2015年11月30日月曜日

空き家管理ビジネスに商機あり

 中部経済新聞によると、コンピュータシステムの開発や管理運営を行う(株)松阪電子計算センターが新たに空き家管理事業に参入します。事業のエリアは名張市で、市内に家を持ちながら市外に住んでおり日常の管理ができない不在家主から委託を受け、掃除や草刈りなどを代行する内容。料金は未定ですが月額性となる見込みで、早ければ来年にも業務を開始するとのことです。(11月30日付け)
 所有者や管理者がわからず、放置されて荒れるがままになり、隣近所への倒壊や崩落の恐れや、放火・犯罪の温床になる危険性など、さまざまなトラブルで全国的に大きな問題になっているのが、いわゆる「空き家問題」です。
 今年6月には、居住していることが前提の固定資産税優遇措置を空き家には停止したり、特に危険度が高い放置家屋は市町村が解体の行政代執行ができることなどを規定した「空き家対策法」が制定されました。
 わしも、実家の隣の家が数年間無人のまま放置されてもたれかかってきたので、持ち主を探して掛け合い、解体撤去してもらった経験があります。(くわしくは、はんわしの評論家気取り「隣の空き家が・・・わしの体験」2015年5月27日 を参照してください。)
 その間はいつ倒れてくるかと気が気ではなかったのですが、持ち主と話をしてみると、その人とて好きで放置していたわけでなく、もし適切に管理してくれるサービスがあれば、そういったものを活用することで問題は事前に回避できたのではないか、と思ったりもしたものでした。



 空き家問題が深刻なのは、名張市でも同様のようです。
 かつては大阪など関西圏のベッドタウンとして大規模な団地開発が進み、人口が急増した名張市でしたが、地方都市の例にもれず現在は高齢化が進んでいるほか、大都市圏出身者は加齢に従って生活の利便性が高い都心に回帰する傾向もあって、市内には空き家が増加しています。
 名張市は全国に先駆けて、空き家の所有者に適切な管理を勧告する空き家条例を制定したり、今年からは県外より市内に移住した人などを対象に、空き家を改修する際の費用を補助する「空家リノベーション支援事業」を行ったりしています。しかし補助のほうはあくまで移住者(転入者)がターゲットであり、当分は空き家を使う見込みがない家主にとっては活用が難しい面があります。

 松阪電子計算センターは新たな空き家管理サービスにシルバー人材センターを活用することで地元の雇用創出につなげるほか、墓地の掃除と墓参りの代行サービスなども追加する予定だそうですが、わしが思うに、これらのサービスは、地方ではかなり商機があるのではないかと思います。
 一つには、先ほど都心回帰と言いましたが、その一方で一度都会に出て行った人がリタイヤ後にUターンして第二の人生を送ることが広く認知されてきたように、田舎の家をセカンドハウスとして保有し続けていたと思っている人は一定数いるということ。
 第2に、これらの人は長らく故郷を離れていて地域コミュニティと分断されてしまっているため、空き家の管理を頼める親戚や友人もおらず、適切な管理業者を潜在的に必ず探しているということ。
 3つ目には、これはやや逆説的ですが、多くの場合、田舎では不動産のニーズが少なく、流通も少ないので、誰かに売ろうにも売れない、という現実的な問題があることです。

 松阪電子計算センターは、今年5月から名張市内の廃校になった校舎をリノベーションして、耐震性の高いデータセンターにし、それに付随した人材派遣などのサービスもここで行うようになっていたことから、空き家管理事業も名張市内でおこなうようですが、小規模な工務店など、空き家管理が業務として遂行できる能力を持つ事業者は県内のどこにでもいることと思います。
 これらの事業者にとっては、空き家はむしろ商機です。このようなビジネスをスタートさせて、困っている都会の不在家主にサービスを提供すれば、助かる人はずいぶん多いのではないでしょうか。

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