2016年1月4日月曜日

赤福餅はなぜあんなに取りにくいのか

 年始に京都へ行っていました。昨年秋に改装なった京都駅八条口(新幹線口)の1階部分の売店コーナーを初めてゆっくりと見て回りましたが、今までは確かポルタ地下街が一番最寄だった「イノダコーヒー」が出来ていたりと、色々な発見がありました。
 中でも驚いたのは ~今までそんなことも知らんかったのか!と言われるかもしれませんが~ 土産物店のショーケースに無数に並んでいる京漬物に「常温可」とか「常温で持ち帰れます」みたいな表記が大変目立っていたことです。
 わしの記憶では、ごく一部の種類は別として、しば漬けとか千枚漬けのような京漬物、特に浅漬け系の漬物は保冷剤が必須でした。購入時には店員から「日持ちしませんので」と念を押されましたし、ケーキ屋さんならタダでくれるような保冷剤を、一ケ30円とか50円とかそれなりの値段でで買ってつけてもらっていました。
 それが今回様変わりしており(わしには少なくともそう思え)、逆に「当店には保冷剤はありません」という表記さえ見かけました。
 昔から常温保存できる京漬物もきっとあったのでしょう。でしょうが、大きな広告を出して一等地にある、いわゆる有名老舗の漬物で、常温保存可能なものが主流になったのは、ここ最近のことではないでしょうか?


 常温保存可能になったのは、まちがいなく技術進歩のおかげです。しかも、保存料を添加するといった方向ではなく、製造時にさらに衛生管理を徹底し、雑菌が付かない品質を向上的に保てるようになったとか、パック詰めの際に真空にするとか、腐敗しにくいガスを封入するとかの製法が取り入れられたためと思います。
 これによって、帰宅時まで保冷剤が持たないような遠距離からのお客さんにも京漬物を買ってもらうことができます。機会損失を減らすことで売り上げアップになったことは間違いないでしょう。

 京漬物のような、いわば「定番」の商品は、成熟していて技術進歩や革新(イノベーション)の余地は少ないように思いますが、定番ゆえに消費者が先入観を持っていることもきっとあって、その先入観を覆す新商品開発ができれば、すでに今ある知名度 +(プラス) 取りこぼしの減少という相乗効果が生まれるでしょう。
 土産物店でお客さんの様子を観察していても、購入しているものは大部分が漬物や生八つ橋、あるいは宇治茶が使われたお菓子、といったような定番商品とか、あるいはその定番商品の派生商品です。
 知り合いにお土産を配る時も、すでに知名度がある方がお互い安心できます。まったくの新商品のお土産は、「テレビのなになに番組で、タレントの誰それが大絶賛!」とか、「なんとかお土産コンテストで最優秀賞受賞!」とかのポップがあっても、実際に売れる数は定番商品に比べて微々たるものです。他人に配るものについては消費者は非常に保守的なのです。

 で、三重県、特にわしが住んでいる伊勢鳥羽を見ると、土産物の定番中の定番は「赤福」です。
 宇治山田駅や、伊勢神宮・外宮前にある店で見ていても、まさに飛ぶように売れていきます。土産物というと、もっぱら観光客をターゲットに製造販売されており、地元の住民は土産として認識していないし購入もしない、というパターンも多いのですが、赤福に関しては地元民にも愛されているのは間違いない事実で、名実ともに伊勢を、そして三重県を代表する銘菓ということができます。

 しかし、同じ感想を持つ方は少なくないと思いますが、あの折箱入りの赤福は、もらったほうは内心閉口するところがあります。
 アンコロ餅である赤福はふにゃふにゃなので、箱の中にぎゅうぎゅうに充填され、隣同士引っ付いている赤福餅を、備え付けのちゃっちい「へら」で取り分けるのが非常に難しい ~と言うか、人間には事実上ムリな作業である~ からです。
 餅は機械で包装しているから、過去の中にあそこまで押し込められるのでしょうが、あれをきれいな形に、つまり、握りずしみたく、餅の上にネタのようにあんこが乗っかっている形に「へら」で切り分けるのは常人には不可能です。

 最近は個食が進んできたせいもあるのでしょう、昔ながらの8個入り、12個入り、20個入りの折箱赤福のほかに、赤福餅2個が一パックになっている「銘々箱」という便利なバージョンもあります。
 しかし、これは結構はやく売り切れてしまうのと、小包装のためやはりゴミが大量に出るので、ここはやはり折箱の赤福がひとつひとつキチンと取り分けられるよう、「ヘラ」を改良する技術進歩を期待したいところです。
 ヘラのサイズ、材質、弾性などに改良の余地はないでしょうか。あるいは、上手に取るためのテクニック、隠しワザのようなものはないのでしょうか。
 赤福にはぜひ真面目に、ヘラの改良への取り組みと、「赤福が上手に取れるコンテスト」をやって、優勝者の技をホームページで動画アップするとかをしてほしいと思います。
 このような技術進歩が果たせられれば、定番商品の知名度プラス取りこぼし客の減少という良い効果が生まれるでしょう。これは伊勢鳥羽観光の全体の底上げにもつながるのです。


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