2016年5月15日日曜日

「市民の伊勢志摩サミット」直前学習会に行ってみた

 5月23日と24日の両日に、四日市市で開催される 市民の伊勢志摩サミット に向けた直前学習会が実施され、誰でも無料で参加できるとのことだったので行ってみました。
 市民の伊勢志摩サミットとは、5月26~27日に三重県で行われるG7主要国首脳会議に合わせて、日本内外のNGO、NPOが連携して、力強い市民社会の形成をめざし、地域課題や国際的な課題をテーマとした提言作りや情報の発信を目的に行われるものです。
 主催は、2016年G7サミット市民社会プラットフォームなる市民団体と、東海「市民サミット」ネットワークなる市民団体。いま三重県内に溢れている「サミットを応援する」ための官製イベントとは一線を画しています。
 そのためか内容も硬派で、各国首脳を笑顔と花でおもてなししよう、などといったくだらない内容は一切ありません。市民の伊勢志摩サミットでの主内容となる、シリア難民や食糧安全保障、災害、子ども、環境、グローバリゼーションと健康、気候変動・生物多様性・防災、平和、教育、などといった16のテーマによる分科会の紹介や、最後に採択される予定の「市民宣言」の原案紹介などがありました。
 中でも、名古屋NGOセンターの西井理事長による「G7伊勢志摩サミットで何が話されるのか」という講話は面白かったので、簡単にメモしておきます。


 そう考えると確かにそうなのですが、これほどまで国際社会に大きな影響力を持つG7は実は、国連のような国際機関でもない言わば任意の「寄り合い」に過ぎません。
 西井さんによると、G7には参加者の資格や議論のルールなどを定めた正式文書はなく、議題の選定や議論の運営はその時々の国際情勢を反映して自由にできることが特徴だそうで G7が始まった(1975年)のも、第1次石油危機と景気後退をめぐる世界経済の課題を各国首脳が自由に話うことが目的で、市民活動の側から振り返ってみると、このころはまだG7の重要性がそれほど認識されていなかったそうです。
 しかし80年代になると人種差別や環境問題、後進国の債務超過問題などの課題について、NGOがG7に直接訴えようとする活動が活発になってきました。

 では今回の伊勢志摩サミットでは首脳たちの間で何が話し合われるのでしょうか?
 核の脅威や、テロ対策といった課題も重要ではありますが、一方で、世界経済、気候変動・エネルギー、持続可能な開発、質の高いインフラ投資、保健、女性などの問題がG7の基本的な議題です。これらは過去のサミットから話し合いが積み重ねられているので、講師の西井さんによると、これらが今回どれくらい進展し、具体化するのかに注目すべきだとのことです。

 中でも、市民活動から見た焦点は、国連総会で採択され今年から発効する「SDGs(持続可能な開発目標)」を実施するためのグローバルパートナーシップをG7がリードすることができるのか、COP21で採択された新たな気候変動の国際枠組み(パリ協定)に基づく国際社会の取り組みをリードできるか、ユニバーサル・ヘルス・カレッジ(すべての人が必要な時に基礎的な保健サービスを負担可能な費用で受けられること)が具体化するか、といった諸課題だとのことです。
 うーん、難しそう。
 
 ところで、もう一つのそもそも論として、ではなぜ市民団体がG7に政策提言を行うのか、ということがあります。
 これについては、G7の議論は首脳だけの会談であってボトムアップではないので、ミクロな視点が反映できないこと、市民社会の声を反映するプロセスが不十分であること、などの理由を西井さんはあげてくれました。
 世界銀行であった例だそうです。後進国でのインフラなどの大規模開発に融資を行うのが世界銀行ですが、往々にして現地で乱開発が行われ、汚職や人権侵害など深刻な問題を引き起こすことが散見されました。NGOによる抗議も多く、次第に世界銀行も、本来のインフラ整備をきちんと行うためには市民団体に耳を傾けることも必要だとして、姿勢が変化してきた実例もあるそうです。

 わしもそうでしたが、この直前勉強会の話を聞くまでは、サミット(伊勢志摩に限らず)にあまり関心もなかったし、自分の生活との関連もいま一つ見えにくいものでした。
 しかし、特に発展途上国にとっては、自国の将来がG7である程度報告づけられてしまうことから、関心は非常に高いそうで、そこで活動しているNGOにとっても、G7に直接提言していくことが重要なことが理解できました。

 問題なのは、G7に影響を行使しようとする市民活動は分極化しているそうであり、この「市民の伊勢志摩サミット」のような対話路線とは異なり、一部の環境NGOや社会活動団体による反サミットともいうべき対決姿勢や、デモとか直接行動に出る動きも2000年代のサミットでは恒常化していることです。伊勢志摩サミットでもこれら急進的な市民団体が大挙して押し寄せ、現場は相当混乱するのではないかと思われます。

 ともあれ、市民の伊勢志摩サミットは課題を真摯に話し合う場です。5月25日以降に伊勢市の国際メディアセンターで世界中の報道関係者に提言を行っていくとのことなので、関心がある方はぜひ分科会にご参加いただいてはどうでしょうか。

■市民の伊勢志摩サミット   http://tokaicn.jimdo.com/


May 23 and 24, 2016, in Yokkaichi, Mie Prefecture, Ise-Shima Summit of the citizens will be held. The international issues, will be discussed by the point of view of citizenship. It proposed to send to the region and the world.

0 件のコメント: