2016年3月17日木曜日

本当は知っていたのでは?

 なでしこと称する女子サッカーのチームが、オリンピック出場をかけたアジア最終予選で敗退したことが大きなニュースとして報じられました。
 最終予選は午後7時のゴールデンタイムにNHK総合テレビで生中継されるという特別扱いで、事前の予測でも4大会連続のオリンピック出場は確実視されており、どのテレビ局のニュース番組を見ても、最後のほうで必ず天気予報とセットになって出てくるスポーツコーナーで、やたら元気のいいスポーツキャスターとやらが「なでしこは絶好調」とか「勝利は確実」などと散々持ち上げ、選手をヒロイン扱いし、監督を英雄視し、もう絶対に敗北などあり得ないと笑顔で絶叫していたと思ったら、世間は残酷、敗北した途端に手のひらを反して「澤がいなくなってチームから求心力がなくなっていた」とか「選手と監督に不協和音があった」「ベテランから若手への交代が進んでいなかった」などなど敗けた理由のオンパレード。
 まるでもう、わたしゃ最初から負けると思っていたのよ、と言わんばかりの論評が続き、あれほど能天気だったスポーツキャスターとやらは、もう済んだことと「なでしこ」の「な」の字も呼ばなくなり、やれテニスじゃ大相撲じゃ春の甲子園じゃと話題を変え、目先を変えて、いったいこの「キャスター」たちは今までいったい何を見て、何を取材してきたのか、なでしこ以外の外国チームの技術がわからなかったのか、実力を知らなかったのか、いずれにせよ頭の中はカラっぽじゃないのかしらん、と思わせるに十分な軽佻浮薄な「スポーツジャーナリズム」がまかり通っています。

 最近にわかに騒がれてきた野球賭博、いや、正確には「円陣賭博」というそうな。
 試合の最初に選手達が円陣を組んで、「今日もがんばろう!」などと声を上げる、その前にあらかじめ選手達は1人何千円かの現金を出し合い、チームが勝つと円陣で「がんばろう」を担当した選手が掛け金を総取りできるこのバクチに、かのジャイアンツも、タイガースも、ホークスも、いろいろなチームが手を染めていた。

 コミッショナーは怒る。
 球団は慌てる。
 スポーツキャスターもいかにも悲痛な面持ちで、「また新たな事実が判明しました」としおらしく円陣賭博の発覚を報じる。

 しかし、わしは思います。
 知らなかったはずはない、と。
 マスコミの運動部では一流選手には番記者すらいる。一般記者もチームに密着して選手一人一人と仲良くなり、それでこそ初めて本音が聞ける。記事のネタが拾える。
 いわば一心同体の彼ら彼女らが、プロ野球選手の市井の常識とはかけ離れた金銭感覚を知らないはずがない。
 プロ野球選手は狭い世界。
 有名高校、有名大学野球部の先輩後輩、甲子園で戦った仲。リーグ戦での顔見知り。同じ価値観、同じ目線を持つよう純粋培養で鍛えられた野球エリートは同一世界に住んでいるクローンと言っていい。
 ましてやプロ野球選手にはトレードもある。よそのチームの悪習が他のチームにも広がる。先輩もそうやっていたから後輩は不思議にも思わない。

 それがマスコミにも伝染し、少々の不行跡には目をつむる。そして、選手たちの人間としての本性も見ない、見えない、見落とす。
 新聞社、テレビ局、マスコミ同志も仲間だから、このようなスポーツジャーナリズムのレベルの低さ、モラルの欠如も決して他のジャーナリズムは批判しない。それがマスコミ界の義理と人情。

 スポーツでさえこうなのだから、経済や政治、社会で起こる事件事故も、果たしてジャーナリズムは機能を果たしているのか? マスコミの伝えることは本当なのか? と疑わせるには十分。

 決して油断してはいけません。マスコミを信用してはいけません。


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