2016年2月16日火曜日

飼い主には重大な責任がある

 伊勢進富座で「犬に名前を付ける日」(山田あかね監督)を見てきました。
 わしは今までに金魚やカブトムシ以外のペットを飼ったことはありません。もちろん犬も猫も、飼育した経験はありません。近所にも親戚にも飼っているところはなく、そんなものとして大人になってしまったので、今まで特に飼いたいと思ったこともありません。
 しかし、世間では捨て犬や捨て猫が意外に多く、それらのうち殺処分されるものも少なくないことは知っていましたし、最近はペットの絶対数は減少しているものの、少子化が進む人間の子どもの数よりも犬・猫のほうが多いとか、飼い主が高齢化しているため散歩の手間がかからない猫が犬よりも人気を集めている、といったことも話題になっていたと記憶します。



 映画の内容は、公式ホームページにあらすじもキャストも細かく載っているのでそちらをご覧いただくとして、わしの心に残ったのは、野良で捕獲されたり、飼い主が捨てたり処分を行政(保健所など)に依頼してきた犬猫、いわゆる「引取り犬猫」の殺処分を少しでも減らそうと、収容施設から動物を引き取って新しい飼い主とのお見合いを行ったり、自らで飼育施設を作って飼ってしまう、というような活動をしている市民団体やNPOの奮闘ぶりです。

 わしも実際にデータを当たってみることにしました。
 まず、そもそも犬猫が全国でどれくらい飼われているかですが、一般社団法人ペットフード協会という業界団体が「全国犬猫飼育実態調査」という調査を行っています。
 これによると、平成27年10月現在、犬は991万7千頭、猫は987万4千頭が飼われていると推計されるようです。ちなみにこの数年で、犬は減少していますが、猫は横ばいないし微増となっています。(平成27年 全国犬猫飼育実態調査の調査結果へのリンクはこちら

 一方で、犬・猫の引取り状況と、殺処分状況は環境省動物愛護管理室の資料によると以下のようになっています。

 引取り数、殺処分数とも顕著な減少傾向であり、昭和49年ごろの1/10くらいになっています。また、ここには示しませんでしたが、迷い犬・猫の飼い主への返還や、新しい飼い主への譲渡の数はこれらとは対照的に増加傾向であり、この映画で取り上げているようなNPOなどの活動が功を奏している面があるのかもしれません。

 日本のペット行政やペット業界の実態は、欧米諸国に比べて水準が低いことは長らく指摘されてきました。このことから平成25年には動物愛護法が改正され、飼い主はペットの生涯にわたって面倒を見るべき責任があることが明文化されるとともに、ペットショップは販売の際に必ず対面で説明する義務を負うなど、買い手(飼い主)、売り手の双方の責任が強調されることとなりました。

 しかし、この映画では、東日本大震災で、被災者が避難した際に捨て置かれたペットや、避難先や仮設住宅に連れて行くことができないことから行き場を失ったペットの問題も、実は大変大きなものであったことが取り上げられます。新たな問題が起こっていたのです。
 また、近親交配など無理な繁殖を繰り返し、あげくの果てに経営不振になったら犬をそのまま放置するブリーダーも取り上げられます。まさに業界の暗部であり、劣悪な環境に捨てられている犬たちを見ると暗い気持ちになってしまいました。

 大変重要な問題提起のドキュメンタリー仕立ての映画であり、ペットにあまり強い関心がない、わしのような人間が見ても、気づきが多く認識を新たにできる作品でした。
 また、余談ながら、三重県(三重県から犬・猫の引取り業務を受託している公益財団法人三重県動物愛護管理センター)でも平成24年度には3249頭を引き取っていること、また殺処分も減少しているとはいえ3452頭にのぼっていることを今回調べてみて初めて知りました。この映画を見たから知ることができたことです。(ただ、殺処分数が引取り数より多いのはなぜかはわかりませんでした。)

 三重県は平成26年3月に「第2次三重県動物愛護管理推進計画」を定め、同センターを建て替えて引き取った犬・猫を飼育するスペースを新たに設けることや、新しい飼い主への譲渡を進め、殺処分は将来的にゼロにする活動方針とのことです。ぜひこの理念を実現させていただきたいものだと思います。

■伊勢進富座ホームページ   http://www.h5.dion.ne.jp/~shintomi/

■三重県動物愛護管理センター  http://mie-dakc.server-shared.com/ 

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