2016年2月15日月曜日

インバウンド旗艦店「イオンモール常滑」に行ってみた

 昨年12月にオープンした、イオンモール常滑(とこなめ)に行ってきました。
 常滑市は愛知県・知多半島の中央部に位置し、常滑焼という急須などの焼物で非常に有名です。東海地方の空の玄関口である中部国際空港セントレアがある街でもあります。
 イオンモール常滑は、そのセントレアの対岸に位置する「りんくうタウン」という広大な開発地域に建設されました。空港開設をにらんで企業や物流基地などの誘致を目論んで造成されたようですが、残念がらと言うべきか、関西国際空港と同様にほとんど誘致が進んでおらず、このイオンと、コストコなどがあるほかは地平線の向こうまで更地が続いているという、大変にシュールな光景が広がる地区でもあります。
 逆に言えばイオンモール常滑も敷地が広いだけに駐車場が充実しており、駐車台数は何と4200台。しかも6時間まで料金無料です。電車の駅(名鉄りんくう常滑駅)もすぐ近くですが、本数が少なく、買い物にはクルマ利用のほうが何かと便利かもしれません。
 それはさておき、イオンが「海と空を120%楽しむエンターテイメントパーク」と命名して、常滑ならではのご当地の魅力(ローカル)と、セントレアを核とした国際的な要素(グローバル)を融合した、グローカルな店づくりを進めていくと宣言しているこのモール、いったいどれほどワクワクするのでしょうか。


 イオンモール常滑は延べ床面積が9万平方メートル、南北に伸びる建物の長さは600mもある広大な施設です。出入口もたくさんあるのですが、多くのマスコミにも取り上げられ、名所にもなっている巨大招き猫のある「B3」から入ってみました。


 これはでかい。7~8メートルはありそうです。しかもナナちゃんよりカワイイ。
 なぜここに招き猫なのか?ですが、これは前述のとおり陶磁器産業が盛んな常滑では、古くから陶製の招き猫がたくさん作られていたことに由来するようです。(ちなみに、とこなめ競艇のマスコットも「トコタン」という招き猫)
 
 ご覧のように招き猫周辺は内装が無垢材で、明らかに他のイオンとはつくりがまったく違うので驚いたのですが、このゾーンは「常滑のれん街」というレストランゾーンであり、外国人観光客も意識して「和」を強調したつくりになっているようです。


 ただ、常滑地元のお店はごく一部で、大部分は回転寿司や和食、パスタなどのナショナルチェーンです。わしが見たところ「いきなりステーキ」が一番流行っていました。

 飲食ゾーン以外の内部はこんな感じ。
 最近のイオンでは一般的ですが、約180のテナントが並ぶ店内の通路はくねくねと曲がっていて、要所要所には人だまりができるように広めのスペースが設けられています。オッサン臭い言い方をすれば、蛇がタマゴを呑んだカタチとでも言うのでしょうか。


 一直線に見通せないこの通路が、ある種の解放感とか、そぞろ歩きする楽しさを提供する要素となっているのは明らかです。広い部分(タマゴの部分)は休憩スペースになっていて、買い物のお付き合いに疲れた顔をしたオトーサンたちがたくさん座り込んでいました。

 モールのキーテナントはもちろんイオン(食品スーパー)ですが、スポーツオーソリティがサブ核テナントに位置付けられています。また最近のイオンには定番のH&MやPeTeMoなども出店。
 興味深いのは、イオンのセレクトショップ部門である「イオンスタイル」の売り場面積が非常に広いことです。三越伊勢丹のセレクトショップ「エムアイプラザ」もあったりして、やや高級路線 ~当然に、富裕層の外国人訪日客の取り込みも~ を狙っているように思えます。
 ほかにもニトリデコホームとか、NTP-ark、SNAP House といった、ある種実験的な新業態店舗も目立ちます。

 もう一つの特長は、やはりインバウンド対策の充実です。表示板やガイドブックは、英語、中国語、ハングルの表記があります。また館内は全エリア無料Wi-Fiが使用できます。


 テナントのうち14店は免税店です。1階には免税の総合カウンターもあって、パスポートの提示などによりまとめて免税手続きを行うことができます。
 しかし、見たところ、外国人客はそれほど多くはありません。東京や大阪で見かけるような「爆買い」のお客もほとんど見かけませんでした。

 また、これも最近の大都市近郊型のショッピングモールでは一般的になりつつある「緑のオープンスペース」とも呼ぶべき公園施設も併設されています。


 ワンダーフォレストきゅりお と命名されたこのスペースは、広さ2万平方メートル。フィールドアスレチックコースや、バーベキューコーナー、水場(冬はスケート場、夏は水遊び)などがあり家族連れには楽しい場所ですが、カートサーキット場や温泉(常滑温泉マーゴの湯)なども併設されています。

 というわけで、いろいろなお店や食事処、時間つぶしできるスペースもあって、イオンモール常滑、なかなか楽しい場所になっていると感じました。
 昔むかしであれば、イオンのような大型店と、おそらく常滑にも旧市街にはあるであろう商店街とは鋭く対立していました。しかし商店街の衰退は決定的となり、日常の買い物をする市民だけではなく、インバウンドのような新しい商業需要も、受け入れる先は大型店しかなくなっているというのが日本の地方都市の現状です。
 大型店は、地域性とか和のテイストを強調する手段に常滑固有の地域資源もどんどん取り入れており、結果的に、街じゅうの賑わいすべてがこの店に吸収されて集まってしまっている図式となっています。
 これは地域振興を「総力戦」と捉える見方に立てば、戦術として間違っていません。


 ただ、何もかも一か所に集めてしまう、集まってしまうことが多様性を奪う一面もあるので、この点は関係者だけでなく、市民皆が考えなくてはならないことだと思います。

■イオンモール常滑  http://tokoname-aeonmall.com/

■はんわしの評論家気取り
 


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