2016年3月28日月曜日

在留外国人数が過去最高に

 nippon.comによると、平成27年(2015年)末時点での在留外国人の数は、前年比5.2%増の223万2189人で、統計を取り始めた昭和34年以降で最も多かったと法務省が発表しました。留学、技能実習の目的で日本に滞在する人がそれぞれ15%増えたのが要因とのことです。
 在留外国人数とは、仕事や学業などで日本に中・長期に滞在する外国人と、在日韓国・朝鮮人など特別永住者を合算したものです。平成20年の214万人をピークに景気後退や東日本大震災の影響などで減少していましたが、平成25年には再び増加に転じ、この1年間では11万人もの大幅増となっています。
 留学のために日本に滞在する外国人は約24万7000人と、前年比で3万人以上も増加。日本の企業や農業、漁業などの現場で技能・技術を習得する「技能実習」目的で在留する外国人も約19万3000人と、前年比で約2万5000人増えました。これは日本の雇用状況の好転、一部業種に顕著にみられる人手不足などが背景にあるとみられます。
 (nippon.com 在留外国人数が過去最高に [2016.03.16]
 では、三重県はどうでしょうか。
 三重県庁のウエブサイトでは、3月1日付けで「外国人住民国籍別人口調査(平成27年12月31日現在)」の結果は公表されており、前年比0.9%増の41,625人となっています。


 しかし、三重県の場合は平成20年の53,082人というのが最高で、この数年は41,000人台で横ばいないし微増となっています。

三重県公式ウエブサイトより
このウエブサイトの付属資料のグラフを見ると、三重県の外国人住民数が少ないのは、ブラジル人の減少によるものが大きいことがわかります。
 これはやはり自動車や電気製品などの製造業企業がリーマンショック以降、一貫して従業員を減らしてきたことが大きいと思われます。

 一方で、円安や原油安による近年の景気回復傾向もあって、三重県内では有効求人倍率が1を超え(平成28年1月で1.33倍)、中小企業を中心に急速に人手不足感が広まっています。
 一部の製造業やサービス業では従業員が確保できず人手不足感が深刻で、外国人の雇用をもっと容易にすべきだという意見は時々聞きますし、水産業などの一部産業ではもはや外国人研修生なしでは産業そのものが成りたたないという声もよく聞きます。
 中国の景気減速や、日本でも消費低迷により景気に陰りが見えているので、なかなか将来は見通せませんが、外国人労働者を求める圧力は今しばらくは強まって来るのではないでしょうか。

 ただ、わしはこのようなデータを見るとよく思うのですが、日本には、ましてや三重県にも、自国の中で外国人をどう位置づけるのか、どんどん増やしていくことが望ましいのか、ある程度は人数を管理するほうがいいのか、といった議論をほとんど聞いたことがありません。
 製造業がもはやかつてのように日本の産業全体を牽引することが難しくなっている中、観光やソフトウエア、金融のようなサービス業が多くの付加価値を生み出すことが期待されているし、実際にそれしか可能性はないと思いますが、こういった新しい発想や創新(イノベーション)が重要な産業は、多様な人材が交流することで従来の枠にとらわれない視点や発想を持ち寄らないと発展しません。
 もちろん、イノベーションは予見できないし予定調和もあり得ないのですが、安い賃金で働いてくれる ~それゆえ高度な技能は持たない~ 外国人を増やすよりも、高い知見や技能を持つ専門職、あるいはそれに繋がる留学生を中心に呼び込むことが有効なはずです。

 ただ単にインバウンド(外国人観光客)を呼び込み、消費させるというだけでなく、県内の産業や文化を高めるためにも、外国人の力を有効に使いこなす戦略は必要ではないかと思います。

 

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