2015年11月4日水曜日

車いすの緊急避難装置JINRIKIを体験してみた

 先日の Sea級グルメ全国大会 in 鳥羽 で書き忘れたのですが、会場に出展していたブースの中に、(株)JINRIKI(じんりき)というところがありました。
 ここは、グルメ系の出品でなく、着脱ができる「車いす用緊急避難装置」というものを展示しており、実演もしてくれ、アテンドされていた社長(中村正善さん)のお話を聞いてなるほどと思ったのでメモしておきます。
 (株)JINRIKIは本社が長野県箕輪町にあり、作っている製品もJINRIKIと言います。つまり、これ専業のメーカーです。

 車いすを使ったり、あるいは介助したことがあれば容易に分かることですが、汎用の車いす、つまり、膝の下あたりに小さなガイド車輪があり、お尻の下に大きな車輪があるタイプのものは、芝生とか、土や砂利の道、砂浜、積雪時などは安定した走行が極めて困難です。ガイド車輪が沈み込んでしまうと、いくら介助者が車いすを押しても、なかなかまっすぐは進めません。というか、そもそも前に動かすこと自体に大変な力が必要になります。

 これは、階段やはしごなど、段差がある道でも同じで、仮に地震や火災などの緊急事態が発生し、車いす利用者を非難させなくてはならないときに、かなりの労力が求められることになり、体力がある人が周りにいなければ、逃げ遅れてしまう可能性さえ出てくることになります。
 そこで、このJINRIKIが抜群の機能性を発揮するという訳なのです。


 JINRIKIは、簡単に言えば、まさしく明治時代の人力車のように、車いすの前方に「コの字」型のフレームを付けて、緊急時には介助者がこれを車夫のように引っ張ることで、悪路の移動をスムーズにするという装置です。
  Sea級グルメの会場にもデモ機があり実演していましたので、わしも実際に引っ張らせてもらい、次に自分が車いすに乗って引っ張ってもらったのですが、JINRIKIを使うとビックリするほどスムーズに車いすが悪路を進めるのです。

 この写真で引っ張っているのは小学生くらいの女の子です。


 はしご状の障害物と、古布団が置かれた簡単なテストコースですが、これだけのものでも、車いすに乗って自分で車輪を動かして進むことはほとんどできません。わずか4~5センチの段差が乗り越えられないのです。
 介助者として後ろからハンドルを押しても同じで、大変な力が要ります。しかし、装着してあるJINRIKIのフレームを前方に倒して(人力車のようにして)前で引っ張ると、いとも簡単に障害物が乗り越えられます。

 原理としては、悪路で取られやすい前輪を浮かせることで操作性を上げることと、おそらくテコの原理で悪路の上り下りも少ない力で引っ張れる、ということのようです。
 JINRIKIそのものは、ステンレスとアルミ製のパイプであり、大変軽量です。根元がクランプ状になっており、車いすのフレームにネジで簡単に固定できます。

 このJINRIKIは中村社長が東日本大震災で、車いす利用者が非難に難儀したことから着想されたものだそうですが、同時に、JINRIKIを使えば、視覚障がい者、知的障がい者、妊産婦、幼児なども車いすを使って非難する可能性が広がります。
 また、副次的には、車いす利用者が屋外でのレクリエーションや観光にも出やすくなるなど、用途はアイデア次第で膨らんでいくことでしょう。

 このような素晴らしいJINRIKIですが、肝心な価格は3~4万円とのこと。高いか安いかは微妙ですが、すでに個人ユーザーはじめ官公庁や町内会、病院、介護施設などに多数納入しており、三重県(庁)ではこれを「災害時要援護者対策用機材」に指定しており、市や町が購入する際の県からの補助制度もあるとのことです。

 
■(株)JINRIKI   http://www.jinriki.asia/

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