2016年7月31日日曜日

これって大ニュースじゃないの?

東京新聞より
 我が国の農業人口は一貫して減少していますが、今年2月時点で約192万人となり、史上初めて200万人を割り込みました。
 農林水産省がこのほどまとめた平成28年の農業構造動態調査の結果を公表したもので、平成2年には約480万人だったものが四半世紀の間に約4割にまで落ち込んだことになります。

 農家の世代別では、いわゆる団塊の世代に当たり、定年退職をきっかけに就農が増えたとみられる65~69歳が、前年比6.2%増の36万8300人となったものの、そのほかはすべての世代で減少しており、中でも全体の半数近くを占める70歳以上では70~74歳が12.5%減の28万700人、75歳以上は8.8%減の60万4800人と、高齢化による離農が急速に進んでいます。
 また、40歳未満の「若手」を見ても、29歳以下の農業就業人口は24.3%減の4万8200人、30~34歳は8.2%減の3万1200人、35~39歳は11.5%減の3万8300人とすべて減少しており、国や地方自治体が長年にわたって進めてきたはずの新規就農支援策も、ほとんど効果が表れていません。


 農業関係者の間での将来の一番の不安は、やはりTPP(環太平洋連携協定)による農産物輸入自由化や、米作における生産調整(減反)の自由化に関してではないかと思われます。
 しかし、農業は日本人のDNAであるとか、田んぼは日本の原風景である、といった情緒的な意見ではなく、冷静に日本の産業と社会の動向を見たとき、今までの極端な個人農家の保護政策は限界が来ていることは明らかです。
 そう考えると、農業就業人口が減少したことは ~日本の人口そのものが減少している中で~ 必ずしも悪いことばかりでなく、少ない労働投入でいかに生産量や付加価値を上げていくのか、言い換えれば、どのように生産性を上げていくかが農政の大きな焦点に移り変わってきたということではないかと思います。

 農業を、零細農家の集合体と捉えるのでなく産業と捉えると、企業の農業参入の促進や、兵庫県養父市の国家戦略特区(中山間農業改革特区)のように農地転用の合理化など、成長力の強化と生産性向上のための支援策は徐々に充実してきています。これらに参画できるような、意欲のある農業者の育成と支援がますます重要になりそうです。

 ただ、わしが気になるのは、農業者が200万人を割り込んだという、農業の現状の象徴的なニュースが、どうも世間ではあまり騒がれていないことです。
 かつての炭鉱や造船のように衰退モードの産業なので、あらためた注目など受けないのでしょうが、この問題は地域コミュニティの維持や、農業にまつわる伝統行事や生活様式の継承など、都市部も含めた日本の地域社会の大きな問題です。
 これが、ここまで小さな扱いなのが、つまり世間一般の農業への無関心が、~わしもここまでとやかく書いたものの~ やや寂しくもあるのです。
 これって本当は、大ニュースじゃないのでしょうか?

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