2016年8月27日土曜日

伊勢神宮の混雑緩和へ県が道路改修

 伊勢神宮・内宮(ないくう)周辺の道路は、毎週末、特に観光シーズンには大変な渋滞になります。
 内宮は宇治(宇治)地区という、伊勢市街地でも奥まった谷あいに位置しているため幹線道路が行き止まりになることと、神域内を流れる五十鈴川が地区を横断しているため、橋の部分で混雑となるからです。
 そこで三重県と伊勢市が、内宮にほど近い宇治地区内を通る県道(館町通線)の改良に本格的に着手することが、先日の伊勢市議会で明らかとなりました。各紙が大きく報じています。
 目玉になるのは五十鈴川に架かる橋の一つ「御側橋(おそばばし)」の架け替えで、現在は幅が5メートルほどで大型車の対向ができない状態であるところ、長さが95.6メートル、幅が車道2車線(片側1車線)と歩道で10.5メートルの新橋となり、今秋に着工し、平成33年に開催される予定の「三重とこわか国体」までに完成させる予定とのことです。


 御側橋の架け替えに合わせて、現在は道幅が4メートルの県道・館町通線の拡幅も行われます。
 また、伊勢市は県の県道整備に合わせて、県道に通じる農道を拡幅のうえ、歩道を備えた市道として整備するとのことです。
 市道の完成後は、国道23号から新たに整備される市道を経由して県道へ出、現在建設中の新しい県営陸上競技場方面へ向かうルートが生まれることになります。
 内宮への主要アクセス道路が国道23号と、県道(通称「御木本道路」)の二本である現状の道路体系に変わりはありませんが、混雑緩和、渋滞緩和にいくらかでも貢献することでしょう。

 肝心なのは、国道23号から県道につながる導入路がどのあたりになるかということです。現在もごくごく細い道路が内宮別宮である月讀宮あたりからつながっていますが、家屋が密集した集落の中をくねくねと曲がりながら通っており、これらを立ち退かせて拡幅することはほぼ不可能ではないかと思います。あらたに農地部分などに進入路を造ることになるのでしょうか。(中日新聞には新たな道路の建設ルート画が載っていますが、細部まではわかりません。)

 一方で、わしが個人的に心配なこともあります。
 行ってみるとよくわかると思いますが、現在の県道・館町通線の楠部町から宇治にかけての区間は、横を五十鈴川が流れ、山が迫ってきた平地に田んぼが広がる、たいへんに日本的な美しい光景です。日本の原風景と言ってもいいと思いますし、実際に五十鈴川の堤防沿いは素晴らしいハイキングコースにもなっています。
 ここに2車線のバイパス道路ができれば、もちろん地元の住民の方も車での行き来は楽になるでしょうが、一気に宅地開発、店舗開発が進んで、コンビニや飲食店や土産物店だらけになってしまわないか、という心配です。

 この付近の田んぼは明らかに圃場整備されており、直ちに農用地が解除されることはないでしょうが、御木本道路も高速道路が開通してから周囲の柿畑がどんどん宅地化され、のどかだった風景は大きく変わりました。
 伊勢神宮・内宮というとどうしてもおはらい町のような観光施設に目が行きがちですが、国体などオリンピックと同様 ~というか、はるかにそれ以下の~、一過性のバカ騒ぎに過ぎないので、目先の経済効果をもくろむだけでなく、美しい日本の景色や環境を後世にどう残すのか、伊勢市民の義務ともいうべき本質的な部分をしっかり議論していただきたと思います。
 

2 件のコメント:

イセオ さんのコメント...

内宮の混雑緩和より競技場へのアクセス向上が目的ではないでしょうか。今は試合やイベントに体育館なんかに行きたい人が伊勢神宮の混雑に巻き込まれているので。

半鷲(はんわし) さんのコメント...

 コメントありがとうございます。
 内宮周辺の道路や駐車場の整備計画、運用などの総合的な戦略が見えないので何とも言えませんが、わし個人としてはもう少し公共交通機関(バス)の活用を考えるべきと思います。たとえば整備する県道はバス専用道路にするとか。
 今のように自家用車を無制限に受け入れていたらパンクするのは当たり前なので、パークアンドバスライドの通年運用といった、道路整備と交通規制の一体運用が不可欠と思います。