2015年12月11日金曜日

あってはならないこととは言え

 今日の新聞に、三重県職員による事務上のミスがまた報じられていました。雇用経済部の職員が補助金を申請した県民に郵送した文書の宛先を、「伊賀市阿保(あお)」と記載すべきところ、間違って「伊賀市阿呆」と入力したまま送付していたというものです。
 受け取った住民が誤りを指摘したことから判明したそうですが、阿保という地名は古事記に登場する垂仁天皇の皇女「阿保親王」に関係があるらしく、この記事によると、住民の一人は「歴史ある地名なのに間違えられて悲しい」と憤ったとのこと。
 宛名を間違えた担当課職員は、不注意で申し訳ないと謝罪していますが、このところ三重県職員による不祥事や、そして不祥事とまでは行かずとも事務上のミスが連続して発生しています。
 県職員もそれなりに自分を戒めているとは思いますが、これだけいろいろ続くと、県庁という組織運営上、つまりマネジメントそのものに、何らかの欠陥があると考えざるを得ません。個々人の注意が必要なのはもちろんですが、組織のあり方と切り離して個人の責任に矮小化するのは、もはや危険なレベルに達しているようにさえ思えるのです。

 ここで、アクシデント、インシデントの主なものを振り返ってみることにします。

5月
 三重県農林水産部が、5月17日に同県いなべ市内で捕獲したツキノワグマを、滋賀県多賀町内の森林に、多賀町役場等に連絡することなく放獣した。
 27日に多賀町内でクマに女性が襲われた事件が起こったことから、無断放獣が判明し、三重県農林水産部長が滋賀県に謝罪する事態となった。
 三重県は殺処分する方針で捕獲に乗り出したものの、その後のDNA鑑定で女性を襲ったクマは別の個体であることが判明するなど状況は二転三転し、結局、捕殺の方針は取り下げられた。
(はんわし注:この件に関する一連の経過情報は、12月11日時点で、なぜか三重県のホームページからほとんど削除されており、時系列的に事実を検証することが不可能な状態になっています。意図的な情報隠しと疑われかねないでしょう。)

9月 
 出先機関(県税事務所)に勤務していた職員が、慢性疾患による体調不良から、医療機関で実際に受診することを億劫だと感じ、平成20年から平成27年4月までの間、合計105件の医師の診断書等を偽造して、合計395.5日間の病気休暇を不正に取得していた。
 この職員は懲戒免職処分となった。また、欠勤により不適正に受給していた給与等420万円は全額返還していた。

10月
 三重県戦略企画部が監修して発売した「2016年版三重県民手帳」において、資料編「三重県の市町紹介」で県内地図のうち「名張市」と「伊賀市」の表記を逆に記載していることが外部からの指摘で判明した。担当課は校正段階でのチェックが不十分だったと認めて修正シール等の配布を決めたが、その後の精査によりさらに14もの誤記など訂正箇所が確認された。

11月
1)健康福祉部が9月に実施した平成27年度三重県登録販売者試験に係る合格通知書を、10月に合格者(252名)に送付したが、試験の根拠法令名と、合格した旨の通知部分に脱字があり、意味が通らない不完全な文章であることが判明した。法律名の変更があり、通知書に印字する該当部分を修正した際、印刷した合格通知書と入力内容が整合しているかの確認を怠り、決裁時等の確認でも誤りを発見できなかった。
(はんわし注:交付済の合格通知書は、記載内容の誤りがあるものの法的な効力は有効とのこと。)

2)農林水産部では、かつて労働安全衛生法に基づく指定教習機関であった三重県林業技術センターにおいて運転技能講習を行い、技能講習修了証を交付してきたところ、指定教習機関は平成12年に廃止された。しかし、技能講習修了者から紛失などで修了証の再交付申請があった際、本来なら「技能講習修了証明書発行事務局」(東京都)に申請するよう説明すべきところ、廃止前と同様に、これまで延べ16件(11人)に県が再交付していた。
 厚生労働省三重労働局からの指摘により、再交付手続きが不適切であったことが判明した。
(はんわし注:技能講習終了の資格自体が効力を失うというものではないとのこと。)

 以上、いわゆる知事部局だけでこれくらいあります。他にも教育委員会案件である学校や教職員の不祥事もいくつかあったはずだから、何だか気が重くなってしまいます。

 わし自身、自戒を込めて日々の業務にはいっそう細心の注意を払わなくてはと思いますが、しかし同時に、県組織全体のマネジメントのなさ、風通しの悪さ、閉塞感、といったものがいかんともしがたく職員の頭の上を覆っているような気がしてなりません。

<追記>
 12月12日、三重県計量検定所(雇用経済部所管)において、県民から簡易書留で送付があった「計量士資格認定申請書」1通が所内で所在不明となったことが報じられました。
 申請者から問い合わせがあって判明したもので、計量士の資格認定は4月と10月の年2回の申請期間しかないため、当該申請者は次回(平成28年4月)に再申請しなくてはならないとのことです。

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