2016年7月20日水曜日

政務活動費の「クレジットカード利用」とは

 先日、国立西洋美術館が世界遺産に認定されました。設計者は近代建築の巨匠 ル・コルビュジエですが、その高弟であった日本人建築家が坂倉準三氏(故人)であり、三重県内で、その坂倉の手になる建築物が昭和39年に竣工した伊賀市役所(旧上野市役所)です。
 老朽化した市役所を解体して建て直すか、それとも市庁舎は保存して別の場所に市役所を移転新築するか、市内を二分する論争が続く中で、7月19日、三重県は移転新築のための用地取得計画について土地収用法に基づく事業認定を行いました。

 これは極めて興味深いニュースであり、伊賀タウン情報YOUを見ていたら、別の面白い記事を見つけたので、そっちをアップしておきます。
 7月1日付けの「政務活動費 クレジットカードの利用を検討 名張市議会」というもので、ちょうど半月前には舛添前東京都知事の辞任問題などもあり、一瞬わしは、名張市議会は議員の政務調査費の支払いを専用のクレジットカードで行うことにして、支出をすべてガラス張りにするのか、なんて先進的なんや! と驚いたのですが、よく読んでみるとそんな話では全然なかったのでやや拍子抜けしたのでした。


 YOUによれば
・名張市議会の議会運営委員会は7月1日、現行の「政務活動費マニュアル」で制限しているクレジットカードやETCの利用を解禁する方向で検討を行った。
・4月の同委員会では、市議会議長が昨年度の政務活動費の収支報告をした際、複数の会派の会計責任者からクレジットカード決済を認めてほしいとの相談があったとして議題に挙げ、平成28年度以降はマニュアル改正を検討するよう求めていた。
・「マニュアル」ではクレジットカードの利用やポイント付与がある場合は、政務活動費の支出を認めていない。ETCも原則禁止で、現金払いのみ可能としている。
・この日、クレジットカードとETC利用を可能とすることについて委員からは特に意見が挙がらなかった。4月の時には「時代を考えてもクレジット決済は妥当」などの意見が挙がっていた。
 というようなことのようです。

 なるほど、こういう議論があるのかと思ってネットで検索すると、今、全国の地方議会では少なからず政務活動費をクレジット支払いでも使えるようにせよ、ETCも認めよ、という議論が澎湃と沸き起こっているようなのです。

 実際、わしの住む伊勢市も伊勢市議会事務局による「政務活動費の取り扱いマニュアル」なるものがあって、「ポイントカードやクレジットカードは、経済的付加価値が個人に転化される決済方法なので、使用は控えてください。」と明記しています。
 全額が税金で賄われる政務活動費の支払いでたまったポイントは「不当利得」の疑いもあるので、一律に禁止しているようです。
 しかし、ETCのようにクレジット決済が前提のものまで認めていないのは窮屈すぎるのではないかというのも一理あると思うし、時代の要請としてクレジットを認めよう、言い換えると、おカネを使いやすくしようというのもやむを得ない面はあるような気がします。

 このYOUを見てわしのアタマに最初によぎったのは、議員が政務活動費で買ったものが、本当に政務に役立っているかという価値判断は別にして、そもそも領収書を偽造して支出を誤魔化すようなことは、政務活動費の支払いは絶対にこのクレジットカードを使いなさい、と決めておけば防げるのではないかということだったのです。
 これは、 かつて橋下徹氏が大阪市長の頃に、「生活保護費プリペイドカード化モデル事業」というものに着手したことも頭の片隅にあった連想でした。
 
 これは、生活保護受給者に大阪市がクレジットカード会社と連携してプリペイドカードを貸与して、生活保護費のうち食費や日用品費などに充てる毎月3万円を入金するという仕組みで、昨年4月から試行が始まりました。
 受給者の中には飲酒やギャンブルで生活保護費を費消してしまう人もおり、市としてはプリペイドカード決済なら使用した日時や店が把握でき、家計管理や市職員(ケースワーカー)による金銭管理に役立つと期待されたのです。

 しかし、結果的にはこの事業は失敗し、試行は1年間で打ち切られることになりました。「カードが使えるような店には行かない」「生活を監視される」といった反発もあり、市が利用世帯数の目標を2000世帯としていたところ、実際はわずか65世帯にとどまったからです。(毎日新聞 4月13日付け

 ただ、裏返すと、このデメリットは政務活動費にはメリットになると言えないでしょうか。「カードが使える店でしか支払えない」、「行動を監視される」、ことは住民からの要請でもあります。
 大阪市の制度はプリペイドカードの必要経費はカード会社が負担したそうですが、このことも、政務活動費にカードを使う議員に対しては、インセンティブとしてポイントは付与する、というふうにすれば、より導入への近道にならないでしょうか。

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