2016年1月3日日曜日

神奈川県立近代美術館鎌倉館に行ってみた

 日本初の公立による近代美術館と言われている、神奈川県立近代美術館・鎌倉館に行ってきました。

 通称「かまきん」と呼ばれているこの美術館は、ご承知の方も多いと思いますが、今年(平成28年)1月末で閉館され、65年間の歴史を閉じます。

 日本を代表する建築家の坂倉準三氏(明治34年~昭和44年)の設計であり、昭和39年に手がけた三重県伊賀市役所(旧上野市役所)市庁舎などに先駆ける、日本を代表するモダニズム建築としても知られています。
 鎌倉館の敷地は鶴岡八幡宮の所有地だそうで、その借地契約が満了することや、建物の耐震性が現行の基準を満たせないといった理由により閉館するのだそうですが、当初は建物も解体される方針だったところ、日本建築学会などから建物存続への強い要望があり、その後神奈川県が調査を行った結果、建物は保存されることに決まったとのことです。

 NHKテレビの新・日曜美術館で最後の展示会「鎌倉から始まった 1951-2016」が取り上げられたこともあって、かなり混雑しているのではないかと思い、朝一番で向かったのですが、意外にも人が少なく、ほとんど待ち時間なくスムーズに入れました。


 鎌倉館の全景です。


 ホームページの解説によると、展示室など鎌倉館の主要部分は2階にあり、それを「ピロティ」とよばれる列柱群が支える様式となっています。これは、坂倉氏が師事した世界的建築家 ル・コルビュジエが1920年代の住宅建築において提唱した様式でした。 

 また、鎌倉館は四角い中庭を中心に、その周囲を展示室やさまざまな機能が取り巻くように構成されていますが、この構成もコルビュジエが1939年に発表した「無限発展の美術館」というコンセプトを踏襲したものだそうです。



 もちろん、坂倉氏は師匠を模倣していただけではありません。彼は戦前(1937年)のパリ万博における日本館の設計を担当していますが、その設計思想では「自然環境との調和」を重視していたそうです。
 桂離宮のような日本の伝統的な建築における、建物と庭園との密接な関係を研究する中から引き出したもので、特に1階の外縁部はテラスが池に面していて、まさしく水と陸の中間のようなあいまいな、そしてどこかリラックスできるような空間になっています。


 で、そういった受け売りの講釈はともかく、肝心の展覧会のほうですが、月並みな感想ではありますが、これまたホームページに特出しで紹介されている、松本竣介の「立てる像」は素晴らしかったし、古賀春江の「窓外の化粧」というシュールな作品もなかなか良かったです。
 展示室自体、面積がわずか450㎡しかなく、現代から見ればけっこうこじんまりしているので、ゆっくり見ても1時間あれば十分です。
 
 最後に、この日は大変天気がよく暖かかったので、喫茶室では外のテラス席に出てコーヒーを飲みました。
 

 庭からは鶴岡八幡宮の大鳥居が見え、年末年始の準備で、どことなくあわただしい雰囲気が伝わってきます。
 しかし、こちらはまったく別世界で、たいへんゆったりした豊かな時間が過ごせました。

 この後、歩いて5分ほどの鶴岡八幡宮にも参拝しました。




■神奈川県立近代美術館   http://www.moma.pref.kanagawa.jp/index.html

 

0 件のコメント: