2016年4月21日木曜日

紀北町の動画が何とも悩ましい

 三重県紀北町の紀北町役場が 紀北町一次産業就業促進動画 なるビデオクリップを、Youtubeで公開しています。
 『あなたの異住がここにはある』編、移住者インタビュー『人生の再出発』 農業編、移住者インタビュー『帰ってきて実感する地元の魅力』漁業編、 「後継者たれ」編、「魅力ときめきいっぱい紀北町」編、などなど数種類のよく似た長ったらしい名前の動画が次々アップされていて、これだけでかなり混乱した脈絡のない感じを受けるのですが、実際に再生時間数分ほどのこれらの動画を見ても、出演しておられるIターン、Uターンの農林水産業者の若者には申し訳ないと思いながら、どうもあまり心に刺さってこないというか、ハッキリ言えば、凡庸な、ピントの甘い印象しか受けないのが正直なところです。
 紀北町に移住したいと考えている人に見せたいのでしょうが、移住したいと潜在的に夢見ている人の数は日本全国ではかなりにのぼるであろうなかで、では実際に三重県紀北町に移り住もう、とすでに明確に決めている人がどれくらいいるのでしょう。
 この動画を見ればかわかりますが、紀北町が日本のどこにあるのかといった地図情報は一切ありません。それどころか、これを見て仮に移住について紀北町の誰かに相談しようと思っても、相談先がどこなのかも、この映像が誰の監修で製作されているのか(つまり著作権者)の表記もまったく、全然ないのです。
 このビデオを見て、いったいどうしろというのでしょうか?

 もちろん、わしは紀北町のこの取り組みが善意によるものだと理解しているつもりです。

 紀北町は自然は豊かだし、人々もやさしく、温かい。かつては交通が不便でしたが、今は高速道路も通っています。地場産業の農林水産業で働く若い人さえ増えれば、この町はかつての輝きを取り戻すかもしれません。それは痛いほどわかるのです。


 しかし、情緒に訴えるだけのこのプロモーションが、果たしてどれほどの意味を持つのかは、冷静に考えないといけないと思います。

 逆の立場になって、九州かどこかの、ひどく山奥らしいある町が、やはり同じようなビデオを流していたとする。この町はどこにあるのか、アクセスはどうか、人口はどれくらいか、どんな仕事があるのか、住むところはあるのか、相談するにはどうしたらいいのか、など普通に考えていろいろと疑問が出てくると思います。
 それに何一つ答えないビデオが、移住しようとする人を掘り起こせるのでしょうか???

 何とも悩ましい。

 このような映像を(繰り返しますが、作った人にも出演した人にも、こうした物言いが失礼なのは重々承知ですが)、地域振興や移住促進に率先して取り組み、実際に成果もあげてきた紀北町が作ってしまったのはなぜなのだろう。
 町役場の懐は痛まない、地方創生先行型交付金というカネの魔力か。

 まあしかし、作った以上は活用しなくてはいけません。Youtubeは再生回数が表示されるので、動画の実力がハッキリわかるのです。皆さん、せいぜいこの動画を共有しましょう。せめてそれで応援しましょう。

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