2015年12月24日木曜日

これこそ今、やらねばいけないこと

 読売新聞に サミットへ向け タクシー「おもてなし総選挙」 という大変に興味深い記事が載っていました。(YOMIURI ONLINEの記事はこちら
 伊勢商工会議所が12月25日から、タクシー利用者に対して運転手についての評価をしてもらう、「伊勢のタクシーおもてなし総選挙」を実施するという内容です。
 来年5月に開催されるG7サミット(伊勢志摩サミット)に向けて、市内のタクシー運転手のおもてなし意識を喚起し、来訪者の満足度を高めるのがねらいとのことです。
 たいへん時宜を得た、有意義な企画だと思います。
 サミット開催以来、県や市などの行政や商工会議所のような経済団体は、サミット開催にあやかって観光客を増やそうと、観光プロモーションばかりに注力しているきらいがあります。
 しかし、本来、行政や商工会議所がやるべきなのは、観光インフラの整備と、中立な立場に立って観光施設や観光関係者のサービス水準を評価し、引き上げていくということです。
 観光客からの辛口の意見はサボっている関係者には耳が痛いであろうし、誰もそんな嫌われ役は引き受けたいくないですが、それだからこそ観光産業の発展のために行政や会議所がやらなくてはいけないのです。

 わしはタクシーを利用するのは年に数えるほどですが、東京近辺と三重県内との差、つまり地方間格差が非常に大きいものの一つがタクシーであるとつねづね実感しています。

 まず総じて、東京近郊のほうが運転手の応対が丁寧です。もちろん例外もあるかもしれませんが、三重県内のタクシーで時おりある「ため口」を叩いてくる運転手に、わしは出会ったことがありません。
 次に、サービスが進んでいます。ある時、「ゆっくり走ってほしい場合に押すボタン」というものがありました。運転手さんに聞くと、お年寄りや妊婦さんなどでカーブをゆっくり曲がってほしいとか、発進や加速の時のショックが気持ち悪い、というようなお客さんが、直接運転手に頼みにくい時にこのボタンを押してもらうそうなのです。実際に、時々はそういうお客さんがいるようで、大変好評をいただいているという話でした。(都内の私鉄系のタクシーでした。)
 車内設備も全体的にグレードが高いと感じます。空気清浄機が付いているタクシーも多いですし、小さな液晶画面でニュースやCMを流していて、無言の運転手さんでも気まずい空気にならなくてすむタクシーも見かけます。
 
 しかし、そういったハード面で東京と地方を比較して地方が劣るのは、企業間競争が激しい東京と同じにならないという意味でやむを得ないでしょう。問題はやはり、運転が安全で丁寧かという運転技術と、接客態度だと思います。
 率直に言って、伊勢市をはじめ、伊勢・鳥羽・志摩のタクシーのレベルは必ずしもあまり高くないと感じます。交通法規を守らない無謀運転常習のタクシー会社すら実在するのです。(わしは観光客がその会社のタクシーに乗っていくのを見ると、お気の毒に・・・と心底思います。いつ事故が起こっても不思議でないからです。この会社のタクシーが無謀運転する様子は以前このブログにも書きました。リンクはこちら

 読売の記事によると、伊勢市内にはタクシー会社が9社あり、約200台、300人の運転手が営業しています。
 今回の タクシー「おもてなし総選挙」 では、9社のタクシーの車内にアンケートはがきを置き、利用者に、あいさつ、対応、道順、運転などで、良かったところに○印を付け、意見も記入して返信してもらうという仕組みです。回答者には伊勢の物産を抽選でプレゼントし、優良な運転手も表彰するとのこと。

 伊勢商工商議所によると、「駅を降り立った多くの観光客が最初に出会うのがタクシー運転手。その印象を大切にしたい。良いところを書いてもらうことで運転手の意欲にもつながる」とコメントしており、まったくその通りだし、そうでありながら今まで誰も手を付けられなかったタクシーの質の向上に取り組む姿勢には、敬意を表したいと思います。
 どうか公正に実施していただき、結果は良いものも悪いものも、きちんと公表していただくことをお願いします。

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