2015年11月26日木曜日

JA三重南紀で農業用アシストスーツが

 和歌山大システム工学部ロボティクス研究室HPより
 毎日新聞のウェブサイト 毎日.JPによると、三重県御浜町にあるJA三重南紀本店で25日、ミカンの積み下ろしなどの力仕事を電動モーターで軽減する 農業用アシストスーツ の実演研修会が行われました。(リンクはこちら

 このスーツは和歌山大学システム工学部の八木栄一特任教授が開発したもの。腰の両側面に電動モーターがあり、靴の中底と手袋に付いたセンサーにより、20〜30キロ重量物の上げ下ろしが10キロ軽減され、連続3時間の動作が可能とのことです。

 スーツの重さは約7kgもありますが、素材を強化プラスチックに変えることなどで、最終的には女性の作業者でも使えるよう5kgまで軽量化を図っていく予定だそうです。価格も現在は1着100万円ですが、量産化が進めば20万円ほどまでにコストダウンできる可能性もあるそうです。
 実際にこのスーツを装着して20kgの荷を上げたJA職員は、「装着感が少なく、脱ぐと荷が一気に重くなる」と感想を述べたそうなので、やはりこれは農作業のかなり軽減が期待できるようです。

 和歌山県は言わずと知れたミカンの一大産地です。しかそのミカン畑の多くは、傾斜が15度以上もある急傾斜地にあって機械化が困難であったほか、コンテナの運搬や積込みなど人力での作業が多く残っています。
 このことから、作業を軽減するアシストスーツへの現場のニーズは高く、和歌山大学では平成17年から研究を開始。農林水産省から3億6千万円の補助金を受けるなどして、和歌山県工業技術センターや農業資材メーカーのニッカリと共同研究を進めてきました。
 八木さんは今年3月、農業用アシストスーツを製造販売するベンチャー企業「パワーアシストインターナショナル株式会社」を起業し、来年より一般販売が開始される予定にまで事業化が進んでいます。

 八木さんも言うように、ミカン産地に多い、いわゆる中山間地地域に特有な現象としてだけではなく、人手不足は少子高齢化による労働人口そのものの減少が始まっている日本にとって、代替できる作業は機械やロボットを積極的に活用して労働生産性を高めていくことが急務となっています。
 TPPが日本の農業を破壊するという懸念の声は多いのですが、かといって今までのように農業をやみくもに保護する政策がこれ以上続けられても強い農業に変革することはできません。
 この機会をチャンスととらえて、アシストスーツのような設備投資を大胆に進めていくべきです。と言うか、ロボットのような前向きな機械化投資しか日本農業が ~特に条件不利地の農業が~ 延命できる方策はないのです。

 今回の実演研修会は、和歌山県に隣接しており、同様にミカン農業が盛んな、三重県と熊野市、御浜町、紀宝町、それにJA三重南紀で構成される「三重南紀元気なみかんの里創生プロジェクト協議会」が主催したそうです。ぜひ連携をとって、導入の具体的なスケジュール作りを進めてほしいと思います。

0 件のコメント: