2016年1月31日日曜日

伊勢市内の危険石灯籠を撤去へ

 伊勢市内の伊勢神宮・内宮(ないくう)と外宮(げくう)を結ぶ県道(通称、御幸道路(みゆきどうろ))の道沿いには約4kmにわたって、石灯籠が建てられています。
 神都・伊勢らしい光景であるこれらの石灯籠は、昭和28年に斎行された第59回式年遷宮に奉賛するために、民間団体が資金を募って建立したものです。
 ところが、その団体は昭和40年ごろに解散してしまっており、600基以上残っているという石灯籠は、現在、所有者も管理者も不明な不法占用状態であり、一種の違法建築物であることは、意外に知られていないかもしれません。
 これは長年にわたって行政当局と市民を悩ませてきた問題であり、第62回式年遷宮があった平成25年ごろにも老朽化が進んだ石灯籠は行政が撤去を進める方針となったことは、以前にもこのブログに書いたことがあります。(はんわしの評論家気取り 伊勢最大のタブーが解決へ前進か? 2013年6月19日
 これが幾ばくか改善されそうなニュースが報じられました。G7主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)の開催が迫っていることを受け、ぐらつきがあるなど特に危険性が高い石灯籠32基を県が撤去する方針が固まったとのことです。


 実際に御幸道路を歩いてみると、ところどころに明らかに傾いたもの、灯をともす部分に当たる屋根や火袋が失われて柱しか残っていないものなどが散見されます。
 この週末から、危険な燈籠にはバリケードが設置され、柱には県(伊勢建設事務所)の警告文が貼られています。
 


 警告文は石灯籠の所有者なり管理者にあてたものでしょうが、そもその所在不明で回答があるとも考えられないので、期日が来たら違反広告物と同じように、略式代執行(簡易代執行)で除却処分することになるのでしょう。
 これに関してはいろいろ意見はあると思いますが、南海、東南海地震の脅威も叫ばれている中、昭和30年代の基準で建てられている石灯籠は倒壊可能性が高く、そうなれば伊勢市内の交通はマヒして救急救命や消火活動などに大きな悪影響をもたらすでしょう。その意味でやむを得ないことであり、県としても景観として馴染んでおり市民にも親しまれている、伊勢神宮への奉賛によるもので設置に悪意はない(少なくともその当時は)などの事情を考慮したうえでの現実的な判断だったのではないでしょうか。

 しいて言えば、このように防災上も重要な課題が関係者の自助努力ではなくて、サミットという落下傘的なセレモニーを大義名分にしないと前に動かないことは気にかかります。これは英虞湾内の放置船舶の撤去もそうですが、本来なら海岸や道路の管理には十分な予算を充て、人員をつぎ込み、普段からしっかりやっておくことが必要なのではないでしょうか。
 わしも、市や県の公物管理のセクションは地味ながら大変な業務であることは仄聞しているので、まあサミットきっかけだったにしても、少しでも適正化が進むのは良いことだとは思います。

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