2016年3月30日水曜日

伊勢神宮参拝者数が248万人減に

 伊勢市が平成27年伊勢市観光統計を公表しました。
 これによると、伊勢神宮(内宮と外宮)の参拝者は838万人で、前年より23%、約248万人もの減少となりました。この数字は前回の第61回式年遷宮が斎行された平成5年とほぼ同じ水準です。
平成27年伊勢市観光統計より
伊勢市の観光は伊勢神宮に全面依存していると言ってよく、参拝者数の減少によって、近隣施設の観光客や交通機関利用者数などもほぼ全体的に平成26年に比べて減少傾向となっていますが、遷宮の前の年であった平成24年よりは上回っている状態であり、いわゆる「遷宮効果」の収束は前回(第61回)の式年遷宮の時よりも緩やかになっていると考えられるそうです。



 注目すべきなのは、外国人参拝者が対前年比147%の大幅増となっていることです。特に内宮の人気が高いとのことで、これはもちろん外国人観光客が円安の影響などで全国的に増加しており、昨年は過去最高の1974万人になったことなどの影響でしょう。

 しかし、残念ながら統計書にはこれ以上の深い分析はありません。伊勢市では以前から外国人の大学生を観光情報を発信してもらうために短期滞在させる事業などに取り組んできました。(はんわしの評論家気取り 伊勢の魅力を外国人留学生が発信 2014年1月29日
 たとえば、そのような施策の効果が関係しているのかどうなのか、もう少し突っ込んで分析する必要があるのではないでしょうか。でないと、この手の施策はその場限りの打ち上げ花火で終わってしまい、次に続かないのです。

 興味深い点はまだあって
・内宮周辺市営駐車場駐車台数及び伊勢への公共交通機関、有料道路は対前年比で微減。一方で内宮前市営駐車場(バス)は対前年比で大幅減となっており、個人客は微減、団体客が大幅減したと推測される。
 とはこの報告書自体にもそう書いてありますし、

・お伊勢さん観光案内人(有料観光ガイド)、お伊勢さん観光ガイド(ボランティア観光ガイド)の利用者も、対前年比でそれぞれ31%減、15%減になっている。(有料ガイドはバスの団体客数と相関関係にありそう?)
・学校による伊勢神宮参拝(修学旅行)も約3%減となっている。
・伊勢神宮の「別宮」のうち、月読宮と月夜見宮は微増、倭姫宮は大幅減となっている。
 などなど、資料を読み込んでいくといろいろなことがわかってきます。

 わしが知る限り、三重県内でここまで詳細な観光統計を公表している自治体は、県も含めてここ伊勢市だけです。
 これは観光が古来から伊勢市の地場産業であり、従事者も非常に多く、集客の多寡が重要な問題であったことも影響していると思います。
 以前もこのブログに書きましたが、観光業は確かに重要な産業であり、製造業に代わって地域経済を牽引して行くことになるでしょうが、まだまだデータの集積や解析は関係者の間でも不十分で、県庁の分析でさえいい加減な憶測がまかり通っています。
 データを活用して科学的に政策化していくには、伊勢市観光統計のような生データを多くの人が見て、解釈についてオープンに意見交換する場が必要です。伊勢市にはその土壌があるのですから、ぜひ市役所主催で「今年の観光統計を読む会」をやっていただいてはどうでしょうか。いろいろな見方、意見があって盛り上がると思います。
 もちろん、「読む会」は別に市役所の人だけしかできないことではないので、市政に日ごろからいろいろ意見を具申している市会議員さんなど問題意識を持つ方もぜひ率先してやっていただきたいと思います。

■平成27年伊勢市観光統計  http://www.city.ise.mie.jp/secure/37544/27kankotokei.pdf

0 件のコメント: