2016年4月2日土曜日

サークルKってなくなるの?

 もう20年も前のこと。
 わしのいた県の出先機関には、管内の各市町村が毎月発行している広報誌が届けられていました。
 ごみの収集日が変わりますとか、浄化槽の清掃手数料を値上げしますとか、いきいき体操教室のスケジュールとか、図書館の新着本とかが載っている、誰も読まない、あれです。
 広報誌の2月号はどこも必ず成人式特集号になっていて、人口が多い市はともかく、新成人が50人くらいしかいない町村では全員の顔写真が載っていたり、「抱負」の一言が書かれていたりして、小規模な自治体にはそれなりの良さがあったなあ…なんて今になって思います。
 ある町の広報誌には新成人へのアンケートが載っていました。わしがはっきり記憶しているのは。「この町にあったらいいと思うものは何ですか?」という質問に対して、50%以上が「コンビニ」と回答してことです。
 そのころ、すでに都市部にはコンビニはいくつかありましたが、多少遠方の郡部(町や村)にはまだほとんどコンビニは見かけませんでした。いわゆる都会的な洗練された店舗として、山間部にあったその町に住む若者はコンビニに憧れていた、そんな時代でした。


 三重県を含めた東海地域は、ユニー傘下であるサークルKが伝統的に多く ~実際に数年後にその町に初めてできたコンビニもサークルKで、その店は今もあります~、特に伊勢志摩や東紀州といった三重県南部は5割くらいがサークルKではないかと思います。
 その意味で、今年2月に公表されたファミリーマートとの統合は、この地域のコンビニ勢力図を大きく書き換えるでしょう。現在でもサークルKとファミマが隣接して建っているケースは多いので、それは到底共存できないだろうし、そもそも経営統合の趣旨から考えて重複店舗のどちらかは閉鎖すると考えるのが普通でしょう。
 人口減少が進む三重県南部では、そのエリア内にある小売機能や金融機能がサークルKだけしかないという地区も少なくありません。文字通りコンビニが社会インフラになっているのは都会以上に地方部なので、わしも一住民として統合後の運営会社であるユニー・ファミリーマートホールディングスの姿勢には注目せざるを得ません。

 その一方で、もう一つの明らかな脅威なのが、三重県を波濤の勢いで南進してきているセブンイレブンの存在です。
 先般、松阪市にもセブンイレブンが開店しましたが、いよいよ伊勢市でも出店説明会が開かれるようで、地元では「この辺に建つらしい」という噂も広まっているので、早ければ今夏、遅くとも秋ごろにはセブンイレブンが伊勢市やその周辺にお目見えすることでしょう。

 セブンの特長は圧倒的なドミナント戦略で、配送の効率を高めるために一気に複数店を同一エリア内に開店させることです。消費者へのブランド刷り込みや囲い込み効果があるとともに、セブン各店どうしも競争に追い込むという、ある意味でえぐい戦略です。

 もう一つは、徹底した新商品開発と、既存製品のカイゼン活動です。いま手元にデータはありませんが、ファミマ、ローソンに比べてもセブンの新商品のリリース数は群を抜いていたと思います。それだけ企画力があり、かつ開発力があるということです。(今はどのコンビニにもある100円コーヒーもセブンが草分けでした。)
 また、お弁当やお惣菜、パンといった定番商品も、構成や味付け、パッケージなどを(ものによっては)週1回担当者を全国から集めて改善のための会議を行っているということです。
 こういったためもあってか、わしのような味オンチの素人でも、弁当とかサンドイッチの品質はどのコンビニより相当に優れていることは実感できます。
 
 サークルKに話を戻せば、ファミリーマートに統合されて商品やサービスが一新されても、残ったファミマがセブンにやられてしまう危険性も高まってくるわけです。
 しかもわしは体験的に、あまり流行っていないセブンが、開店後一年もしないうちに閉店した例も知っており、不採算の切り捨てはかなりドライに行われます。
 ますます「条件不利地」にあって、社会インフラとして大きな収益が望めないコンビニは淘汰されていく可能性が生まれます。

 いましばらく様子を見ないと何とも言えませんが、伊勢地域のコンビニ相関図は一層複雑になることは間違いなさそうです。

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