2016年7月14日木曜日

御浜町が地域おこし協力隊員を募集

 三重県御浜町(みはまちょう)役場が、地域おこし協力隊員を2名募集しています。
 都市部の人の新たな視点・発想から御浜町の地域資源を再発見し、地域の元気づくり、集落の維持・活性化を図っていくことを狙いとしており、地域おこし活動に意欲・興味のある方や、将来地方で起業・就業する思いを持った方などの応募を待っているとのことです。(7月29日まで)
 御浜町がある三重県東紀州地域は、地場産業である建設業や農林水産業が長らく低迷し、少子化、高齢化が著しく進んでいます。隣接する熊野市などはすでに数名の地域おこし協力隊員を受け入れていますが、御浜町は今回が初の受け入れとなるそうです。
 満を持して、ということかもしれませんが、役場のホームページに書かれていた隊員が従事予定の業務は、拍子抜けするほどシンプルなものでした。

(1)尾呂志(おろし)地区の地域活性化にかかる活動・・・1名
・尾呂志地区の地域活性化プランの推進活動
・各種事業の企画、実践活動
・地域情報の発信 など
(2)町への移住促進にかかる活動・・・・・・・・・・・・1名
・移住相談窓口の運営・充実、関係機関等との連携
・空き家バンク制度の運営・充実
・その他移住・定住(Uターン、地域おこし協力隊)のための諸活動

 恥ずかしながら、わしも協力隊員の公募記事を注意深く読んだのは初めてなので、全国の他の市町村でも、このようなざっくりした条件提示が普通なのかどうかはよくわかりません。
 しかし、年齢制限とか運転免許保有とか、実際に御浜町に移住してくること、などのほかは「心身共に健康で、地域住民とコミュニケーションを図り、誠実に活動できる方」というような条件しかなく、要するに地域づくりとか、コミュニティ活動とか、商売の経験とかは特に必要でもないようなので、これで実際にどれくらいの力量の人材が集まるのか、そしてその人たちが実際に隊員として赴任してきたらどのようなフォローアップやサポートがあるのか、といったことはまったくわかりません。(繰り返しますが、これが全国的には「標準」なのかもしれません。)

 ただ、さすがにあまりにもぶっつけ本番だとまずいと役場も考えたのか、協力隊への応募者は事前に「御浜町移住生活体験事業」に参加することが必須なっています。
 町内にある「ウェルカムハウス」なるお試し住宅に、のべ2泊3日以上宿泊して、地域住民を交えて活動内容や御浜町での暮らしについて知る機会を設けるとのことです。ここである程度のスクリーニングを図るのでしょう。
 ウエルカムハウスでの生活体験で御浜町の雰囲気や人柄を知り、さらに活動従事を熱望した人だけが、隊の第2次審査選考に進むことになるようです。

 御浜町が素晴らしい町であり、クルマにさえ乗れれば幹線道路沿いにコンビニもスーパーも病院も保育所もあるし、日常生活には何ら不自由しない ~むしろ自然が豊かで精神衛生上は都会よりはるかに健全に過ごせる~ 土地であることはわしが保証します。

 問題なのは、役場のホームページを見ても分かるように、「年中みかんのとれるまち」を標榜しているほど、町の「売り」というか一押しポイントが、みかんとかんきつ類に集中している、いわば一本足打法であるという点です。

 関係者には悪いのですが、年中みかんがとれるのは、おそらくここ御浜町だけではなく、和歌山にも、四国にも九州にも、全国でたくさんあるのではないかと思います。
 つまり、年中みかんがとれること自体はおそらく差別化要因でも強みでもありません。
 こういった豊富な資源を使って、いかに競争力がある地域ブランドが作れるのか、競争力がある加工品やサービスを生み出せるのか、こそが本質的な問題です。
  
 この点については、もちろん町内でも少なくない事業者は着手していますし、成果も生まれています。が、なかなか全国区の通用度を有していません。
 また、御浜町は天然記念物でもある日本原産の「紀州犬」の発祥の地とも言われていますが、まだまだこのことが、町の振興や観光集客に有効活用されているとは思えません。

 つまり、地域おこし協力隊が活躍するドメインとしてはブルーオーシャンと言ってもよく、洞察力、企画力、実行力がある人なら、役場や住民の協力を得て、新しい、大きな、意義のある仕事をやり遂げることが可能かもしれません。

 御浜町が好きな方、地域おこし活動に関心がある方は、ご本人だけでなく、自分の周りで関心ありそうな方にもつながっていただき、エントリーしてみてはどうでしょうか。

■移住・交流推進機構 地域おこし協力隊募集情報一覧(御浜町)

■はんわしの評論家気取り なんちゃって地域おこし(2016年6月21日)

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

隠居生活でない限り、働き口がないことには生活できないですからねえ。
生活環境が良くてもそれだけでは・・・
地域活性化や移住促進は、おそらく一時的な仕事ですよね。

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 コメントありがとうございます。
 統計上は御浜町も有効求人倍率は非常に高いのです。つまり、仕事はあるのです。
 問題は、それが期限付き雇用であったり、肉体労働や、ホワイトカラーであってもキャリアが積めない労働であったりして、Iターン・Uターン者にとって魅力的でないことです。
 地域おこし協力隊は、受け入れる町役場や地元がよほど戦略的に取り組まないと、おっしゃるように「一時的な仕事」しかあてがうことができず、定着は困難になるでしょう。