2016年7月10日日曜日

県内の老朽56橋が早期措置必要

 伊勢新聞によると、三重県庁は7月7日、平成27年度に行った県管理道路施設の老朽化の点検結果を公表しました。(7月8日付け 県管理道路施設 「早期措置」が56橋2基 橋とカルバート点検結果)
 点検したのは橋と大型カルバート(暗渠)の計1017ヶ所で、このうち機能に支障が生じる可能性があり「早期に措置を講じるべき」と判定された橋は56橋、カルバートは2基あり、三重県は5年以内に修繕を完了させるとのことです。
 道路施設は国土交通省が定める、「健全」「予防保全」「早期措置」「緊急措置」の4段階で評価され、今回は通行止めなど最も緊急な対策が必要とされる「緊急措置」に該当する施設はなかったものの、橋のうち「健全」と判定されたのは338橋(34%)にとどまり、「予防保全」が587橋(60%)を占めました。また、川や水路に箱状のコンクリート構造物を置き、その上を人やクルマが通る、いわゆる暗渠(カルバート)では「健全」が4基(11%)にとどまり、「予防保全」が30基(83%)と大半を占めました。
 伊勢新聞には、早期措置が必要な老朽橋として多気町の車川橋(県道佐原勢和松阪線)や津市の落合橋(県道城立青山線)が例として挙げられています。

 グーグルマップで車川橋を見ると、高度成長期に「永久橋」などと呼ばれた鉄筋コンクリート橋であり、確かにこれと同じような橋は県内各地、全国各地にあり、国や自治体は今後「モグラ叩き」のように次々とこれらの橋を修繕や架け替えなくてはならないでしょう。

 三重県では、県が所有・管理するすべて公共施設・インフラを対象に、長期的な視点に立って総合的に管理していくための基本的な方針である「みえ公共施設等総合管理基本方針」を平成27年3月に定めています。
 これらのインフラは道路(延長3,461km)、信号機3,190ヶ所、橋梁3,990橋、砂防設備1,914施設などで、ほかにも河川、ダム、港湾、漁港、下水処理場、など膨大な数にのぼります。
 しかも高度経済成長期以降に集中して整備されたものが多いため老朽化が進んでおり、橋梁を例にとると、建設後 50年以上経過したものが 平成25年には29%であったものが、平成35年には52%、平成45年には69%も占めることになります。トンネルも建設後50年以上経過したものが14%であったものが、10年後には29%、20年後には 53%を占めることとなり、これらを長期的な戦略で維持管理、補修していかなくてはならないのです。

 問題なのは、これから日本で人口減少が本格化する中、誰がこの費用を負担するのかということです。「みえ公共施設等総合管理基本方針」では、公共施設やインフラの大規模改修と建替えに要する経費見込みを総務省の試算ソフトで計算したところ、今後40年間で9,141億円必要になるとの結果になったとのこと。
 一年間で229億円が必要なことになりますが、三重県では過去5年間の土木予算(普通建設事業費)は年平均148億円に過ぎません。つまり毎年、81億円の経費が増加する見込みとなり
ます。

みえ公共施設等総合管理基本方針 資料編より

 三重県当局が今年2月に県議会に提出した資料(中期財政見通し)によると、三重県の一般会計は平成31年度まで毎年300億円~400億円程度の歳入不足が生じる可能性があります。普通建設事業費には起債での予算措置が可能だとしても、非常に厳しいやりくりとなるでしょう。
 来たるべき、南海、東海、東南海の地震を想定しても、県施策の重要度を十分に吟味し、施策の優先度をゼロベースで検討すべき時に来ているようです。

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