2016年6月12日日曜日

枚方(ひらかた)T-SITEに行ってみた

 今年5月、大阪府枚方市にオープンした 枚方T-SITE に行ってきました。
 TSUTAYAを展開しているカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営している大規模小売店で、蔦屋書店をメインテナントに、本・CD・DVDレンタルのTSUTAYA、生活雑貨や家電、衣料品、文具などのセレクトショップ、レストラン、カフェなどで構成されており、「ライフスタイル百貨店」を標榜しています。
 わしは、枚方市は地名はもちろん知っていたけど正直言ってなじみが薄い土地で、大阪のベッドタウンというイメージ(あと、「ひらかたパーク」か)よりないのですが、人口は40万人もあるそうで、京阪電車の駅前を出るとビルやマンションが林立しており、少なくとも三重県内の都市には駅前がこれほど賑やかなところはありません。
 駅からぞろぞろと多くのお客が吸い込まれていく枚方T-SITEは、跳ね出しボックスと呼ばれる、ところどころ飛び出した四角い構造物が奇抜な印象を与える8階建ての建物です。


 店内は、以前このブログにも書いたことがある、東京・代官山蔦屋書店や、二子多摩川ライズ・蔦屋家電と同じような印象。木質の棚や什器が使われた、たいへん落ち着いた大人向けのインテリアになっています。
(その時に気付いたのですが、床はフローリングでさえなく「板」でした。床が木貼りだったのです。)

 特に目を引くのは2階から3階部分の吹き抜けのように作られている外国の図書館のような巨大な本棚です。
 上の段の本を取ることは事実上不可能なので ~はしごやクレーンを使えば取れるかもしれませんが~ あくまでも本屋スピリットを体現する知のオブジェという位置づけなのでしょう。

 蔦屋書店では本の分類方式が独特です。通常の書店とちょっと違うので欲しい本をすぐに探しにくいのが難点ですが、逆に自分の知らない本とか、予期しない本が一緒に並べられているので、本とのサプライズ感のある出会いが演出されています。

 残念だったのは、フロアーマップにも書いてあるし、蔦屋書店の大きな特徴の一つと言える「コンシェルジュ」がなぜか見当たらなかったことです。
 わし、折角なので、今話題の今日マチ子さんの「百人一首ノート」がもしかしたらあるかな・・・と思ってぜひ相談したかったのですが、レジのほかに店員さんたちは見当たらず、しかも全員めちゃめちゃに忙しそうに立ち働いていたので、声を掛けることができませんでした。

 ところで、なぜT-SITEが一地方都市である枚方市にできたかですが、CCCの増田宗昭社長が昭和58年にこの場所で蔦屋書店の第一号店を創業したことから、かつての活気を失っていた駅前を再活性化したいとの思いからだとのことです。
 この建物はたいへんデザインが印象的なためか、エスカレーターの横にわざわざ建物についての説明版が置かれていました。これによると、設計と施工は竹中工務店。地上8階から地下1階まで、吹き抜けのスペースを少しずつずらしながら配置することで上下階を緩やかに繋ぐとともに、コミュニケーションを誘発する仕組みとなっているそうです。

 また、跳ね出しボックス構造と波形鋼板耐震壁を組み合わせることで耐震性を向上させているとともに、もし大災害が発生した時は72時間は自家発電できるほか、帰宅困難者300人を3日間収容できる備蓄があるとのことです。
 最上階の8階はテラスになっており、枚方のまちを見渡すことができます。このようにオープンスペースを作ることも最近の商業施設は流行っているようです。

 このように魅力がいっぱいの枚方T-SITE。こんな施設がある枚方市民がうらやましい限りですし、実際に、おそらく駅前のショッピングセンターでは今まであまり見かけなかったであろうような、幼児連れの若い夫婦や、若い女性たちのグループ、学生風のカップルなど、「都会的」なお客が多かったのも印象的でした。まさに時間の消費を楽しんでいるように見えました。

 この枚方T-SITEは市街地の再開発としては、1960~70年代に行われた第一世代に続く、第2世代の再開発ということができます。建設から数十年がたち、多くの建物は更新時期を迎えますが、その間に日本の人口構造、ライフスタイルは大きく変化しており、第2世代はそれに対応できるような再開発でなければいけません。
 この意味で、枚方T-SITEは大変興味深いビジネス(実験?)のように感じました。
 意地悪い見方をすれば、このように洗練されたお店 ~しかも大規模な~ が、中核的な規模とはいえ、決して大都会ではない枚方市でどこまで発展できるかが一つの焦点ではあるでしょう。
 1~2年後、オープンの熱気が少し落ち着いたころに、ぜひまた訪れてみたいと思います。

■枚方T-SITE  http://real.tsite.jp/hirakata/ 

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