2016年3月12日土曜日

カッシーニの仲田社長がキュートだった件

 今日は、つい最近まで確か「鈴鹿国際大学」だったのを改名したらしい「鈴鹿大学」に行ってきました。
 大学に新しくビジネス・インキュベーションリサーチセンターが設立されたとのことで、その記念シンポジウムが開催されたので聞きに行ってみたのです。
 三重県は製造業が盛んで、全国的に見れば経済活動も底堅い県ではあります。しかし、個々の市町レベルや、細かい地域レベルで落とし込むと、人口の減少、地場産業の低迷、工場の撤退など、地域の経済力が低下していることが大きな問題となっています。
 地域が自立していくためには地域みずからが「稼ぐ」ことが必要ですが、産業活性化の手段として従来型の工場誘致はもはや無意味になっている以上、地域資源を活用したビジネスの促進や、既存の中小企業の経営力強化、さらには起業・創業の促進など、その土地の個性に応じた振興策が求められることになります。
 これには、人材を地域に供給している大学の役割も大切であり、今回のシンポジウムのテーマも 地域で稼ぐ -地方創生・グローバル化と起業・人材育成の未来- というもので、メインの講演は、カッシーニ株式会社社長の仲田洋子さん、伊賀市長の岡本栄氏、夢古道おわせ支配人の伊東将志氏、という3本立てのドリームマッチでした。

 中でもカッシーニの仲田社長は、若干15歳で起業したという現役女子高生社長で、わしとしては有名人を見に行く感覚も正直ありましたが、実際に講演を聞くと、まあやはり、タダ者ではなかったというのが率直な感想です。

 仲田さんが経営しているカッシーニ(株)は、主として「ROLE MODEL okinawa」というサイトの運営事業と、沖縄の中高生に何かをしたい人向けのコンサルティング事業という2つだそうです。
 15歳で経営者というのは特異な経歴としか言いようがなく、多くの人から「なぜ起業したのか?」と聞かれるそうですが、3つの大きなターニングポイントがあったそうです。

 1つ目は、中学2年の時にITと出会ったことです。夏休みにお姉さんを頼って東京観光に行くことになりましたが、ただの観光ではつまらないと思い、何か面白いことをやっていないかとネットサーフィンしていて、たまたま「プログラミングコンテスト」が開かれることを知りました。
 iPhoneのアプリが作れると聞いて大変興味を引かれ、コンテストに参加して計算機能のアプリを作りましたが、半沢直樹が人気だった頃で「倍返しボタン」という機能をつけてみたところ、これが大変好評だったそうです。
 自分のアイデアが技術で実現できる、プログラミングというものにいたく感動し、いつかはこんな仕事がしたいと頭にインプットされた出来事だったのでした。

 2つ目は、Ryukyufrogsという沖縄の若者育成プロジェクトに参加し、中3の時にシリコンバレーに行く機会があったことです。IT分野など多くの起業家に会うことができましたが、その感想は、自分からは一番遠い人種だと思っていたシリコンバレーの社長たちも実は普通の人だ、ということだったそうです。自分の夢をビジネスで実現しようとしている人たちを見て、自分(仲田さん)も同じようなことを考えていて、世界は意外と狭いのだなあ、と思ったのだとか。

 3つ目は、さてシリコンバレーから返り自分の周りを見てみると、広がった視野のわりには行動や付き合いの範囲は狭いことが気になり、自分たちのような若者が簡単に広い世界を知ることができるようなアイデアがないかと考えて、高1の4月にビジネスコンテストに応募し、社会貢献賞を受賞したことだそうです。その時に、「起業したいか?」と聞かれ、即座に「したい!」と答えてしまったことから、夢が現実につながった、ということだそうです。

 沖縄県は、東京都などと並んで人口が増加している数少ない県の一つで、出生率も高く、若者も相対的に多いのですが、一方で離職率が高く、多くの親は自分の子供に先生や公務員になってほしいと願っている、安定志向が強い地域でもあるそうです。
 安定志向ももちろん悪くはないでしょう。しかし、進路を決めてしまう前にたくさんの選択肢の中から将来を選べるようになってほしい、という願いから、沖縄出身で現在各界で活躍している人々にインタビューし、その内容を会員となった中高生に見てもらうサービスである ROLE MODEL okinawa というウエブサイトの運営を始めました。
 ROLE MODEL okinawaで心がけているのは、「親近感が感じられるメディア」にしようということ。同じ沖縄出身の人が活躍する姿を見て、若者たちが自分も何かできるようになるかも、とメッセージを身近に受け取ってくれることを期待しているそうです。

 このシンポジウムでは、講師3名の講演の後、パネルディスカッションがあって会場からの質疑にも答えていましたが、仲田さんは受け答えが落ち着いていて、かつ理路整然と話すので、とても16歳の女子には思えませんでした。さすが経営者というべきでしょうか。
 たとえば、鈴鹿大学の先生から「地方創生にあたって大学の役割が重要だが、これから大学に進学するとしてどんなことを学びたいか。」などといった、高1には難しめの質問が出たのですが、これには「今の大学は入学する時に経済学部とか法学部というように進む方向が決められてしまう。そうではなくて、まずリベラルアーツをしっかり学び、自分の関心や興味が湧いてきたらそちらの分野に進めるようなシステムの大学に行きたいです。」と、ものすごく良い意見を言っていました。

 シンポジウム終了後に名刺交換させてもらったのですが、実際に色々話をしてみると、小柄でおとなしい女の子でした。沖縄に行ったら絶対に訪れるべき、おススメスポットも教えてもらいました。
 若いうちは何でもチャレンジできると思うので、周りの大人の思惑にあまり気を払う必要もなくて、やりたいことをどんどんやっていけばいいと思います。
 ただ、ROLE MODEL okinawaのインタビューはアポ取りから全部自分でやっており、学校の勉強をする時間もままならないことが悩みのようなので、健康だけは留意してほしいと思います。

 あと、岡本市長と伊東支配人のお話しも非常に示唆に富む内容でしたが、ここには書きつくせません。ぜひ鈴鹿大学がこのシンポジウムの報告書なり議事録を作られ、一般公開していただきたいと願うばかりです。

■ROLE MODEL okinawa  http://www.rolemodel.jp/index.html

■Ryukyufrogs  http://www.ryukyu-frogs.com/

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