2016年7月11日月曜日

鎮火か、ボヤか、大火事か

 参議院選挙が終わりました。ボーナスの時を別にして、公務員がこの時期ほど経営者や事業主から羨ましがられることはないのではないでしょうか。
 政治的な中立が守れる公務員とは異なって、経営者などは候補者や政党から具体的な要請がしばしばあってなかなか断れないし、時には踏み絵を強いられる場面すらあるそうで、そんな修羅場に遭遇しなくてすむ公務員はラクだろう、というわけです。
 選挙結果については大方の予想通り安倍首相率いる自民党の圧勝で、これについてはさまざまな分析や議論がこれから行われるでしょうからしばらく置くとして、わしを含め、おそらく少なくない三重県職員の関心は、選挙の勝敗などではなく、選挙期間中に鮮明化し、今後の行く末について予断を許さない雰囲気になってきた、民進党系の県議団VS知事と自民党系県議団との対立です。
 知事と自民県議団が支援した参院候補者の敗北によって、これが手打ちとなるのか、くすぶり続けるのか、それともボーボーと炎上するのか。その次第によっては絶妙なバランス感覚の上に成り立っていた鈴木県政の状況が流動化し、県政上の混乱や停滞を招く可能性があるからです。
 奇妙なことにこれら一連の事象は、県民にとっても県政にとっても重大なことなのですが一部の地方紙しか詳細に伝えていないので、簡単にメモしておきます。


 要するに、国政選挙において、今までの三重県政の慣例として現職知事が特定候補者を支援するケースが長年なかったところ、自民党員であり第1次安倍内閣時代に官邸スタッフだった経歴を持つという鈴木英敬知事が、参院選に立候補した自民党候補者の街頭演説会で応援演説し、民進党などの国政野党を公然と批判したことに対して、三重県議会の共産党、民進党系の議員団が強く反発しているというものです。

 伊勢新聞などによると

1)県議会の中村進一議長は7月4日、定例記者会見で鈴木知事が参院選三重選挙区で特定候補者を支持していることに「若くて頑張っている知事やったのに、悲しい」と述べた。また、候補者応援で先月三十日の記者会見を中止したことを「行き過ぎ。許せない」とし、一連の行動について、知人や県民から「県民党の知事と思い込んでいたが、がっかりした」「クリーンなイメージがなくなってしまった」などの厳しい意見が寄せられており、「県議会は分権時代を先導していくところ。総理べったりに突然なってしまって、戸惑いを感じている」などと話した。

2)7月5日に津と鈴鹿市内で自民党の小泉進次郎、谷垣禎一両代議士が自民党候補者の応援演説を行った。鈴木知事も登壇し、三重選挙区で共産党と候補者を統一した民進党について「県の前進と逆行する政党と手を結んだ」と指摘。自らの選挙活動を批判する動きには「向こうも相当苦しい。追い込まれているからだ。あと一歩で倒せる。頑張りましょう」と訴えた。

3)県議会会派「共産党」は7月6日、鈴木知事が参院選の特定候補を応援していることに対して抗議書を知事に提出した。「知事個人が候補者を支持しようと自由だが、広く公言し、実質的な応援活動に回るということは、許されるものではない」、「昨年の知事選では『県民党』を掲げ、自民党や公明党ばかりでなく、新政みえの推薦で再選されたのだからなおさら。県民に対しての裏切り行為」と主張し、鈴木知事が応援演説で共産党県議団を「サミットに反対して県の発展を妨害する」と述べたことにも反発した。

4)鈴木知事が特定候補を演説などで支援していることは「県民の立場から到底許されない」として、県議会の民進党系会派「新政みえ」は7月6日、特定候補の応援を中止するよう求める抗議書を鈴木知事に提出した。共産党や社民党県連も同様の抗議書を鈴木知事に提出している。新政みえの抗議書を受け取った鈴木知事は記者団に対し、候補者の陣営から今後の選挙活動でも支援の要請を受けていることを明らかにし、今後も支援活動を辞さない考えを示した。また、抗議書については「これからも、県政で新政みえをはじめとした各会派の皆さんと共に県政を前進させたいとの思いに変わりはない。いきなり抗議書を頂いたのは少し残念だった。県民は反論とか批判とかいう応酬を望んでいないと思う」と所感を述べた。

5)県議会の自民党県連は7月8日、民進系会派「新政みえ」や共産党県議らが鈴木知事に参院選で与党候補者を支援していることへの抗議書を提出したことについて、反論のコメントを発表した。伊勢志摩サミットを開催した自公政権や候補者本人の能力などを評価して「知事自身が決断された」ものであり、「知事の政治活動は制限されておらず、なんら非難されることではない。選挙期間中に一方的に抗議文書が提出されたことに意図的なものを感じざるを得ない」としている。

 という流れとなっています。

 7月6日の抗議書提出後記者会見に臨んだ「新政みえ」の代表らは、鈴木知事に対する問責決議案の提出も視野に、知事の動向を見極める考えを示しています。
 問責決議自体に法的な拘束力はありませんが、県議会から知事不適格の烙印を押されるのも同然で政治的影響力の低下は必至です。ましてや与党候補者が落選した今となっては、応援していた知事の立ち位置は非常に微妙です。一気に政局に進む可能性さえあります。問責を避けるために知事側(執行部側)から必死の巻き返しと懐柔が行われることでしょう。
 迷惑なのは県民生活に直結している県政事務までも論争や検証の的となり、事務のスピードが落ちてしまうことです。大型景気対策(補正予算)が目前に迫っており、その膨大な事業消化をどうスムーズに行うかは県職員にとって重大な問題なので、非常に気になることです。

2 件のコメント:

まろ さんのコメント...

5年経っても政治理念が見えなかった知事の本音がわかる行動が出たのだと思います。
見ているのは国の方の人であり、県民ではありませんでした。
サミットなどでうまく踊らされていた人たちの目が覚めることを願うばかりです。

匿名 さんのコメント...

例によってわけのわからない釈明でうやむやにしようとしてますね、AKさん。ただ新政みえもどこまで押し切れるのか?結局参院選は勝利したのでこれ以上知事を追求しても得策でないと考えているかも。