2016年7月18日月曜日

海の日に見た熊野の「田んぼアート」

 高速道路の全通により格段に交通アクセスが向上した東紀州地域(三重県南部の尾鷲市、熊野市、紀北町、御浜町及び紀宝町の2市3町からなる地域)ですが、マイカーやバス、トラックの多くが高速道路(紀伊長島IC以南は通行料が無料)を使うようになった結果、今まで幹線道路であった国道42号は通行量が大幅に減少しています。
 このことは、とにかく早く目的地に向かうのではなく、途中の景色も見ながら、時には道草を食いながらのんびり東紀州を走りたいと考えているわしのような人間には好都合で、ここ何回か、わしはいわゆる「下道」だけを通って東紀州に行っています。
 で、今日は海の日なので、美しい熊野灘の景色でも見ようかと朝自宅から走り出したのですが、伊勢市から、度会町、大紀町、荷坂峠を越えて紀北町、そして尾鷲市、熊野市と走って行くうちに、まったくの偶然から 田んぼアート を見ることができました。
 国道42号の尾鷲市と熊野市の間の「矢ノ川(やのこ)峠」を過ぎ、熊野市飛鳥町を走っていたときのこと。真夏の日差しが眩しく、周りの緑は濃く、ほとんど対向車もない中、ふと道路のわきを見ると「ビオトープ 田んぼアートこちら」と書かれた看板が目に入りました。
 田んぼアートってよくテレビでは見るけれど、わしは実物を見たことがなく、それがこんな田舎 ~と言っては失礼ですが、実際にこの付近は熊野市街地からクルマで30分ほどかかる山間地~ にあるのも驚きだったので、矢印が示す脇道に入ってみました。


 このあたりは飛鳥町小又地区というらしく、国道から分岐した幅4m位の道路がうねうねと続いています。道の両脇には田んぼと、その奥に家々が点在しています。たいへんのどかで、美しい風景ですが、歩いている人などはまったくいません。
 そんな中、走ること2~3分で、「ビオトープ めだかの学校」とか「小又 田んぼアート」などの看板やノボリが出された一角に着きます。

 駐車場もあって、その脇には、来場者の集計用にどこから来たかを自己申告する白板が設置されていました。
 

 田んぼを見てみると、何となく色の違う稲が伸びているのが見えます。が、もちろん、何の絵なのかは全然わかりません。
 畦道を進んでいくと、鉄パイプで組み上げられた高さ10mくらいのタワーがあります。


 これを登り、頂上のテラスから見下ろすと、こんな感じ。


 田んぼアートの絵が大きすぎてカメラに入りきりません。しかし、これは何の絵だ・・・?
 
 横に目をやるとこんな感じ。


 このあたりが両側から山が迫ってきている谷沿いの土地であることがわかります。
 
 写真を撮っていたら、田んぼのわきから「おーい、おーい!」と呼ぶ人がいました。何だろうと思ったら、おたく、ここは初めて来たんですか? それなら下にパンフレットがあるからそれを読んでください。とのこと。

 パンフレットは「小又の田んぼアートからのお知らせ」というもので、この田んぼアートの絵は新宮高校美術部の生徒がデザインした三反帆(熊野川で使われた帆かけの川船)と、飛鳥小学校の6年生が講演したおサルさんであることや、田んぼアートを構成している「古代米」の種類とそれぞれの色、そして稲穂の成長度合いによる見ごろの時期、などが詳細に書かれていました。

 見終わって下に降りていくと、先ほど声をかけてくれた男性がいて、いろいろお話を聞くことができました。田んぼアートや、その隣にあるビオトープは、地域活性化のために10年ほど前から地元の有志が始めたものだとのことです。
 田植えや稲刈りは地域外からボランティアがやってきて行っており、そこそこの人出があること。また、例年はテレビ番組に取材されたりもするので、昨年はシーズン中、2000人(!)もの人が見にやって来たそうです。


 ただ残念なことに、今年はオレンジ色の部分に植えられている古代米(あかねあそび)の発色が悪く、失敗作になってしまったそうです。確かに、三反帆の船体の部分がハゲちょろけて亀の子たわしみたいに見えなくもありません。
 また、そのせいか、今年はテレビ局の取材もないそうで、結果的に見にやって来る人も昨年より少なめだそうでした。

 田んぼアートの見ごろについては、「ビオトープ小又」というブログで情報発信しているので、今度来るときは、あらかじめブログで頃合いを確認してから来たほうがいいよ、とのアドバイスもいただきました。
 これほど大きな作品、しかも自然相手に成立していて、人手もかかるアートを、10年以上続けることは大変なことです。熊野市に行かれる方で、もし時間があれば、ぜひ小又の田んぼアートに寄ってみてください。(グーグルマップはこちらです)


 田んぼアートのあと、せっかく熊野に来たので七里御浜でも散歩しようと砂利浜に降りてみたのですが、灼熱の太陽で砂利が暑く暑くくなっており、数歩歩いただけで汗は滝のように流れてくるし、サンダルに入ってくる熱い小石でヤケドしそうになるし、これはとても駄目だ、と思い、ほうほうの体で退散したのでした。


■ビオトープ小又 ブログ  http://tanboart.blog.fc2.com/

 

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