2015年12月9日水曜日

「爆買い」の影響がまさかここに?

 伊勢志摩経済新聞が、三重県多気町になる万協製薬「フィギュア博物館」が存続の危機に陥っていると報じています。

 このフィギュア博物館がこの場所にオープンしたのは平成26年5月のことです。万協製薬の社長であり、フィギュアのコレクターとしても著名な松浦信男さんが、当初は自宅にあった倉庫に収蔵していた怪獣や特撮ヒーロー、アニメキャラクター、プラモデル、ラジコンなどのコレクションが収まりきれなくなったため現在地に移転し、一般にも公開されるようになったものです。

 コレクションは2万体を超え、その総額は1億円(!)以上。入館者も年間5000人以上あるとのこと。
 以前、このブログでもフィギュア館のことは書きましたが、その人気スポットがいま存続の危機に立っている原因が、中国人の「爆買い」による影響だというのです。
 いったいどういうことなのでしょうか。



 万協製薬は、その名のとおり製薬会社ですが、その中でも主力の業務は、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤、点鼻薬、化粧品などの受託製造です。
 軟膏とか水虫薬、筋肉痛の塗り薬などは、よくテレビでCMをやっている有名な製薬メーカーから発売されてはいますが、実際には薬の企画、レシピの設計から試作、製造方法の開発、そして実際の製造といった一連の生産活動は、有名大手製薬メーカーと万協製薬のような会社とがタイアップして行われています。
 受託生産といっても当然ながら高い専門知識と徹底した衛生管理、品質管理が必要ですし、万協製薬の場合は製造のさらに川上に位置する商品企画の段階からコミットしている「完全受託製造」メーカーであり、この分野では日本を代表するメーカーと言えるでしょう。

 実はこの品質の高さがフィギュア館の移転問題とつながっています。万協製薬が作るOEM(有名大手製薬メーカーからの受託生産)商品が、中国人観光客から特に人気が高く、SNSなどで「日本に行ったら買っておくべき医薬品」として拡散されている、いわゆる神薬12種のラインナップに入っており、注文が殺到して生産が追い付かない状態になっているというのです。

 ちなみに神薬12種とは、順不同で

熱さまシート(冷却剤) 
・サカムケア(液体ばんそうこう)
・アンメルツヨコヨコ(消炎鎮痛剤)
・ニノキュア(外皮用薬) 
・命の母A(女性保健薬)
                  以上、小林製薬
・イブクイック(頭痛薬) 
・ハイチオールC(L-システイン製剤) 
                  以上、エスエス製薬
・ビューラックA(便秘薬) 皇漢堂製薬
・サロンパス(消炎鎮痛剤) 久光製薬
・サンテボーティエ(目薬) 参天製薬
・龍角散(のど薬) 龍角散
・口内炎パッチ大正A(口内炎薬) 大正製薬

 を指すそうです。確かに塗り薬や張り薬などのいわゆる外用薬も多いようです。

 伊勢志摩経済新聞によれば、万協製薬は製造ラインを増やすために新たに物流棟を建設しており、さらに現在フィギュア館がある第三工場の拡張計画も思案しているそうで、中央にある博物館がネックとなるため、移転もしくは規模縮小の道を探らなければならない状態だそうです。
 松浦社長は、「大変ありがたいことだが、僕にとってフィギュアも大切。縮小計画はあり得ないが、なんとか現状を死守しながら、さらに博物館の充実を図っていきたい。移転の計画は将来ないとは言い切れない」と話しているそうです。
 まあ、月並みな〆ではありますが、会社にとってもフィギュアファンにとってもメリットがあるような、最善の道を探っていただきたいと思います。


■伊勢志摩経済新聞  多気町の万協製薬「フィギュア博物館」が存続の危機 「爆買い」影響で
2015年12月03日

■はんわしの評論家気取り 
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