2015年11月7日土曜日

地元の反応は1/3ずつと言ってよい(マニアック)

 G7サミットの三重県での開催まであと200日を切ったということで、三重県内のマスコミにはあらためて「伊勢志摩サミット」が報じられる機会が多くなってきました。しかし、当初の無邪気な ~これで伊勢志摩も全世界的に有名な観光地に仲間入りできる、といったような~ 歓迎ムードはやや冷え込み始めており、開催から半年近く経っても詳細な内容やスケジュール、受け入れ態勢が決まらないことへの戸惑いが徐々に広がっているのが正直な地元(伊勢市、鳥羽市、志摩市)の現状ではないかと思います。
 はんわし個人のあくまでも印象ですが、地元(くどいですが、本当に会場となる伊勢志摩地域のこと。その他の三重県は除外。)は、「賛成」「保留」「無関心」にほぼ1/3ずつに分かれている気がします。
 伊勢志摩以外の方にはわかりにくいと思いますので解説します。(関心がない方は無視してください)

賛成グループ(約30%)
 ほとんどが観光業者、観光関係業者か行政関係者など。基本的にサミットは「地元PRのための千載一遇の機会」と認識しており、本来の開催意義や国際政治情勢にはほとんど関心がない。
 地元では観光業、建設業、行政機関は三大地場産業であり、地域リーダーも多くはここに属しているため発信力が強く、国や県への協力姿勢や、地元は一丸となるべきだという意識も強い。



保留グループ(約30%)
 サミットの詳細が分からないため、開催は了とするものの、何をどうしていいのかわかっていないグループ。観光に関係ない製造業関係者や、NPOや市民グループなどは一部を除くほとんどがここ。産業関係者は警備強化がもらたす交通渋滞を何より警戒している。住民グループは、「海女」など行政(県や市)が決め打ちしてきたテーマ以外の分野(環境、人権、福祉、国際交流など)は取り上げられなさそうであることから、自分たちがどう関わっていくべきなのかが見えていない。

無関心グループ(約30~40%)
 40年前にやった三重国体や、20年前にやった地方博「世界祝祭博覧会」と同様、行政と観光業者がまた何か観光キャンペーンをやっているなという程度の認識。都民が東京タワーに登らないのと同様、また、京都市民が金閣寺に行かないのと同様、伊勢志摩地域に住んではいるがアワビや伊勢エビなど食べる機会もなく、親戚に海女はおらず、ここが特別な地域だとか、地域を活性化しなくてはいけないという強い思い入れはない。つまりは普通の生活の普通の市民。渋滞は困るが、オバマ大統領が来たら見に行きたい。

 ちなみに、わしは個人的には保留に近い「無関心グループ」になるでしょう。
 
 伊勢市民にとっては、昭和50年の三重国体の時に国道23号南勢バイパスが開通し、平成6年の世界祝祭博の時には高速道路が伊勢まで開通しました。基本的に伊勢神宮で20年に一度斎行される式年遷宮のたびに、伊勢志摩は道路事情が飛躍的に良くなり、「遷宮効果」と呼ばれる観光客の爆発的な増加で地域経済も一気に好況になるという「20年スパン」の繰り返しの歴史でした。
 しかし、直近の平成25年に斎行された第62回式年遷宮は、日本全体が不景気だったこともあって、おそらく昭和以降初めて交通インフラが整備されない(第2伊勢道路など一部のバイパス建設はあっても)という、伊勢志摩にとっては記憶されるべきものだったのです。

 遷宮効果も今回は過去にない動きをしました。伊勢志摩への観光客数は伊勢神宮の参拝客数と並行して増減しますが、過去の遷宮においては参拝客数は遷宮の当年よりも、その翌年のほうが増加していました。遷宮の翌年は「おかげ年」などと言われ、御利益が高まるという民間信仰があったからです。
 ところが第62回においてはおかげ年の落ち込みが関係者の予想以上に激しく、しかも全国の他の有名観光地に比べて外国人が圧倒的に少ない伊勢志摩は、円安による「インバウンド効果」、「爆買い効果」にも乗り遅れてしまい、多額の投資をしていた観光関係者の危機感は相当なものがありました。

 式年遷宮に合わせてビッグプロジェクトを行政が20年おきに行うのは、伊勢志摩の住民にとってはいわば当然のことで、そういった素地もあり、政治的な背景もあって、急浮上してきたのが今回のサミット誘致ではないかというのがわしの見立てです。

 当初言われていた三重県内へのサミットの経済効果(地方銀行のシンクタンクによると130億円。大和証券によると平成32年までの累計で1750億円)も、予想外に必要な多額の警備費用や、渋滞による経済損失、サミット準備期間と開催期間中の一般観光客の減少などでいくばくかは帳消しになりそうです。また、県が負担する60億円近い予算の財源もまだ確定していないことから、県の見通しに不信感を抱く県民も多いようです。
 負担の中では国道や県道の道路改良工事にも多額の予算が投じられるようですが、少なくともこの道路予算に関しては、地元民の大多数は違和感がない(と言うか、20年おきに道路がよくなるのは当然のことと思っている)ので、サミットに積極的に反対する理由はないのです。

 それよりも大きな問題は、三重県を全県的に見た時に、サミットとは全く関係がない北勢地域~中勢地域(四日市市、鈴鹿市、津市、松阪市)や、伊賀地域(伊賀市、名張市)の関心がどう向かうかです。これらの地域では関係者以外の口から「サミット」を聞くことはほとんどありません。三重県は「南北問題」と呼ばれるように、観光地で知名度の高い南部の伊勢志摩と、商工業が盛んで県民所得のほとんどを生み出しており人口も多い北勢地域との、微妙なバランスで成り立っています。サミットで住民同士がヘンにこじれると、県政的にややこしいことになるのです。

3 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

保留が3分の1というのは地元の実態を言い当てています。詳しい内容がわからなさすぎて盛り上がりようがないです。しかし積極的に反対な訳では決してない。

匿名 さんのコメント...

サミットの成功よりサミットを利用した金儲けに力を入れているようなので、金儲けに縁がない人たちは興味の持ちようがないですよ。
サミットそのものも日本の原風景とか日本の伝統とか日本の良さごり押しみたいなことになっていて何だか白けるんですよね。
しかし、伊勢神宮に客を呼んでもらう、サミットで客を呼んでもらう、サミットの後も会議を誘致してもらって客を呼んでもらうとか、伊勢志摩の観光業は他力本願過ぎて発展できなくなるのでは?

匿名 さんのコメント...

伊勢志摩の住民は盛り上がっていますよ。
伊勢では客が来るのが当然なので志摩よりは落ち着いていますが。

別に阪和氏含めて盛り上がりたくない人間は白けて見ててもいいんじゃないですかね。強要していないしサミット効果を経済面でしか見れない人間が2利もコメントしてるということは嫉妬なんでしょうか。