2016年7月4日月曜日

京都鉄道博物館に行ってみた


 今年4月にオープンした、京都鉄道博物館に行ってきました。京都は真夏のような気候で、いやー暑かったのなんの。

 京都鉄道博物館は京都駅から約2m離れた場所(下京区)にありますが、ここはかつて蒸気機関車の車庫と貨物駅があった場所で、たくさんの蒸気機関車が動態保存・展示されていた「梅小路蒸気機関車館」があった場所です。
 ここに、大阪市にあって平成26年4月に閉館した「交通科学博物館」が移転して合体し、リニューアルされたのが「京都鉄道博物館」である、というイメージになるかと思います。

 わしは、「梅小路蒸気機関車館」も「交通科学博物館」も行ったことがあるので、その意味では全然知らない世界に来たというより、あれが今度、どんな風になったのかなあ、という程度のまったく軽い気持ちでの訪問でした。
 何しろ大変な暑さと、休日でかなりの混雑だったので、展示面積が31000㎡、展示車両53両もあり、JR東日本の「鉄道博物館」とかJR東海の「リニア・鉄道館」を上回るという広大な規模の施設内を、熱中症にもならずバテないで歩き回れるのかという心配が頭をよぎったほどでした。


 館内に入ると、新幹線(0系)やSL(C62)などが展示されているプロムナードがあり、そこを抜けると本館というメイン施設に入れます。


 今、こういう展示方法が主流なのでしょう。カーペット敷きのフロアに車両が並んで展示されています。
 往年の名車で、わしも昔乗ったことがあるものばかりですが、線路、枕木の世界から切り離されており、置物みたいでさびしい気もします。

 紀勢本線などで活躍した特急くろしお(キハ81)もありました。交通科学博物館から引っ越してきたのですね。


 機関車であるEF66やDD51は真下に潜って、中のメカがどうなっているかを見上げることができます。


 まあ、細かいことを書き出すとキリがないし、おそらくよそのホームページやブログでもっときちんと紹介されていると思うので、展示の内容とかみどころはそちらに譲るとして、わしが特に強く感じたのは、先ほどの車両の展示方法ではないですが、博物館のコンセプトそのものが、先代の交通科学博物館にくらべて変化(進化)しているのではないかということです。
 京都交通博物館のホームページには、館のコンセプトとして「地域と歩む鉄道文化拠点」というものを挙げています。


 具体的には
1)博物館として、学校教育、周辺施設など、地域との連携を図り、地域の活性化に寄与するとともに、広く皆様に受け入れられる「憩いの場」となる
2)それとともに、「見る、さわる、体験する」ことで誰もが楽しむことができる「学びの場」となる
3)また、先人が築いてきた鉄道の歴史をふまえ、その安全・技術・文化の継承・発展・創造のために活動することで、鉄道事業の社会的意義の浸透を図るとともに、豊かな感性と知性にあふれる社会の一端を担う
4)鉄道の総合博物館として、鉄道の安全性や技術を伝える場の創出、ガイドツアー、ワークショップなどを通じて、鉄道ファンだけでなく幅広いお客様が楽しめ、鉄道についてより深く理解できる様々な文化活動を実施する
5)博物館活動の核である資料の収集・保存を体系的に行い、調査・研究に努め、感動とひらめきを生み出す展示・教育普及活動に力を注ぐとともに、鉄道文化遺産の保存や継承を支援する役割も担う
 という事項が掲げられています。

 これは、旧交通科学博物館の設立趣意が「鉄道車両など交通関係の資料を次世代に継承していく」「来館者に乗り物の魅力を届け、驚きや発見などの楽しみを感じてもらえるよう展示や教育普及活動を行う」というシンプルなものだったのに比べて各段に多様化、複雑化しています。

 実際に、京都鉄道博物館は体験型の展示や設備、プログラムが多く準備されており、子供に人気の運転シミュレーターやジオラマなどのほか、見学可能な車両工場とか、JR西日本の現役社員が運転士や車掌、指令、保線といった仕事を紹介する「鉄道おしごと体験」というプログラムも行われています。こんなのは、社会貢献に加えて、将来のリクルートの意味もあるのでしょう。

 確かに、運転士や車掌、駅の改札業務などはわかりやすいのですが、鉄道には膨大な職種があり、大部分は裏方の仕事です。これに日を当てるのは意味があることでしょう。
 また、技術面で言えば、レールとか架線、車両に関する技術はやはり見てわかるので関心は集まるでしょうが、忘れてはならないのは座席指定特急券の予約販売システムのようなコンピューターの導入と進化です。


 1960年代から旧国鉄が導入した「マルス」というシステムは、コンピュータ回線を全国の主要駅で結んで、特急列車や寝台列車の予約発券を処理できる画期的なものでした。(写真は昭和45年のマルス104)
 最近、IoTといったICT技術が第4次産業革命などと言われ注目されていますが、マルスでコンピュータの歴史を振り返ってみるのも、将来の姿を占ううえでの参考になるかもしれません。

 というようなわけで、いわゆる体験モノは待ち時間が異常に長かったり抽選制だったりしてほとんど試せなかったのですが、館内と機関車庫をぶらぶら歩きまわって約2時間、けっこうお腹いっぱいになりました。昔の食堂車がレストランになっていて、入りたい、と思ったのですが、やはり相当順番待ちの列が長く断念せざるを得なかったのが心残りです。


 屋上のテラスからは東寺の五重塔がよく見えます。東海道新幹線が走ってきたので、何だか絵はがきみたいな写真が撮れました。

■京都鉄道博物館  http://www.kyotorailwaymuseum.jp/


0 件のコメント: