2016年4月16日土曜日

三重県の財政状況が深刻に 

三重県 中期財政見通し(平成28年度~31年度)参考試算
 三重県は財政状況が非常にひっ迫していることから、一般職員の交通費や消耗品費、コピー費などの行政経費を、昨年度(平成27年度)比で10%から20%削減するという数値目標を定めました。一部の新聞が報じています。
 三重県財政課によれば、平成27年度一般会計の交通費(予算名目上は「旅費」)は約18億6千万円。消耗品費は23億1千万円。コピー費など(予算名目上は「使用料・賃借料」)は29億1千万円にもなるそうです。(中日新聞 4月15日付け)
 主に一般会計の予算を使って仕事をしている、いわゆる知事部局に在籍している職員は三重県に約5000人います。なので一人当たりに換算すると、交通費が37万2千円、消耗品費が46万2千円、コピー費などは58万2千円となります。印象としては大変に大きな金額に思えますが、本当にこんなに使っているのか?はわしも一個人として実感がありませんし、厳密に計算したこともないので、よくわからないのが正直なところです。
 このように、わしも含め県職員にはコスト意識がないので、県は職員から有志を募ってワーキンググループを作り、具体的な経費節減の方法を検討していくとのことで、わしの職場にもメンバー募集の回覧が来ていました。

 しかし、ワーキンググループに関して言えば、有効な節減対策を考え出すとは思えません。回覧内容をよく見たら、過去に財政課や出納局への在籍経験、もしくは各部総務課の予算経理担当の在職経験が3年以上あることが自薦他薦の条件となっています。
 要するに今の深刻な財政状況を引き起こした当事者、もしくはここに至るまで見守っていた傍観者であった可能性が高い職員がメンバーとなる仕組みで、事態を白紙から見直すような大きな変革には不可欠な「フレームの見直し」は任が重すぎることが容易に予想できるからです。

 先ほどの中日新聞の記事では、平成28年度の削減方針として
・職員の出張は本当に必要なものに限定し、人数は「原則として」二人以内にする
・文房具の新規購入は当分見合わせる
・コピー用紙を節約する
・(費用が高い)カラーコピーは「原則として」禁止する
・無駄な電力を削減する
 などがあがっているようで、要するにどうでもいい、真剣に取り組んだら一人年間5000円くらいは浮くかもしれないようなアイデアが対応策の主流のようです。
 わしの記憶では、確か数年前にも収入がひっ迫したことから財政当局は「財政非常事態宣言」みたいなものを出したことがあり、その時も「電気はこまめに消せ」「残業はなるべくするな」みたいな掛け声はありましたが、徹底されないままずるずるなし崩しとなってしまいました。今回もそうなるでしょう。(もちろん、こういった小さな節約に意味がないとは言いません。)

 問題は、こういった経費削減には必ず「原則としてなになにしてはいけない」と書かれている、「原則」の抜け道が作られていることです。担当職員としては、自分がやっている業務は県民のために必要不可欠だと信じているし、それに必要だからこそ出張にも行くし、資料をたくさんカラーで作ろうとするのです。
 つまり、ポイントは、2名以上禁止とかカラーは禁止とかいった表面的なことではなく、その業務自体がそもそも本当に必要なものかを問い直さなくてはいけないということなのです。

 このことは県も承知しているようで、予算そのものの節減策として、必要性の薄れた事業を見直し、休・廃止することも引き続き取り組んでいくとしています。ただ、いくら担当者が無駄だからやめたいと提案しても、政治的な背景や地元の利害関係が絡んだ事業は、上司が休廃止の決断を下せず、そのままずるずる継続している事例も多いと聞きます。
 さらに、県の総合計画にも長期戦略にも何ら記載されておらず、誰の頭の中にも存在していなかった事業が、千載一遇のチャンスとやらで ~巨額の財政負担を要するにもかかわらず~ 突然天の声で決まったりすることさえあります。組織のガバナンス自体が機能不全に陥っている気配すら漂っているのです。

 このような経費節減のレベルを超えた県の運営戦略、経営哲学、理念といったものは「政治そのもの」なので、強い意思を持ったリーダーが先頭になって組織を変えていくしかありません。
 このリーダーは自称ではだめで、政治力と人望がないといけません。そう考えると、今しばらく三重県財政は冬の時代を耐え忍ぶことになるのでしょうか。

 

4 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

東洋経済の記事読みましたけど、高い給料貰ってる以上は何を言っても説得力ないですね。

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 おっしゃるように、遅かれ早かれ給与の引き下げが日程に上ってくるでしょう。しかし、これは政治的な闘争になるので、執行部の政治力が低い現状では極めて困難だと思います。

匿名 さんのコメント...

近いところでは前の四日市市長がガンガンやってましたね。議員さんや業者さんに嫌われてましたけど。八方美人では無理でしょう。

匿名 さんのコメント...

労組が強いから高い給与を肯定できるっていうのは、凄いですね!
冬の時代も職員の懐があたたかければ、って笑