2016年6月8日水曜日

高柳の夜店に感じた袋小路

 伊勢市の初夏の恒例行事、伊勢市民にとっては風物詩とも言える 高柳の夜店 が始まりました。
 高柳の夜店については何度もこのブログで取り上げています。1・6・3・8の日と土曜日、伊勢市の中心市街地にある高柳商店街で夕方から夜9時ごろにかけて開かれるもので、通常なら夕方には閉店してしまう各お店が夜間も延長営業したり、イベントや発表会があったり、露店が出たり、と、この時ばかりはアーケードの明かりの下、たくさんの若者や家族連れがやって来ます。
 特に今回が例年と決定的に違うのは、今年は通算で何と第100回目を迎える、記念すべき夜店であるということです。
 新聞の折り込みチラシも「百年夜店」というキャッチフレーズが入っていたりして、何だか気合いのようなものを感じたので、わしも仕事終わりに覗いていくことにしました。


 でもって、わしが抱く感想も毎回ほぼ同じなのですが、時間は夜8時ごろ、制服着た中学生や高校生、浴衣姿の小学生を連れた家族連れ、孫と来たじいちゃんばあちゃん、など数百人がアーケードの中でごった返しています。
 普段の閑散とした商店街とのあまりの違いに、いったいこの人たちはいつもは何をしているのだろう? どこに隠れているのだろうか? と不思議に思わざるを得ません。伊勢ってこんなに人がいるんだ、みたいな新鮮な驚きです。
 ヤンキーも隅っこにタムロしています。皆が帰った後はこいつらの夜の天下がやって来るのでしょう。

 
■はんわしの評論家気取り  伊勢高柳の夜店2013(2013年6月1日)

■はんわしの評論家気取り  伊勢高柳の夜店2014(2014年6月1日)

 しかしまあ、少々厳しいことを言えば、何か目新しいことはほとんどありません。少なくとも平成25年、26年の時と比べて大きく変わっていることはありません。
 いつもどおりの、いつもの夜店。
 昔ながらの変わらぬ風景。
 まさに恒例、風物詩です。

 言うまでもなく、このことは必ずしも「良いこと」ではありません。
 高柳商店街のように最寄品、つまり生鮮食品とか日用雑貨とか薬とか、のように消費者のほとんどはお店が近いから、という理由で購入するような商品を扱っている近隣形の商店街は、中心市街地の人口減少や高齢化、スーパーやコンビニの浸透によって顧客の絶対数がどんどん減ってしまっており、同じことを続けていてもジリ貧になるばかりだからです。

 これに対応するためには、商店街に新しいお客を誘導してくるしかありません。このために全国各地で、この夜店のような商店街イベントが開かれています。
 しかし、イベントはあくまでも、「あっ、この商店街にはこんな素敵なお店があったのか!」とか「やはり専門店はスーパーには真似できない品揃えだな」というように、やって来た新しいお客に、その商店街の魅力を認識してもらい、リピーターにするきっかけを作り出す機会に過ぎません。
 つまり、顧客に魅力のある品揃えがある、専門知識がある 、サービスが超一流である、といった個店がまずあることが前提なのです。
 大多数の商店街は、たいへん失礼ながらそれがなく、昔ながらの履物店とか人形店とか文具店なんかが大店を構え、今どきの消費者が求めている新規のお店の出店もなく、したがって新陳代謝もなく、活力が生まれていない状態です。そこにイベントで一時的に人を寄せても、一番儲かるのは露天商ばかり、ということになってしまいます。

 その点、高柳は夜店を観光資源として売り出す努力もしていて、例えば伊勢市観光協会のホームページにも情報が掲載されています。しかしながら、伊勢に観光で来ている人がこれを見ていってみようという気になるとも思えないし、行くための地図もないし、交通機関の案内もないし、そもそも夕方5時からというのも中途半端だし・・・、と、夜店デビューをする人を本気で掘り起こしたいようにも見えません。もうちょっとPRのやり方はあると思います。

 100回記念の目玉は「日本のふるさと伊勢を、製造で彩る幻想の世界」と銘打ったプロジェクションマッピング(!)の開催ということだったのですが、店番していた人にどこでやっているのか聞いても、「わたしら交代で店番してるだけやもんで知らへんのやわあ。あっちのほうでやっとるのと違いますんかいな。」とベタベタの伊勢弁で答えられただけで、これ以上この人 ~品のいい初老の女性だった~ を詰問するのも失礼だし、とにかくどこでやっているのかもわからないまま時間が過ぎてしまったのでした。

 で、提案なのですが(たぶん高柳の人がこのブログなど見ていないと思いますが)たとえば高柳の夜店デビューの日を設けて、夜6時、7時、8時と一時間おきに商店街のお店を紹介したり、イベント会場を案内するガイドツアーをやってはどうかと思います。「初めてでも安心」みたいな。「高柳に来たらこれを買わなきゃ」みたいな。

 それくらい目線を下げないと、本当に新しいお客はやってこないと思います。そして、これは典型的近隣商店街の高柳にとっては必須の仕掛けだと思います。
 当然ながら商店街活性化の前提は魅力ある個店の存在ですが、まだ高柳は「夜店」というアドバンテージがあるのです。7月3日の最終日にはまだ3週間あるので、今からでもガイドツアーを企画してみてはどうでしょうか?

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