2016年3月22日火曜日

SNS普及で店内撮影OKが増加

 わしは自称大型店マニアなので、たびたびこのブログにも目新しい大型店に行った訪問記を書いたりしています。その時に残念に思うことの一つは、ショッピングセンターやデパート、大型量販店などは、ほとんどが店内での写真やビデオの撮影が禁止されていることです。
 これは、店側からするとある意味当然のルールで、店舗にとって売り場とは、デザインやアピールポイント、接客などのノウハウが凝縮されている「商売道具そのもの」であり、それを勝手に撮影されて真似でもされたら大きな損失になってしまうでしょう。また、買い物客が写り込んでしまうのも、顧客のプライバシーを大事にするという姿勢からはやはり避けたいことかと思います。なので、わしもできる限り写真は撮らないようにしてきました。
 しかしその一方で、現実問題として携帯やスマホはほぼ100%の消費者に普及し、何かあるとメモ代わりにスナップ写真を撮ることも、もはや生活習慣になっています。大型店でも、たとえばお客が待ち合わせに使うようなモニュメントがあるスペースとか、吹き抜けとか、店の大きな看板といった象徴的な場所では、そこだけ撮影OKとなっていたり、事実上、たくさんのお客が写真を撮るのを黙認しているケースを多々見受けます。

 日経MJの3月18日号に載っていたのは、特に最近はSNSが普及し、自分が買った気に入ったアイテムのことや、どれを買おうか迷っている様子などを交流サイトに投稿することが普及し、それを受けて店側も店内撮影を原則自由にして、むしろ積極的に自店のことをSNSで話題にしてもらうマーケティング戦術に転換するところが多くなってきた、という記事でした。

 これを読んで思い出したことがありました。
 1月の終わり、津市が運営する産業支援機関である津市産業振興センターが主催した「第8回津市産業振興セミナー」を聞きに行ったときです。
 ゲストスピーカーは津市出身で、第一生命で部長職をつとめて退職した後に、日本初のインターネット専業生命保険会社である「ライフネット生命」を創業した、出口治明さんでした。
 セミナーの冒頭、出口さんは「こういう講演会は写真撮影禁止というところが多いのですが、私の講演は自由に撮影していただいて構いません。ぜひそれをネットやツイッターに投稿してください。ライフネット生命は、インターネットが事業インフラなので、ネットで情報が広まれば広まるほどメリットも生まれるし、ネットへの恩返しになると思っています。」という趣旨のお話しをされました。
 この時のテーマは「還暦ベンチャーの経営戦略」というもので、実際に出口さんは58歳で第一生命を退職し、60歳の時にライフネット生命を開業しているので、普通に考えると定年退職後の第二の人生をいかに輝かせるか、みたいな話になりがちなのでしょうが、それはそれ、やはりぶっ飛んだビジネスモデルを考え、実現した人だけあって、ネットへのオープンさも人並み外れたものがあるなあ ~失礼ながら、このお年で~ と感心したものでした。

 しかし、結局のところ、今のネット社会は出口さんに限らず誰にとってももはや止めることは不可能な、不可逆的な社会進歩(もし進歩であれば)です。それならそれを逆手に積極的に打って出ようという視点は、誰にとっても、何事につけて必要になってくるものかもしれません。

 日経MJに戻れば、記事で取り上げられているのはヨドバシカメラ(三重県にはない)とか、リグナ(家具店。これも三重県にはない)などの事例ですが、その一つに挙げられていたのがイオンモール常滑です。
 これはわしも2月15日にこのブログで書きましたが、確かに店の入口に巨大な招き猫のオブジェがあり、ここでは外国人旅行客を始めたくさんの来店客が記念写真を撮っていましたし、「ここから撮ればきれいに写ります」みたいなバミ位置が床に書かれているなど、今から思うとこのSNS戦略だったのだなあ、と思い当たります。

 振り返って、三重県内のスポットはどうか。
 伊勢神宮は本殿(正宮)を囲む一番外側の垣である「板垣」内に足を踏み入れた瞬間、そこから撮影禁止です。神聖な宗教上の場所なので軽々しく写真を撮るべきでないという意見はもっともですが、果たしてそれが時代に合っているのか。(実際に、個人のブログやSNS投稿では板垣内の写真がアップされているものを容易に見つけることができます。)
 博物館とか美術館、資料館なども多くは撮影禁止ですが、その禁止理由は本当に合理的なものか、情報を拡散してもらうメリットは大きいのではないか?などはもう少し知恵を出し合って検討してみてもいいような気がします。

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