2016年4月28日木曜日

熊野古道伊勢路の来訪者数は35万人

 三重県と東紀州(三重県南部の、尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町、紀宝町の2市3町からなる地域)の各市町で構成する東紀州地域振興公社が、平成27年の熊野古道伊勢路の来訪者数(推計値)をまとめ、このたび公表しました。各紙が報じています。
 それによると、来訪者は35万2262人となり、熊野古道がユネスコの世界遺産に登録された10周年目に当たり、統計を取り始めて以来最高の来訪者数となった平成26年に比べて7万6436人、約18%の大幅減となりました。
 しかしながら、絶対数としては平成26年に次いで二番目に多くなっており、高水準を維持しています。

 先般、国土交通省紀勢国道事務所が平成26年3月に全通した高速道路(紀勢自動車道)と自動車専用道路(熊野尾鷲道路)の開通に伴うストック効果についての報告書をまとめたことは、このブログにも書きました。(リンクはこちら
 その中では、道路の延伸によって東紀州の観光客数は平成24年以降3年間連続で増加しており、平成26年は過去最高であったことが華々しく書かれていましたが、増加の要因は道路効果だけでなく、世界遺産登録10周年として実施されたさまざまなイベントや観光キャンペーンの効果も一定はあったことが読み取れる結果かもしれません。


 伊勢神宮と熊野三山を結ぶ熊野古道伊勢路は、メジャーな峠、つまり、全国有数の多雨地帯である紀伊半島南部の険しい山道を保全するために、主に江戸時代に営々と整備された石畳が今現在も比較的良好に残っている峠道が13あります。
 この峠道のうち、観光客が多いのはアクセスが良好で、比較的市街地にも近いツヅラト峠(大紀町~紀北町)や馬越峠(紀北町~尾鷲市)、松本峠(熊野市)といったところであり、アクセスが不便な峠はどうしてもよほど古道歩きが好きなマニアなハイカーしかやってこない傾向がありました。

 しかし今回興味深いのは、風伝おろし(寒暖の差が激しい秋から初春にかけて、山頂付近で発生した朝霧が風に乗って麓に吹き下ろされる、非常に美しい気象現象)で有名な風伝峠(熊野市~御浜町)への来訪者が前年比62.3%増の8352人と激増したことです。
 また、風伝峠と同じく、決してメジャーではなく、秘境感さえ漂う峠の一つである通り峠(熊野市)も31.8%増の1万2859人に増加しました。
 熊野市内で最も人気のある峠の松本峠も57.2%増の5万1615人に増加。さらに、峠ではないけれど、熊野灘を望む絶景スポットの浜街道・花の窟(はなのいわや)も20・4%増(16万1385人)となり、東紀州のうちでも熊野市を中心とした紀南地域の健闘が目立っています。

 これは熊野市と奈良県、和歌山県とを結ぶ国道311号や169号が拡幅され、アクセスが向上したことも寄与していると見られるほか、やはり世界遺産に指定されており日本の棚田百選にも選ばれている丸山千枚田や、「熊野の天空の城」との異名を持つ国指定史跡 赤木城跡などとセットで来訪する客が増えているためだとのことです。

 わしは、これは非常にいい傾向ではないかと思います。
 今までの東紀州観光は、極端に熊野古道に依存していました。しかも、上述のように、大多数の古道歩きのお客はメジャーな少数の峠に集中しており、その他の峠はせっかくポテンシャルがあっても、それだけを目当てに行くにはやや力不足な面がありました。

 これを、丸山千枚田や赤木城跡といったスポットと結んでいくことで、点が線になってきた印象を受けるのです。
 これをさらに線から面にすべく、他の近隣の観光スポットや宿泊施設、レクリエーション施設などと結び付けたり、まだ知られていない観光スポットをブラッシュアップしたりすることで、東紀州らしい観光スタイルを確立することができるでしょう。

 東紀州地域振興公社のホームページにある熊野古道伊勢路のルート紹介というものも、たいへん見やすく、丁寧に作られているので、こういったものも参考にしてもらい、みなさまもぜひ、東紀州に出かけていただいてはどうでしょうか。

■世界遺産熊野古道伊勢路 幸結びの路    http://www.kumanokodo-iseji.jp/

■はんわしの評論家気取り
  熊野の天空の城「赤木城」に行ってみた(2014年11月4日)

  丸山千枚田のグッドアイデア!(2014年5月20日)

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