県職員(行政職、平均43.6歳、平均勤続年数22.0年)が38万8383円で、これによれば県職員のほうが5664円低いことになります。またボーナスも、民間起業の4.18カ月に対し、県職員は4.10カ月で、県職員が0.08カ月分下回っていることになります。
 月給、ボーナスの両方ともに引き上げる人事委員会勧告は2年連続であり、この勧告どおりに給与引き上げが実施されると、県職員(行政職)の平均年収は13万4000円増の646万8000円となります。なお、改定に伴う所要額は約39億円とのこと。(平成27年10月19日付け)
 ちなみに、人事委員会勧告とは、地方公務員には普通の労働者が持っている労働基本権(団結権、団体交渉権、ストライキ権)が制限されているため、その代替措置として設けられている制度で、勧告に強制力はありませんが、法理上、当然に知事は従うべきとされています。

やったー! \(*^▽^*)/ 給料アップ。

 わしにとっては率直に言ってうれしいと同時に、しかし本当に大丈夫か?という思いもよぎります。三重県の財政はここ数年でかなり悪化しているからです。

 くしくも9月26日付けの伊勢新聞は「来年度予算、要求額は3割減 県、公債費の増大で」という記事を報じています。

 これによると、
・三重県の来年度(平成28年度)の歳入(収入)は、100億円程度の減収が見込まれている。県職員の退職手当を捻出するための借金となる退職手当債が国の方針で起債できなくなる見通しとなっていることが主な理由。
・歳出(支出)は公債費の増加などで90億円の増加を見込む。公債費は平成21年度から上昇を続け、ここ数年でピークに達する。平成27年度の公債費は前年度比で約3割増の約1178億円だった。県職員の高年齢化による人件費の増加も理由という。
・県は平成27年度予算で133億円を計上した政策的経費を大幅に削減して来年度の予算編成を乗り切る考えで、平成28年度一般会計当初予算案の編成では、県庁内の各部局に対して政策的経費の要求額を本年度比で七割以下とするよう求めている。
・一方、来年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の関連経費は別枠を設けて各部局に予算を要求させる方針。
 とのことです。(記事へのリンクはこちら
 
 ちなみに退職手当債とは、県職員が定年退職する際の退職金を借金(公債)で賄うという制度です。普通なら退職手当の財源は計画的に毎年引き当てを積み立てておくべきでしょうが、かつて団塊の世代など短期間に大量の退職者が出たころ、積立だけではまかなうことができない地方自治体が全国で続出し、国(総務省)が特例措置として借金で退職金を払うことを認めたのです。
 しかし、これは望ましい財政運営ではなくあくまで例外なので、再び国は退職手当債の発行要件を厳しくし、財政の引き締めに転換したという事情があります。

 では、三重県の財政状況はどうか。
 三重県総務部が今年5月に公表した「三重県財政の現状」というPDF資料がわかりやすいので、関心がある方や学生の方はぜひこちらをご覧ください。(リンクはこちら

 これによると、人件費や福祉費などの義務的経費の削減が進まない中、建設事業費などの投資的経費は急減しています。地方自治体の財政健全度を示す指標の一つである経常収支比率(税収などのうちで義務的な経費が占める割合)は全国平均を超える96%。財政の裁量度がほとんどない危機的な状況となっています。
 公債費の残高もここ数年で急激に伸びています。


 このような中で、人事委員会は給与とボーナスの引き上げを勧告しました。
 繰り返しますが、わしにとってはハッピーな限りです。しかし、県職員がこれほどいい目をして、生活に直結する県事業が削減され、しかも負担はほとんど変わらない一般の県民は納得するのでしょうか。 
 

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